TSJUDER - antiliv 全曲試聴

BLACK METAL

迫力で圧倒するのは曲のファストな爆走部分。スリリングなギター・リフの連続で、時々オカズのようにミドルやスロー・テンポのパートも入る展開。ミドル・テンポが少し続く場面ではそれなりのヘヴィーネスもあるが、ヘヴィーからヘヴィーへと続く展開はあまりなく、じきに爆走に戻る。
ヴォーカルは幾分甲高いガナリと言うのか、 IMPALED NAZARENE 的にダーティーでヴァイオレントだ。しかし、曲がファストなのであまり引っかかりを感じさせずにどんどん飛ばして行き、それほどエグくもない。
各パートの演奏やアレンジはある種のオーソドックスな物だが、ノルウェイジャン・ブラック・メタルの中ではコールドなメロディー中心ではなくラフでエキサイティングなスタイルで、メロディーが印象に残る部分は少ないかも知れない。
全体の雰囲気や音自体に浸る為のサウンドだろう。雰囲気となると、人によって感じ方が違いそうで書くのが怖いが、感じたままを書けば、ダークというよりヴァイオレント、コールドだがクレージーな熱気に満ちた、やはり爆走がメインの音楽と言う事になる。

TSJUDER は1993年にノルウェー Oslo自治体(kommunen)で結成した。
結成メンバーはベース/ボーカルの Nag (Jan-Erik Romoren) とギターの Berserk の2人。
翌1994年にセコンド・ギターの Drauglin (Halvor Storrosten) が加わった。
バンド名は昔のロシアの用語で、フィン語族で現在のエストニアからカレリアに相当する地域にいた部族を指す、はずだったが Encyclopaedia Metallum によればノルウェーの映画 "Pathfinder" に出て来る架空のロシアの部族に由来すると書いてある (2015年12月30日15:54データ取得)。
3作のアルバムなどを残して、2006年に解散した。
2010年に解散時のメンバー3人で再結成し、翌2011年に4thアルバムをリリースしている。

本作は2015年(September 18th, 2015)にリリースされた5thアルバム。8曲(46:19)。
バンド・メンバーは再結成後変りなく、 Nag (1993年結成から), Drauglin (1994年から) ドラマーの AntiChristian (1999年から, 2001-2003年の間脱退)の3人。
AntiChristian の本名は Christian Hapnes Svendsen (Chris Bartender の名前もある)で、 GRIMFIST 等にも参加している。
ミックスとマスターはスウェーデンの Sonic Train Studios で、 KING DIAMOND のギタリストでスタジオ・オーナーの Andy LaRocque がした。
LABEL: SEASON OF MIST (フランス)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

COFFINS - craving to eternal slumber 全曲試聴

BLACK METAL (JAPANESE ARTIST)

ドゥーミー・デス・メタル。ドゥーミーな音、そしてダーティーな音が以前からの特徴。さらに本作は重みを加えたサウンドで、不穏を通り越して、どこか野蛮な雰囲気も漂う。CDなどのレヴューで腐臭漂うという言い回しが良くあるが、これは腐臭と悪臭の強烈なコラボレーション。
音質面では、本作はノイジーさもブリブリした低音も極端ではなく、音の厚みや迫力も正攻法的にパワーを感じさせる。
本作からの新ヴォーカルはげろを吐いているような音ではなく、こちらもパワフルでダーティー、いやらしく野蛮な雰囲気を持っている。
ミドル・テンポ中心~スロー位。ダーティーなブラック・メタルを聴く人も身近に感じる音だ。

COFFINS は1996年に東京で Bungo Uchino が結成した。

本作は2015年(August 21st, 2015)にリリースされたミニアルバム。6曲。
新曲3曲と旧曲の再録3曲を収録。
バンド・メンバーはギター/ヴォーカルがうちの文吾、ヴォーカルが Jun Tokita (2013年から)、ドラムズが Satoshi Hikida (2011年から)、ベース/ヴォーカルが是枝卓也 (2006年から2015年まで) の4人編成。
録音は東京の Noise Room Recording Studio で2015年4月に小林重典がした。
マスタリングは東京の Loud Audio で2015年4月に野辺田一紀がした。
LABEL: HAMMERHEART RECORDS (オランダ)

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全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

LUCIFER'S FALL - lucifer's fall 全曲試聴

DOOM / METAL

ダークでエピック・メタル的なドゥーム。
曲/メロディーはスローでダークであり、ドゥームであると共にエピカルな感じも与える。
演奏は BLACK SABBATH 的な重量級ヘヴィー・サウンド。ギターは低音でリフをうねうねと引きずり回す。
リズムの変化も少なく、ある意味単調ということになるだろうが、一定の曲調で統一されている。曲の途中での展開も真っ当なもので、少ない方かも知れない。
シンガーはクリーン・ヴォイスのハード・ロック的唱法で、メタルにも近い印象だが、曲がダウンテンポなので堂々としたエピカルな感じを与えている。感情を移入した物々しい歌唱が、何かドラマのような物を感じさせる。ドラマ的な歌詞なのかも知れない。

LUCIFER'S FALL は2013年にオーストラリア South Australia州 Adelaide市で結成した。
結成メンバーはいずれもドゥーム・メタル・バンド ROTE MARE のメンバーで、ヴォーカルの Deceiver (Philip Howlett) とドラマーの Unknown and Unnamed (Ben Dodunski) の2人。
2015年までは Deceiver がギターとベースも担当していた。
2015年には ROTE MARE の残るメンバー2人、ベースの Cursed Priestess (Jess Erceg) とリズム・ギターの The Mother Superior (Sean Wiskin) 及び、リード・ギターの The Invocator (Kran) が加わって5人編成になった。

本作は2014年(Jul 24, 2014)にデジタル・ダウンロードで自主リリースした1stアルバム。7曲。
この作品ではバンド・メンバーは2人。

こちらは2015年にリリースされたCDヴァージョン。
新アートワーク使用。
LABEL: HAMMERHEART (オランダ)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

WEEPING SILENCE - opus iv : oblivion 全曲試聴

GOTHIC

メロウでドラマティックで雄大なスケール感もあるダークなゴシック・メタル。
曲の一番の聴き所はダークさと美しさを湛えたスロー・テンポの部分だが、流れるような軽いパートや、ファストなパートもミックスされていて、程よい変化がある。
演奏やアレンジ面でも荘厳な美しさに富んでいる。また、全体にオーソドックスな手法ではあるが、バランスよく変化をつけている。
その演奏をバックに妖しさもある綺麗なメロディーを女声ヴォーカルが歌い、お決まりだが、いかついおっさんのグロウルがからむ。女声は高音も出るが落ち着いた中音が多く、その声が瞬間的に裏返る所がミソです。
暗い美しさが主目的ながら、あまり"べた"過ぎずに、あっさりまとめているセンスの良いバンドです。

WEEPING SILENCE は1995年にマルタ共和国 Siggiewiで結成した。

本作は2015年(October 23rd, 2015)にリリースされた4thアルバム。9曲(52:44)。
現在は結成メンバーは残っておらず、ツイン・ギターとツイン・ヴォーカル(シンガーは楽器を持たない)の7人のバンドになっている。シンガーは2人とも前作以後の新加入。新しい女性シンガーはメッゾ・ソプラノ(女声としてはソプラノとアルトの間で中間域)になります。
LABEL: MASSACRE RECORDS (ドイツ)

ololo.fm試聴・本作1曲目"Oblivion - Darkness in My Heart Anno XV"
ololo.fm試聴・本作2曲目"Ivy Thorns upon the Barrow"
Youtube試聴・本作3曲目"Eyes of the Monolith"
ololo.fm試聴・本作4曲目"Hidden from the Sun"
ololo.fm試聴・本作5曲目"In Exile"
ololo.fm試聴・本作6曲目"Stormbringer"
ololo.fm試聴・本作7曲目"Transcending Destiny"
ololo.fm試聴・本作8曲目"Bury My Fairytale"
ololo.fm試聴・本作9曲目"Gothic Epitaph"

(コメント:犬丸)

GOROD - a maze of recycled creeds 全曲試聴

DEATH METAL

テクニカル・プログレッシヴ・デス・メタル。発狂的といえば良いのだろうか。
ファストなパート、グルーブ感のあるパート、ベースが弾むようなリズムのパート、ジャジーなパート等、常に時間を置かずに変化を続ける展開。
リズム体の変拍子や複雑なリズム。
激しく駆け巡るギター。
ヴォーカルも、シャウトからグロウルまでに、効果音的なヴォイス(つぶやきに近い声など)も加えて、極めて変化が多い。
一定の方向を持たず、自由自在に連続的にめまぐるしく変化する、超テクニカルでエクスペリメンタルなサウンドは、聴く方にもテンションが要求されそうだが、しっかりしたリズム体の乗りによる聴きやすさもある。

前身バンド GORGASM (同名の米国やメキシコのバンドとは別バンド)は1997年にフランス Aquitaine地域圏(州) Bordeaux市で結成した。
結成メンバーは、ドラマーの Sandrine Bourguignon、ベース(初期はヴォーカル兼任)の Ben、ギターの Matの3人。この年の間にシンガーの Guillaume Martinot (KRUCIFER) が加わった。
2000年にセコンド・ギタリスト Richard が加わり、この事が2000年の1stデモにラウドな音やリード・パートをもたらした(Encyclopaedia Metallumのデータによればデモのバンド・メンバーに Richard が入っていません)。
このサウンドの時期に、米国のブルータル・デス・メタル DISGORGE やメキシコのゴア・デス・グラインド DISGORGE, NATRON 等と対バンしている。
Richard はすぐに脱退し、以後バンドはどんどんテクニカルな方向に進み、ギタリスト Nico (SUNKEN) を加えて、さらに複雑な音になった。
2004年に1stアルバムがフランスの DEADSUN RECORDS からリリースされた。

2005年に GORGASM は GOROD に改名した。
2005年には GORGASM の1stアルバムが GOROD 名義で米国の WILLOWTIP RECORDS から再発された。

本作は2015年(October 16th, 2015)にフランスの LISTENABLE RECORDS と米国の UNIQUE LEADER RECORDS から同時リリースされた5thアルバム。11曲(47:55)。
現在のメンバーは、 GORGASM 結成時からの2人、Benoit Claus (Benと同じ人), ギターの Mathieu Pascal (Matと同じ人)および途中参加の3人、 ギターの Nicolas Alberny (2010年から), ヴォーカルの Julien "Nutz" Deyres (2010年から), ドラムズの Karol Diers (2014年から)の、合わせて5人。
LABEL: UNIQUE LEADER (USA)

musicmp3試聴

(コメント:犬丸)

ABOMINABLE PUTRIDITY - anomalies of artificial origin 全曲試聴

DEATH METAL / DEATHCORE

最近で言えば日本の AMPUTATED VEIN から多くリリースされている様なスラミング・ブルータル・デス・メタル。
変化の多い展開、変則リズムなどテクニカルな演奏。心臓部といえるビートダウン・パートでもテクニカル路線で通していて、高度に複雑でかなりスマートな音作り。スラミング・デスとしては極限までテクニカルと言えそうで、クールな印象を与える。
ヴォーカルはガテラルで高音部ピッグ・スクイール(ピーピー、ビービーの豚声)も頻繁に入る。
スラミングながら知性派と言って良さそうだ。

ABOMINABLE PUTRIDITY は2003年にロシア Moscow市で結成した。
結成メンバーは Andrey "K." Kuklin (Bass), Koubiachvili "Alex" Alexander (Drums), Sergey Balayan (Guitars) の3人。この3人は現在 (本作) まで続けて参加している。
ヴォーカルは2004-2006年の間が Vladimir で、2009年に米国の Cameron Argon 、2009年から現在(本作)まで米国人 Matti Way となっている。
Cameron はEDM(ダブステップ, エレクトロハウス), エレクトロニカなどのジャンル (ソロの BIG CHOCOLATE 等) とデス・メタル (BURNING THE MASSES や MISERICORDIAM のシンガー) のミュージシャンで、デスコアからエレクトロニコアの多くのバンドともツアーしている。
Matti は DISGORGE (1994-2001年参加)で有名な人で、 PATHOLOGY (2008-2010年, 2012以後参加) でも多くの作品でシンガーを務めている。
ABOMINABLE PUTRIDITY は2006年にデモCD "promo 2006" (2曲) を発表した。
2007年 (December 20th, 2007) に1stフルアルバム "in the end of human existence" がチェコの LACERATED ENEMY RECORDS からリリースされた。この作品は2012年 (February 27th, 2009) に米国の BRUTAL BANDS から再発された。

本作は2012年 (February 28th, 2012) に米国の BRUTAL BANDS からリリースされた2ndアルバム。8曲(25:54)。

こちらは2015年 (October 30th, 2015) にリリースされた再発盤。リミックス、リマスター。
LABEL: UNIQUE LEADER (USA)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

SARKOM - aggravation of mind 全曲試聴

BLACK METAL

ミドル・テンポにトレモロ・リフの哀愁メロディーのパートと、ブラスト・リズムで疾走するパートを交互に置いた展開。オールド・スクール・ノルウェジャン・ブラックの伝統的な音楽性を持っているが、工夫のある充実した演奏を聴かせている。
疾走パートでは、ドラムズとギターが速度競争をしている感じが面白く、この点では次作(2nd)よりも本作のほうがインパクトが大きい。
ヴォーカルは DEPRESSIVE SUICIDAL BLACK METAL のような悲しげな叫び声で、コーラスになったヘヴィーなパートや、稀に蛙声が聴こえたりもするが、全体的には変化が少ない。やや単調ながら、曲にふさわしくないヴォーカルと言う事はないので、インストや全体を聴けば良いだろう。
ヴォーカル・スタイルや、マイナーなメロディーが多いため、哀愁深めのオールド・スクールになっている。

SARKOM は2002年にノルウェー Akershus県(fylke) Lorenskog基礎自治体(kommune)で結成した。
結成メンバーはシンガーの Erik Unsgaard と当時ドラマーとして Eirik Renton (ex-PANTHEON I=2002-2005年, ex-URGEHAL=2008-2010年), ギタリストの Tjalve (Andre Kvebek) (1349=1997-2006年, PANTHEON I=2002年以後) の3人。この3人はデモ1作を残して2001年に解散した RITUAL のメンバーだった。

本作は2006年(January 16th, 2006)にドイツの TWILIGHT (TWILIGHT VERTRIEB) からリリースされた1stアルバム。8曲(1:01:56)。
バンド・メンバーは Unsgaard, Eirik Renton とギターの John Espen Sagstad (PANTHEON I=2002年以後, Mr. Seidel名義でヴァイキングのTROLLFEST=2004年以後) の3人。

こちらは2015年(June 19, 2015)にリリースされた再発盤。
LABEL: FOLTER RECORDS (ドイツ)

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全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

WE HUNT BUFFALO - living ghosts 全曲試聴

STONER / FUZZ ROCK / HARD ROCK

懐かしいレーベルなんですが、音のほうも懐かしい、まろやかなグルーヴたっぷりのオールド・スクール・ストーナー。ブルージーな要素の方が大きい様に思うが、サイケデリック・ストーナーとも書かれている。歌詞の方がかなりサイケデリック。
ギター・リフは大きくうねって超ダイナミック。泣くようなブルージーなソロも聴かせる。そのギターの音は、ヴィンテージ感覚でノイジーにファズを効かせつつもスムーズなメロディーを弾き、柔らかく暖かい印象を与える。個人的にはこの音だけでも溶けてしまいますが、、、。
ダウナーな所もあるが結構アッパーで、熱く上昇していく曲展開。
ドラムズも軽い目で音もよく、熱い感じ。
7曲目の甘く切ないメロディーは、(私にはどことなく日本風の子守唄っぽく聴こえますが、) ブルージーに震えるようなトレモロ・ギターも盛り込んだ大サーヴィスで、かなりキャッチーなトラック。
FUZZORAMA は ASTEROID の各作品や "STAKE OFF THE WITCH - medusa" それに大量の TRUCKFIGHTERS の作品などをリリースして来た、2003年創業(だったかな)のスウェーデンのレーベル。

WE HUNT BUFFALO は2010年にカナダ British Columbia州 Vancouver市で3人が結成した。
結成メンバーは、Ryan Forsythe (Vocals/Guitar), Brendan Simpson (Bass/Vocals), Brandon Carter (Drums/Vocals) で、現在(本作)まで変わりない。
2012年に、KING CRIMSON の "21st Century Schizoid Man" のカヴァーを収録した1stアルバムを自主リリースした。

本作は2015年(September 25, 2015)にリリースされた2ndアルバム。9曲。
カナダのの有名なパンク・バンド D.B.S.のフロントマンだった Jesse Gander (JAPANDROIDS, BISON B.C.,等のプロデューサーで SUBHUMANS の2010年作や "CHAMPION - promises kept" のエンジニア) が Raincity Recorders でプロデュース/エンジニア/ミックスした。
LABEL: FUZZORAMA RECORDS (スウェーデン)

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(コメント:犬丸)

UNBREAKABLE HATRED - ruins 全曲試聴

DEATH METAL / DEATHCORE

テクニカルなブルータル・デス・メタル。体育会系。
スラッシング・ギターが切刻むさくさく ("さくさく"を超高速で読んで下さい) したリズムと、リズム体のざっくざっく (力を籠めて読んでね) したリズムのコラボレーション。
テクニカルなギターの大車輪の活躍が目立ち、ソロではぴろぴろと駆け巡り、リズムでは超高速で刻む。
ヴォーカルは、中音や低音のグロウルで叫びっぱなし・咆えっぱなし。
リフはまさしく neck breaking で、聴く方も体力が必須。これで暴れる人がいればすごい迫力でしょう。見てみたい。
超高速バンドにつきビートダウンはほぼない(最後の曲など多少ある?)が、ドラムズに2ステップ的なパートもあるようで、演奏・ヴォーカルともに、暴力的ビートダウン・ハードコアのような凶暴さがある。

UNBREAKABLE HATRED は2008年にカナダ Quebec州 Charlesbourgバラ(市)(borough)で結成した。
結成メンバーは Philippe と弟 Dominic の Drouin 兄弟で、 DYING FETUS, SLAYER, DEATH 等のカヴァーをしたのが始まり。後にベーシスト兼シンガーとして Simon B. Lapointe が、リード・シンガーとして Kevin Lemoine が参加して UNBREAKABLE HATRED が生まれた。
カヴァーの演奏の後、オリジナル曲を作って1stデモ ("Thus Anger And Fury" と "We Can not Exist In This World Of War"収録=いずれも1stアルバムで演奏している) を作った。
1stアルバム "total chaos" は2011年(May 24th, 2011)に北米盤はカナダの GALY RECORDS から、欧州盤はチェコの LACERATED ENEMY RECORDS からリリースされた。この直前に Kevin が脱退しているが、後のライヴ (4 aout 2012) でゲストに呼んでいて関係は良いらしい。以後は Simon が全ヴォーカルを担当している。

本作は2015年(August 21st, 2015)にリリースされた2ndアルバム。8曲(30:25)。
バンド・メンバーは3人で、変りない。
LABEL: UNIQUE LEADER (USA)

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(コメント:犬丸)

PERC MEETS THE HIDDEN GENTLEMAN - fruits of sin and labor

NEO-MEDIEVAL / PROGRESSIVE ROCK / ACID FOLK

メロウな美メロのアシッド・フォーク~グランジ・メタル・デュオ。曲によって音楽性が違うのと、聴く人の判断の違いで、グランジ・メタルと書いてるのは私だけかも知れません。 DOSCOGS によれば、ドイツの ALTERNATIVE ROCK, PSYCHEDELIC ROCK, GOTH ROCK となっています。聴く上ではジャンルはどうでも良いと思いますが、自分で聴いて判断してください。
1990年にStrange Ways Recordsからリリースされた作品。当時はLPで、今まで再発もなく、初めてのCD化。10曲。
正直に言いますと、ヴォーカルは好きなタイプの声ではないのですが、このとろけるようなメロウなメロディーには、抵抗しがたい物があります。
一部のアルバムではネオ・メディエヴァルなサウンドだと書かれていますが、いわゆるネオ・メディエヴァルって最近のジャンル分けですよね。違うのかな。
取扱い予定はありませんが、ディスクユニオンさんで、現在「OUTLET 70%OFF」になっているアルバムがありますので、試聴して興味のある方はチェックしてみてください。

レーベル: SIREENA
品番:SIR2150 (業者によって品番が違う場合があります)
発売日: 11/12/2015 (業者によって発売日が違う場合があります)

Youtube試聴・1991年のアルバム LAVENDERP より "Composition of Incense"
Youtube試聴・1991年のアルバム LAVENDERP より "This moon of both sides"K

(コメント:犬丸)

FREIBURG - brief und siegel (brief and siegel) 全曲試聴

EMOMETAL / MELODIC EMO / NEW SCHOOL METALCORE

メロディーの哀愁が深く、キャッチーなメロディーもあり、極めてメロディックなギター・リフなどもある。バンド自身は "unholy emopunk" と言っているが、ハードコア、メタル、エモメタル等がミックスされたサウンド。
特にメロディー面で目を引く楽曲は、90年代メロディック・エモの強力哀愁メロディーをアグレッシヴなメタル化したような、最近では少ないエモメタルだ。
かなりクリーンなヴォイスでストレートに叫ぶ熱いヴォーカルは、 BANE 等のメロディック・オールド・スクールのものだ。また、USの初期ハードコア~ユース・クリュー等も連想させる。
演奏面でも BANE タイプとの類似が大きい部分がある。疾走+哀愁の点では疾走クラストコアにも類似して聴こえる。決して今までのハードコアになかったような要素がある訳ではないが、フレッシュな独自の音を聴かせている。

FREIBURG は2007年にドイツ Nordrhein-Westfalen州 Gutersloh市(Kreis)で結成した。

本作は2015年(6. Oktober 2015)にリリースされた3rdアルバム。10曲。
バンド・メンバーは Joppi, Nulles,ギター/ヴォーカルの Tom, Lursch の4人。
CHICKS ON SPEED や MISS KITTEN のプロデュースでも知られ、またDJとして有名で来日もしている Tobi Neumann がプロデュースしている。
LABEL: THIS CHARMING MAN (ドイツ)

soundcloud全曲試聴
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(コメント:犬丸)

SARKOM - bestial supremacy 全曲試聴

BLACK METAL

曲はトレモロ・リフに哀愁のメロディーを乗せたミドル・テンポのパートと、ブラスト・リズムで疾走するパートからなる。オールド・スクール・ノルウェジャン・ブラックそのままの音楽性であり、工夫した音も出しているし、充実したインストを聴かせている。
本作(2nd)は前作(1st)よりもメロディック・ブラック色が濃い。
本作では、爆走のファストな曲と、ミドル・テンポのパートが多い目でゆったりとした落ち着きのある曲に分かれている。両者を行き来する展開もするが、ほとんどの曲はどちらかに重点がある。
ヴォーカルは叫び声が中心で、前作の悲壮感から哀愁感に微妙に変化。幾分灰汁(あく)が薄れて、パワーを増し、勇壮な感じもある。

SARKOM は2002年にノルウェー Akershus県(fylke) Lorenskog基礎自治体(kommune)で結成した。
結成メンバーはシンガーの Erik Unsgaard と当時ドラマーとして Eirik Renton (ex-PANTHEON I=2002-2005年, ex-URGEHAL=2008-2010年), ギタリストの Tjalve (Andre Kvebek) (1349=1997-2006年, PANTHEON I=2002年以後) の3人。
この3人はデモ1作を残して2001年に解散した RITUAL のメンバーだった。

本作は2008年(November 14th, 2008)にドイツの TWILIGHT (TWILIGHT VERTRIEB) からリリースされた2ndアルバム。10曲(43:34)。
バンド・メンバーは Unsgaard, Eirik Renton とギターの John Espen Sagstad (PANTHEON I=2002年以後, Mr. Seidel名義でヴァイキングのTROLLFEST=2004年以後) の3人。

こちらは2015年(June 24, 2015)にリリースされた再発盤。
LABEL: FOLTER RECORDS (ドイツ)

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全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

GRAVE RITUAL - morbid throne 全曲試聴

DEATH METAL

地獄の底から響いてくるような印象を与えるこの声だけでも判るように、邪悪なデス・メタル。 INCANTATION ~ AUTOPSY スタイルのオールドスクール。
極めてアンダーグラウンドな感覚に満ちたダークでロウなサウンド。しかも完璧な演奏とセンスで、このスタイルの作品として究極の完成度を持っているように思う。
暗黒度ではかなりのブラック・メタルをも上回り、シンガーは腹の中まで黒いのではないかと思われる。そこで、バンドを画像検索してみたら、意外とまともそうなお兄ちゃん達だったのでびっくり。ところで、こう言う INCANTATION タイプのサウンドに、プリミティヴ・デス・メタルというネーミングはどうでしょうか。

GRAVE RITUAL は2009年に米国 Alabama州 Montgomery市で結成した。
解散した MEATHOLE INFECTION (2006-2009年)のメンバー3人の内2人が参加している。ベーシストは2012年から2代目に代わっているが、その結果現在のメンバー3人は全員が現在の ABYSMAL LORD (HELLS HEADBANGERSの4人編成のバンド)のメンバーになっている。

本作は2015年(October 30th, 2015)にリリースされた2ndアルバム。9曲(31:08)。
ABSU や日本の SIGH のマスタリングをしている Dan Lowndes (CRUCIAMENTUM のフロント・マン)がミックスとマスターした。
LABEL: DARK DESCENT (USA)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

AN OCEAN OF VOID - the great escape 全曲試聴

ATMOSPHERIC METAL / POST-ROCK

オルガンをフューチャーしてスペーシーなプログレッシヴ・ロック (PINK FLOYD のタイプ) に、メロディーの美しさも心に沁みるポスト・ロック、アトモスフェリック・ブラック・メタルとも共通した浮遊感が心地良いアトモスフェリック・メタルを、さらにリズム面ではストーナー的~グランジ的なグルーヴもミックスしている。
ピアノも効果的に用いるなどした叙情的なメロディーの静かなパート等と、グロウルのヴォーカルやハーシュな演奏の躍動感のあるパート等との対比は、常套的な手段といわれるかも知れないが十分な効果は上げている。以上に書いた以外の要素も取り入れていて、変化にも富んでいる。

AN OCEAN OF VOID は2010年にフランス Aquitaine地域圏(州) Bordeaux(ボルドー)市で結成した。
現在(本作の時点で)のメンバーは、 Jean-Luc Marro (Bass), Pierre Delmas (Drums, Programming), Julien Lesseur (Guitars, Keyboards, backing Vocals), Benoit Lamote (Guitars, Keyboards, backing Vocals), Floran Guillou (Vocals) の5人。

本作は2015年(December 4th 2015)にリリースされた1stアルバム。8曲(50:49)。
LABEL: INVERSE RECORDS (フィンランド)

soundcloud試聴 (バンドのページ)
上のsoundcloudはバンドのページですが、コメント制作時点では本作の全曲だけがUPされているので、一番上の曲を演奏すれば本作全曲が自動的に連続演奏されます。しかし順番がアルバムとは逆になります。
Youtube試聴・本作1曲目"Diving in the Deepest Sea"
Youtube試聴・本作2曲目"Enigma"
Youtube試聴・本作3曲目"Silent Storm"
Youtube試聴・本作4曲目"Resonance"
Youtube試聴・本作5曲目"Behind Red Clouds"
Youtube試聴・本作6曲目"An Ocean of Void Part. I"
Youtube試聴・本作7曲目"A Faded Light"
Youtube試聴・本作8曲目"An Ocean of Void Part. II"
Youtube に今の所日本で再生できる全曲セットはありませんが、1曲づつの音源の大部分がまだUPされて10時間ぐらいしか経っていませんので、いずれUPされるかも知れません。

(コメント:犬丸)

WEH - ingenmannsland

DARK FOLK

入荷予定ではありませんが、それ相当の内容だと思いますので、一応、試聴と簡単な情報だけUPします。
ダーク・フォーク・ミュージックと言うことです。アビスのインディー・ロックやメロコアの売場で扱っている、ハードコア系のバンドのメンバーのソロとは、全然違います。ダークですから。
レーベルは主に BLACK METAL, DEATH METAL, DOOM, THRASH METAL をリリースしている所で、だからか、メタル系のウエブジンも取上げています。
音の感じもブラック・メタルかフォーク・メタルと繋がりがあり、メンバーを調べてみたほうが良いかもしれません。でも、時間がないのでしてません。御免ね。聴く上ではメンバー等どうでも良いでしょ。

と言いつつ、気になって、今調べました。
これは Erik Evju という人のソロプロジェクトで、この人は WINDIR の1999のアルバム "arntor" のレイアウトをしていた。また Biffallo Bull 名義で VREID の2004年のアルバム "kraft" の中の7曲目に Vocals (clean) で参加していたということです。

アーティストとタイトル: WEH - ingenmannsland
発売日: December 4, 2015 (流通経路によって異なる事があります)
LABEL: SOULSELLER RECORDS (オランダ)
品番: SSR086 (流通経路によって異なる事があります)

Youtube試聴・本作の曲ではありません
song365試聴・2013年のアルバム全曲

(コメント:犬丸)

VISIONARY666 - into abeyance

DEATH METAL

いきなり出だしから良い声を聴かせるので、耳を欹て(そばだて)てしまいました。
MONOLITH DEATHCULT を今年(2015年)脱退した Ivo Hilgenkamp の重低音グロウルをフューチャー。
まず MONOLITH DEATHCULT ですが、普通のデス・メタルでスタートし、その後電子音入りの(アトモスフェリック・)デス・メタルになり、現在はシンフォニックなブルータル・デス・メタルという紆余曲折のバンド。テクニカル・複雑でもあるが、シンフォニックさがダークネスを深めているようで、かなりディープなブルデスとなっている。その中でも Ivo Hilgenkamp のグロウルは常に一貫して聴き所になっていて、電子音等不要と考える人にはこちらの VISIONARY666 の方がそのパワフルな声をストレートに楽しめる。
VISIONARY666 の演奏はストレートなブルータル・デス・メタルだが、特にギターがメロディックなソロやブルータルかつテクニカルなリフを聴かせている点が目立つ。テンションが高いとかエクストリームと言うよりも、野太く野生的なサウンドだが、同時に、繊細と言っても良いぐらいの美しさも持っている。

前身バンドにあたる VISIONARY は1996年にオランダ Overijssel州(provincie) Heino村(dorp)で結成した。
1998年にEPをリリースして、その後 VISIONARY666 に改名した。
Encyclopaedia Metallum では "VISIONARY666 は2012年結成" となっています。しかし2009年のライヴ映像でもステージのバックに張る幕にすでに VISIONARY666 のロゴ (中ほどのOの字が数字の6を3つあわせた形の物) を使っていますので、改名はかなり以前ということになります。元々単にロゴにデザイン上666と入れたのが、正式のバンド名に取り入れられた可能性もありますが、2011年にUPされた映像でもバンド名が VISIONARY666 としてUPされています。
(そもそも何年から VISIONARY666 なのか判らないから)バンドのメンバーの変遷はよく判らないが、現在(本作)のバンドメンバーは旧 VISIONARY 時代からの2人、Guitars/Vocals の Robert Schotman, 同じく Guitars/Vocals の Ivo Hilgenkamp (ex-MONOLITH DEATHCULT) と、ベースの Sven van Dijk, ドラムズの William Vlierman の4人。

本作は2015年(October 1st, 2015)にリリースされた1stアルバム。10曲。
LABEL: VIC RECORDS (オランダ)

Youtube試聴・本作1曲目"Abeyance"
コメント制作時点では、他には本作からの試聴がまったくないので、次にライヴ映像を2本付けておきます。いずれも本作収録曲ではありません。
Youtube試聴・VISIONARY666 - The Darker Side Of Fear (Recorded live in 2009)
Youtube試聴・VISIONARY666 - Silent Pride (@ K17 Berlin, October 2012)

(コメント:犬丸)

BARON - torpor 全曲試聴

HEAVY ROCKじゃないけど / CROSSOVER PROGRESSIVE ROCK / NEO-MEDIEVAL

心に響くフォーク調のメロディーが、冷たくあまりにも美しく音で奏でられる。
どう考えてもプログレだが、浮遊感もあってインテリジェントなインディー・ロックとも共通した感覚がある。ネオ・メディエヴァルやメディエヴァル・メタルを聴く人も親しみを持てるサウンドだろう(と想像)。
曲は少しダウンテンポ(ゆったりした感じ)でフォーク調のメロディーがとても美しい。
演奏は厳密にはアコースティック楽器ではないが、透明な響きのパイプ・オルガンの音(シンセ)など、アコースティックな感覚の音をたっぷり使って、フォークあるいはメディエヴァルな感じになっている。
インストが取り分け聴き物だが、それに偏らず、ヴォーカル・パートも少なくはない。ヴォーカルはしとやかだがあっさりした軽いもので、優しい感じを与える。同様なコーラスも多く入る。
HEAVY ROCK じゃないけど、プログレのコーナーはないので、売場は HEAVY ROCK です。

BARON は2010年に英国で結成した。
結成メンバーはエレクトリック・プログレ・バンド DIAGONAL の2人、 Alex Crispin (vocals, guitar, synth) と Luke Foster (drums, percussion, synth) 。
その後 Peter Evans (bass) と Blue Firth (synth, keyboards, backing vocals) が加わった。
イングランド Brighton市と Nottingham市のメンバーのバンドになる。2010年にデヴューアルバムをリリースした後、2012年からライヴを含む活動を本格化した。

本作は2015年(November 13th 2015)にリリースされた2ndアルバム。8曲。
LABEL: SVART RECORDS (フィンランド)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

LIK - mass funeral evocation 全曲試聴 (DEATH METAL) (Stockholm)

DEATH METAL

オールド・スクール・デス・メタル。ダークなグルーヴのギター・リフも注目点だが、それ以上にエクストリームな熱くて、、、暑い音。
ヴォーカルもグロウルで咆えまくり、それぞれの曲もアルバムとしても、終わりまで息をつかせないスラッシーな爆走が連続する。かなり蒸し暑い。
曲はメロディックでギターのリフもメロディーが豊富。展開も工夫されているが、爆走がメインだ。
爆走中心という制約がある訳だが、リズム体も手を変え品を変え変化をつけている。
初めは気にかからなかったCD。それと言うのも、曲も良いし演奏も見事で、ヴォーカルも立派だが、まったく真っ当な爆走デス・メタル。しかし、バックグラウンドに試聴をかけたまましていたら、やけくそな爆走についつい引き込まれてしまった。音楽的に目新しさがないが、そのタイプの正統派、本格派ということになる。

LIK は2014年にスウェーデン Stockholm市(kommun)で結成した。
結成メンバーはドラムズ/ヴォーカルの Christofer Barkensjo (ex-CARNAL FORGE=短期間, ex-GRAVE=ライヴ・メンバー, RESISTANCE=現在), ベースの Niklas Sandin (KATATONIA=2010年から), ヴォーカル/ギターの Tomas Akvik (KATATONIA=ライヴ・メンバー), ベースの Mathias Blom の4人。このうち Mathias Blom は2015年に脱退している。
ARMAGEDDA のメンバーが参加しているブラック・メタル・バンドと同名で国も同じですが違うバンドです。

本作は2015年(October 16th, 2015)にリリースされた1stアルバム。10曲(35:21)。
バンド・メンバーが3人になってからの録音らしい (クレジットでの確認ではありませんが、公式の説明等には3人の名前しかでていません)。
LABEL: WAR ANTHEM RECORDS (ドイツ)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

SEAMOUNT - v: nitro jesus (nito jesus) 全曲試聴

DOOM

ドゥームで、良い音といっても色々あるわけで、その中でもこのバンドは"ヘヴィーな良い音"を出している。
力強い音と、スローなねっとりとしたメロディーや展開に、ストーナー・リフも加えられている。
Phil Swanson のヴォーカルはわりとクリアーだが、やはり多少は Ozzy を連想させる時もあり、声を時々裏返すのがチャーミング。
演奏はオルガンやシンセと言ったものを使わないシンプルなバンド形態で、ギター、ベース、ドラムズの音そのもので勝負する感覚のストレートな音作り。
そのヴォーカルや演奏はダイナミックだ。一部の曲はクラシック・ロックと言っても良さそうで、多くの曲は70年代のハード・ロック的な熱さやヘヴィーネスを持っている。

SEAMOUNT は2007年にドイツ Bayern自由州(Freistaat) Wurzburg独立市(Kreisfreie Stadt)で結成した。
結成メンバーは、出合ったドイツ人ギタリスト Tim Schmidt と米国人シンガー Phil Swanson (VESTAL CLARET, HOUR OF 13など)の2人のようだが、すぐにベーシストの Markus Stroehlein とドラマーの Jens Hofmann (いずれもドイツ人)が加わっている。一時もう1人のギタリストがいた。

本作は2015年(October 9th, 2015)にリリースされた5thアルバム。9曲(50:07)。
LABEL: CHURCH WITHIN (ドイツ)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

卸業者がタイトルを "nito jesus" と誤表示しているため、多くの業者が同じように誤表示していますが、同じ作品です。 "nitro jesus" が正しいタイトルです。

NIGHT - night ( s/t ) 全曲試聴 ( BLACK METAL / フランス / HIDDEN MARLY PRODUCTION / HMP 031 )

BLACK METAL

個性的な音も作りながら、全体としてはブラック・メタル本来のテイスト、すなわちノイジーでラウドでダークでコールドな味わいを出している。
1曲目は18禁成人指定(かな?)の音響で始まり、ラッピン・グロウル・ヴォーカルに展開する。アコースティック、ポルカ・メタル等のフォーク・メタル、アトモスフェリックなどの手法を取り入れ、しかもキャッチーなメロディーや哀愁のメロディーなどのメロディック要素も豊富で、アピールする力も強い。
仕事上沢山聴くからかも知れないが、さっき試聴していた NECHOCHWEN やこのバンドなど、個性的なバンドには注目してしまう。なにも TOWER RECORDS と同じ品揃えをする理由はないわけだ。で、その様な個性的なバンドの中では、このバンド NIGHT はかなりキャッチーなバンドだ。

NIGHT は2010年にフランス Lorraine地域圏(region) Metz市(commune)で Lycaon が1人で始めた。
彼はギターとヴォーカル(必要な場合はベースやキーボードも)を担当した。2012年に彼はハードコア/ブラック・メタル・バンドの OUTER HEAVEN に参加し、そのドラマー Black Ghost (2013年まで)と女声シンガー Laetitia (2013年まで)の参加を得て、 NIGHT はトリオになった。2012年(June 1st, 2012)発表の1stデモ "ai shiteru yo" はこのメンバーで録音されている。ヴァイオリンでゲスト参加のかわいい Kast さんが翌年正メンバー(2014年まで)になった。街で合ったドラマー Khaled が2013年から参加している。 Lycaon と Khaled 以外のメンバーは、それぞれ個人的な問題を抱えていたりして順に入れ替わっている。

本作は2015年(October 4th, 2015)にリリースされた1stアルバム。8曲(40:50)。
本作のバンド・メンバーは以前からの Lycaon と Khaled の2人に、2015年から参加の Tony Ironlungs (Bass) と Tristan (Guitars) の2人を加えた4人。
LABEL: HIDDEN MARLY PRODUCTION (日本)

ololo.fm試聴・本作1曲目"Vos Larmes n'y Changeront Rien"
ololo.fm試聴・本作2曲目"Blattodea"
ololo.fm試聴・本作3曲目"Provins"
ololo.fm試聴・本作4曲目"Deliant ses Lacets"
ololo.fm試聴・本作5曲目"Fatigue"
Youtube試聴・本作6曲目"Georges de la Tour"
ololo.fm試聴・本作7曲目"Vivere Militare Est"
Youtube試聴・本作8曲目"Le Voyageur Imprudent (dernieres pages)"

(コメント:犬丸)

NECHOCHWEN - heart of akamon 全曲試聴

FOLK BLACK METAL

アコースティックでクリアーな音と、厚みのあるダイナミックな音を組み合わせた、メタルとして美しいフォーク・メタル。~フォーク・ブラック・メタル。
フォーク・メタルとしては内容(テーマ)の点で特徴がある。彼らは米国のバンドであり、ここで言うフォークとは米国の先住民の事だ。他の(北欧などの)フォーク・メタル・バンドと比べて、音の面での違いもあるが、米国先住民メタルであると言う事は、歌詞においてより多く表現されている。
また、地域(文化)のテイストが濃くない部分もあるが、ネイティヴ・アメリカン・フルートや Hand drum (あいまいな英語) 等でフォーク/アコースティックな音を出していて、所々でメロディーや太鼓類のリズムで米国先住民的な印象を出している。昔の西部劇映画のように、"野蛮な声で叫んだらアパッチだ"と言うステレオタイプな米国先住民イメージが通用する時代ではないので、なかなか難しい物があるかも知れない。ミュージシャンとして良心的な仕事をしているように思う。
まず何より、演奏が上手いのは良い事だ。それゆえに、フルートで奏でる物悲しいメロディーも綺麗に仕上げられて、パート(場面)ごとに移り変わる、一幅の絵画を見ているような印象を与える。最後の方は夕闇の迫る荒野にたたずむ先住民の印象かな。

(バンド名の) NECHOCHWEN は2005年に米国 West Virginia州で結成した。
結成メンバーはベース/ドラムズ/バッキング・ヴォーカルを担当する Pohonasin (オカルティック・ドゥーム・バンド BRIMSTONE COVEN のベーシスト Andrew D'Cagna) と ギター(電気/生)/ネイティヴ・アメリカン・フルート/フロアタム/ハンド・ドラム/ヴォーカルを担当する(アーティスト名の) Nechochwen (Aaron Carey)の2人。
ライヴではいずれもギター(電気/生)で Amanda McCoy または Pandel Collaros という人が参加している。
この人達ですね。
Youtube試聴・"I Tried" performed by Amanda McCoy and Pandel Collaros

本作は2015年(September 4th, 2015)にリリースされた3rdアルバム。8曲(43:45)。
ゲストは Tanner Reed Anderson (AGALLOCH のメンバーがいるフューネラル・ドゥーム・バンド CELESTIIAL のギタリスト) が3曲目のヴォーカルに参加。
LABEL: NORDVIS PRODUKTION (スウェーデン)

Bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

SERIAL BUTCHER - brute force lobotomy 全曲試聴

DEATH METAL / DEATHCORE

テクニカル・ブルータル・デス・メタル。と書くだけでは同様なバンドが沢山あるが、、、
屋上屋を重ねる様な音の洪水ではなく、このバンドの音は十分に整理されていて、減り張りの効いた音になっている。しっかり構築された安定感もある。そういった明瞭な音に、時にSEやギター等の多少捻った音も加え、楽曲に場面展開が感じられる。
ヴォーカルはいかついグロウルに若干のえぐいガテラル入りで、歌唱も極めて安定している。
ギター・ソロはメロディックでメタル度が高く、曲や場面に応じた変化もあり、かなりテクニカルな演奏が聴ける。
全般に最近のブルデスとしてはおとなしい音作りで、地味なバンド。ギタリストの演奏と、不要な音がない"すっきり感"が特徴だと思うが、良くも悪くも常識的(良いと思うか悪いと思うかは聴く人次第ということだが)で、言い換えれば音の厚みはなく、また、えぐさやアンダーグラウンド感は強くはない。まさに地味。

SERIAL BUTCHER は1995年にベルギー East Flanders州 Gent市で結成した。
結成メンバーはドラマーの Nico Veroeven (ex-APOCRYPH, ex-LEPTOTRICHIA) とギタリストの Hendrik Dobbelaere の2人。その後ベーシストの Bob D’Hondt とシンガーの Steven De Craeker (PUTRID INBRED) が加わった。
このメンバーで1997年にデモ "serial butcher" (4曲) を発表し、月2回あまりのライヴも行った。当時の対バンは LOUDBLAST, SUFFOCATION, ABORTED 等。
1998年のデモCD EP "exhumed rotting" (5曲) の後 Bob が脱退し、代わりのベーシスト Peter が参加、また新しいシンガー Tim も参加。
2000年に解散して、同年再結成。再結成のメンバーは Nico, Hendrik, 元のシンガー Steven の3人。
2001年にデモ "Butchers Forever" (5曲) を発表。
2003年1月に米国の DEEP SEND RECORDS と契約し、2004年に始めての公式作品である CD EP "genocide landscape" がリリースされた。この作品の録音は Kris Belaen (ABORTED, IN-QUEST, 米国の INTEGRITY などの録音やプロデュースをしている)がした。作品録音時は、正式メンバーが Nico と Steven だけになっていたが、録音後、ベースには Koen Van Goethem が、ヴォーカルには Kurt "Monie" Termonia が参加 (Steven は脱退)、2004年4月からギタリスト Gijs Cielen が参加した。
2007年には、1997年の 1st demo tape と 1998年のデモ CD EP をあわせた編集盤CDが DEATHWAKE からリリースされた。リマスターは当時 ACEPHALOUS でヴォーカル/ギター/ドラムズを担当していた Kenneth Keysers という人がした。
2008年末、新しいギタリストに Kenneth Keysers が参加して (Gijs Cielen は脱退) 初のフルアルバム "a crash course" を Henrik Larsson (HAUNTED, AMON AMARTH, VOMITORY) のプロデュースで録音。この作品の advance demo により米国の UNIQUE LEADER RECORDS の契約を得て、作品は2010年にリリースされた。

本作は2015年(September 18th, 2015)にリリースされた2ndアルバム。10曲(41:04)。
結成から20年にして、ついにメンバー的にも安定してきたようで、前作と同じ、 Nico Veroeven (Drums), Kenneth Keysers (Guitars), Kurt "Monie" Termonia (Vocals), Koen Van (Goethem) の4人で録音されている。
なお、現在残っている唯一の結成メンバー Nico (Ds) は2012年から EMETH にも参加している。
LABEL: UNIQUE LEADER (USA)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

NHOR - momenta quintae essentiae 全曲試聴

DRONE AMBIENT / ATMOSPHERIC BLACK METAL / NEOFOLK / DARK FOLK

ちょっと寂しく暗いが、美しく澄んだアトモスフェリック・ブラック・メタル。
一部(3曲目)でヴォーカルが入るが、大部分はアコースティックなインスト(シンセなどでしょうが)で、その楽器の音は少なくまばら。
冷たい空気、凛とした清らかさ、まだ人間に犯されていない自然、アジアの高地というよりヨーロッパぽい、人気(ひとけ)のない森林や高地の草原が眼前に浮かぶ様で、 CASCADIAN BLACK (CASCADIAN BLACK にも色んなバンドがあるので一概には言えませんが) 以上に自然を感じさせる。スローに、静かに広がるピアノ、ストリングス、アコギを中心としたアコースティック・フォーク・アンビエントともいうべき響き。
アトモスフェリック・ブラック・メタルの中でも、特にブラック・メタル要素が少ない方に入る。

バンド名(プロジェクト名)の NHOR は英国のミュージシャン Nhor の1人バンド(プロジェクト)。

本作は2015年(November 6th, 2015)にリリースされた4thアルバム。8曲(39:27)。
LABEL: LUPUS LOUNGE (ドイツ)
* LUPUS LOUNGE は PROPHECY PRODUCTIONS のサブレーベルです。サイトによっては本作のレーベルが PROPHECY PRODUCTIONS と表示されていますが、今回発売のドイツ盤であれば同じ物です。

ololo.fm試聴・本作1曲目"luna oritur"
Youtube試聴・本作2曲目"Nosce Te Ipsum"
ololo.fm試聴・本作3曲目"Contra Ventum"
ololo.fm試聴・本作4曲目"Sic Praeterit Nox"
ololo.fm試聴・本作5曲目"Ex Lunae in Nubis Lucem"
ololo.fm試聴・本作6曲目"Hedera"
ololo.fm試聴・本作7曲目"Tremere"
ololo.fm試聴・本作8曲目"Ante Primam Lucem"

(コメント:犬丸)

アビスの国内のCDの入荷状況など

最初に一つお知らせがあります。
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現在アビス利用している ADSL+インターネット・サーヴィス・プロバイダー (ISP)+直収電話のサーヴィスを、 KDDI が2016年の春で終了します。
現在メインの取扱商品リスト(UPDDATE のページや在庫LIST(外国)、在庫LIST(日本)のページ)は ISP の KDDI のサーバーにありますが、2016年の春以後は使えなくなります。
このためメインのサイト(携帯用サイトやAVIS 通信を含む)は URL が変わります。以後の ISP は未定で、一時的にこれらのサイトが消滅するかも知れません。 ISP によっては無料のサーバーのスペースがついていないようなので、 ISP とは無関係にフリーか低料金のサーバーを使うかも知れません。
現在ブログ・サーヴィスを利用している、blogねこメール通信と、付゛録゛は今まで通り引続き同じ URL ですが、 ISP 契約が一時的になくなっている間は更新が出来ません。ご了承下さい。
新しいメインのサイトの URL が決まりましたら、こちらのブログでお知らせ致します。
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今日は開店30周年の日です。記念行事は何もやってませんが。

10年前、2005年の12月12日はたしか月曜日、小雨の朝だったかな。
静かな一日でした。店でコーヒーを入れてゆっくりと過ごしました。と言っても、もちろん仕事は普通にしました。

5年前、2010年の12月12日は仕事に追われていて、その頃はもう店でコーヒーを入れる事もなくなっていました。
ちょっとねえ、火の始末など自分が信用できないと言う気もしてきて。でも忙しいのと、店のキッチン・スペースがゴミに埋もれているのとが主な理由ですが。

さて、今日はと言うと、忙しいのと店のキッチン・スペースがゴミに埋もれているのとは相変わらずで、残念ながらコーヒーどころではありません。
とは言えあと少し、もう2年もしたらゆっくりコーヒーを入れて飲める様になっていると言う見込み。見込みと言うより目論見ですね。目論見通りに行くかなあ。

では、現状報告の続き。
前回、 米国のCD新譜の発売状況、今後のアビスの運命、など に輸入盤の状況を書きました。最近はアビスのインディーズ部門の取扱いの多くが輸入盤になっているので、国内盤はわずかなのですが、前回国内盤について書かなかったので、その部分を少しですが書いておきましょう。

最後迄利用していた国内の卸業者は I S Netwark さんです。
いつだったか、数年前になると思いますが、新譜案内が来なくなりました。
本当のインディーズ・レーベルも少なくなって、新譜の数も少なくなっていました。当然ながら I S Netwark さんがそれの全部を扱っているわけでもないので、新譜案内も毎月と言うでもなく、時々ぽつぽつ来る状態でした。なので、何時から来なくなったともはっきりしません。そんな風に、何時とはなく去っていきました。
インディーズの時代が完全に終わったとは思いませんが、メジャーで出せないバンドが出すレーベル、メジャー契約前のバンドが出すレーベルと言った、メジャーの補完という程度の認識が社会一般では普通なので、本当のインディーズ・レーベルにとっては困難な状況でしょう。そういう認識はバンドの一部にもありますから。

まあそういったことで、国内盤については卸業者からの入荷はなく、レーベル直接やバンドの持込が少数あるのみです。ですので、アビスのインディーズとしては、輸入盤より先に国内盤がお終いになるという感じです。つうても、残念ながら売り切れてお終いとはならないでしょうね。終わり方って難しいですね。

(犬丸)

TUSEN AR UNDER JORD (TUSEN ÅR UNDER JORD) - sorgsendomet fobos オリジナル・ヴァージョンの全曲試聴

DARK AMBIENT / AMBIENT DRONE

ダーク・アンビエント・ドローン。ダークなアトモスフェリック・サウンド。インスト。
低音の冷たい響き。その音の揺らぎが素晴らしい。揺らめくメロディーは時になまめかしく、時に人気(ひとけ)のない時間の裏通りのうらぶれた侘しさのような物を感じさせる。
爪弾かれる間遠な単音のギター、クラシカルなストリングス、ドローンな響きのトランペット(か何かの金管楽器)など、必要以上には重ねられていない少ない目の音のコラージュで、静寂(無音ではないが)もその重要な要素だ。
アナログ・レコードの針音ノイズも連想させる様なチリチリプチプチの効果音が、全編にまぶされていて、これが絶妙でとても大きな効果を出している。実際このアルバムはこの効果音で全編がまとめられていて、、、2ndアルバムでも同じことをするのだろうか、これ無しにアルバムが作れるのだろうか、と心配になる。それほどの大きな効果を上げている。
各パート(曲)がそれぞれ情景を描いている(ようだ)。

TUSEN ÅR UNDER JORD はスウェーデンの Daniel Jonsson の1人プロジェクト。
バンド名はスウェーデン語で、英訳すると "Thousand Years beneath the Earth" 、邦訳すると「地底で千年」かな。

本作は2013年にスウェーデンの HIBISKOFON から限定100本のテープでリリースされた(ミニ)アルバム。5曲(27:45)。
マスタリングは Peter Andersson (北欧ダーク・アンビエント界をリードしてきたプロジェクト RAISON D'ETRE をやっている人) がした。

こちらは2015年にリリースされたCD化盤。6曲(32:56)。
リマスター、1曲追加収録してフルアルバムになっている。
LABEL: TROLL MUSIC (ドイツ)

ololo.fm試聴・オリジナル・ヴァージョン全曲(ボーナストラック無し)

(コメント:犬丸)

BLOOD - christbait 全曲試聴

GRINDCORE / SATANIC

サタニック・グラインド。サタニックの中でもスラッシーに熱いサウンドと言うより、全体にダークで、どちらかと言えばおどろおどろしいサウンドなので、ブラッケンド・グラインドと言うと判りやすいかも知れない。
本作(2nd)の前のアルバム(1st)など、かなりピュアな疾走グラインドだったが、本作ではサタニック・サイド、デス・メタル・サイドが色濃く出たダークなサウンドの、ほぼ低音グロウルだけの、かなり異色のグラインドコアになっている。彼らとしても少し特別な作品。前作のシンガー(本作とは別人)は低音と高音を半々ぐらいに使い分けていた。

BLOOD は1986年3月に西ドイツ Rheinland-Pfalz州(Land) Speyer市で結成した。ドイツの東西統合は1990年。
結成メンバーはギタリストの Destroyer Eisen (Bernd Eisenstein) (現在もメンバー), ベーシストの Satanic Taki (現在もメンバー), シンガーの Slaughter Geier (1987年まで). ドラマーの Evil Radtke (1987年まで) の4人。

本作は1992年にドイツの 1MF RECORDZ からリリースされた2ndアルバム。20曲(38:20)。
バンド・メンバーは Taki , Eisen , ドラマーの Ventilator (1987-2013年, 2014年-現在), ギタリストの Ruben Funk (1992-1993年), シンガーの Alex (Dominus A.S.) (1992年のみ) の5人。
録音は1992年4月 Dust Music Studio でした。

こちらは2015年(September 28th, 2015)にリリースされた再発盤。20曲(38:36)。
LABEL: VIC RECORDS (オランダ)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。
song365試聴・ちなみにこちらが1stアルバム全曲

(コメント:犬丸)

RAZOR CRUSADE - infinite water 全曲試聴

EMO / SCREAMO

メロディック・エモーショナル・ハードコア。
メロディック・エモーショナルとは言え、メンバーはストレート・エッジからメタルコア、モッシュコア系のミュージシャンが多く、本作ではポストハードコア、ポスト・メタル、エクスペリメンタル、カオティックな色あいが前作 (デヴューEP) より強まっている。
ファストな曲やのりの良い曲で勢いがあり、基本的にはキャッチーなサウンド。そこに、カオティック要素、エクスペリメンタル要素、スロー・テンポの哀愁メロディー等が加わり、様々に変化してゆく。

RAZOR CRUSADE はオランダ南部 North-Brabant 州と Zuid-Limburg 州北部のストレート・エッジ・バンド REACHING FORWARD (1997年始め-2002年11月22日) のベーシスト (全期間参加) だった Harm Haverman のプロジェクトとしてスタートした。
SAMIAM, QUICKSAND, SMASHING PUMPKINS 等にインフルエンスされた週末のセッションだった物が、注目を集めるようになりバンドになった。
メンバーは、ヴォーカルが Ivo Jansen (vocals), ギターが Emiel 'Dax' Laurant, ドラムズが Daanslide 'Daan' Plasmeijer, ギターが Michiel, ベースが Harm 'Sjarm 13' Haverman の5人。
EP やアルバムを発表し米国ツアーも行ったが、2005年に解散した。
解散前にドイツで録音した4曲のEPは発売が中止されていたが、2011年に発売されたようだ (発売されるという情報のみで、発売されたという情報が確認できていません)。
Harm Haverman は RAZOR CRUSADE の解散の前後から、米国の MODERN LIFE IS WAR とオランダの NOTHING DONE に参加し、米国の Iowa州にも住まった。 MODERN LIFE IS WAR の3rdアルバムに参加した。2008年に第1期 MODERN LIFE IS WAR が解散した後はオランダ Rotterdam に住まって、2010年からオランダのモッシュコア・バンド NO TURNING BACK に参加し、2012年からはオランダのビートダウン・ハードコア・バンド BACKFIRE! に参加した。
ドラマーの Daanslide 'Daan' Plasmeijer は2003年から2008年までベルギーの JUSTICE に、2006年から2007年までオランダの STATE OF MIND に参加した。

本作は2004年(June 21, 2004)にオランダの REFLECTIONS からリリースされた彼ら唯一のフルアルバム。
翌2005年(04 Jan 2005)には米国の DEATHWISH INC. からもリリースされた。
ゲストはドイツのメタル・バンド GAMMA RAY の Jan Rubach が1曲参加。
LABEL: REFLECTIONS (オランダ)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

TRAGEDY - darker days ahead 全曲試聴

HARDCORE PUNK

ダークでヘヴィーな作品。メロディーは哀愁にとどまらず、暗黒な感覚が強い。
ダウン・テンポでダークなデス・メタルやグラインド、ダウン・テンポでエクスペリメンタルなブラック・メタルやポスト・ロックと言ったものも融合させたような、今までとは異なったサウンド。
演奏は色々な種類のメタリックさを増す一方で、エクスペリメンタルでポストロック~ポスト・メタル的な部分がエクストリームな部分と対比される形で音楽的な幅を広げていて、ドラマティックさも増している。
ヴォーカルもほとんどグロウル(デス声)になっている。

TRAGEDY は1995年に米国 Tennessee州 Memphis市で結成した。
その後 Oregon州 Portland市に引っ越した。結成メンバーは ex-HIS HERO IS GONE の Todd Burdette (guitar, vocals) 、 Yannick Lorrain (guitar) 、 Paul Burdette (drums) の3人及び、 ex-FROM AHSES RISE の Billy Davis (bass, vocals) の4人。
音楽的にも HIS HERO IS GONE を継承して結成した。

本作は2012年(7 May 2012)にリリースされた4thアルバム。9曲(36:40)。
6年ぶりのアルバム。
LABEL: TRAGEDY RECORDS (USA)

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全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

TANGLED THOUGHTS OF LEAVING - yield to despair 全曲試聴

DOMM-GAZE / POST-METAL / POST-ROCK / MATH ROCK / DARK JAZZ

粒子の荒れた、フィルムの傷が雨の降っているように見える、古いセピア色の映画の場面を見ているような、荒れていて懐かしく物悲しい音響とメロディーに満ちている。重層的なメロディー (別の楽器は別のメロディーを演奏する) のダウン・テンポのインスト・ロックだ。
ジャジーな感じも与えるピアノの入った軽い (でもちょっと憂鬱な) ポスト・ロックなどと、重い鬱ドゥームやノイジーなパートが交錯するような展開。スローで叙情的な暗いメロディーの上に、生活音と思われるノイズ (何かを開け閉めするような音とか) からアンビエントな音/抽象的なノイズまでと、楽器の演奏だが効果音的な音の出し方が何かの光景をあらわしていると思えるもの等を配している。
収録曲は長尺でメロディーも豊富、色々と変化して行き、ちょうど映画を見ているかのようだ。バンド自身は NEUROSIS や RUSSIAN CIRCLES の範疇のサウンドと捉えているようだが、今の時点ではこのバンドのほうが先に行っているのではないか。
曲によって異なるが、前作 (前のフルアルバムは2011年) より轟音パートが少ない事が多く、全体的には叙情性が増していて、重みのあるダークネスも増しているが、感傷的で心を打つようなドローン・ミュージックになっている。

TANGLED THOUGHTS OF LEAVING (TToL) は2004年にオーストラリア Perth市で結成した。
1stフルアルバムは2011年にオーストラリアと日本でリリースされた。
2013年に欧州をツアーした。
本作の後のツアーでは THIS WILL DESTROY YOU や 65DAYSOFSTATIC と共演する。また、 RUSSIAN CIRCLES, DEAFHEAVEN, GRAILS, BORIS との対バンも予定されている。
バンド・メンバーは Aaron Pollard (Piano, Synth, Vocals), Andrew McDonald (Guitar, Uke), Ben Stacy (Drums, Sax), Luke Pollard (Bass, Samples, Glokenspiel) の4人。楽器 Uke は多分ウクレレと同じ、 Glokenspiel はグロッケンシュピール (=Glockenspielの綴りが一般的 =鉄琴の一種) と同じ。

本作は2015年(17 April 2015 )に crowdfunding により自主リリースされた2ndアルバム。5曲(69:28)。

こちらは2015年(September 11, 2015)にリリースされたドイツ/欧州盤。
LABEL: PELAGIC RECORDS (ドイツ)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

ALDA - passage 全曲試聴

CASCADIAN BLACK METAL

叙情的なメロディー、クリアーでコールドなアコースティック・パート、トレモロのギター・リフ、メロディックな疾走パートに叫び気味の悲しいヴォーカルって、やりすぎじゃないかという位の徹底した CASCADIAN BLACK METAL (CBM)タイプの叙情ブラック・メタル。
変化をつけたり、他のバンドとの差別化を図るために、特殊な楽器を使うと言うことはしていない。アコースティック・パートのナチュラルな感じが特徴かなという気もするが、カスケイディアン・ブラックでは珍しいことではないだけに、それほどの独自性とは言えない。比較的後から出てきたバンドだけに、聴いてすぐこのバンドだと認識することが難しいという点は、少し不利かも知れない。
しかしメロディーは叙情性が高く、演奏や録音もしっかりしているし、全体の完成度も高い。
ヴォーカルもパートごとのサウンドにふさわしい変化があり、特にアコースティックなフォーク調のパートはクルーン・ヴォイス (やさしく話す時のようなささやき気味の発声) がメランコリックだ。
このバンドに対する Encyclopaedia Metallum 内の評価は旧作も含めて4件と少ないが、60, 98, 100, 79 とばらつくのは作品のばらつきと言うより、聴く人の好みのよるものだと思われる。

ALDA は2007年に米国 Washington州 Tacoma市で4人が結成した。
結成メンバーは Stephanie Knittle (Bass, Cello), Michael Korchonnoff (Drums, Vocals), Timothy Brown (Guitars), Jace Bruton (Guitars) で、現在(本作)まで変わりない。
なおカスケイディアン・ブラックでは、 AGALLOCH は1995年の、 WOLVES IN THE THRONE ROOM と DRUDKH は2002年の結成だが、以前から扱っている PANOPTICON はこのバンドと同じ2007年の結成だ。

本作は2015年(September 25, 2015)にリリースされた3rdアルバム。5曲(52:22)。
BINDRUNE RECORDINGS, EISENWALD TONSCHMIEDE (以上はCD), EINSAMKEIT TAPES (カセット・テープ) から同時リリースされた。
LABEL: BINDRUNE RECORDINGS (USA)
LABEL: EISENWALD TONSCHMIEDE (ドイツ)
LABEL: BINDRUNE RECORDINGS (USA)

bandcamp全曲試聴 全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

1stと2ndが当店では紹介できていませんが、これらは当初限定の(限定50とかの)カセット・アルバムでリリースされ、後に韓国で限定盤CD化されているものの、レーベルが廃業済み。最近になってドイツのかなりマイナーなレーベルからLPがでている状態なので、当面不可能です。

(コメント:犬丸)

GRIFT - syner 全曲試聴

BLACK METAL

アトモスフェリック・ディプレッシヴ・ブラック・メタル。
ディプレッシヴなヴォーカルが雄大なアトモスフェリック・サウンドに乗る。歌詞は全曲スウェーデン語だが、この人の歌唱は強烈な巻き舌が特徴。ヴァイキング・メタルなどやってほしくなるが、この巻き舌がアクセントになっていて、結構でてくるのが楽しみになる。
叙情や哀愁の他、演奏にはハルモニウム等を用いてフォーキーな感覚も加え、オルガンやピアノの音がメインのスロー・パートも長くはないが効果を上げている。
インスト・パート多い目だが曲は短く、この種のバンドとしては展開が早い目で、比較的緊張感をもたせている。

GRIFT は2011年にスウェーデン Västergötland地方(lan)で Erik Gärdefors (a.k.a. Perditor) がスタートさせた一人バンド。
ライヴ・メンバーを入れてコンサートもしている。

本作は2015年(September 18th, 2015)にリリースされた1stフルアルバム。6曲(38:26)。
LABEL: NORDVIS PRODUKTION (スウェーデン)

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(コメント:犬丸)

TELLUS TERROR - ez life dv8 全曲試聴

DEATHCORE / DEATH METAL

デスコアとしては結構破天荒なサウンド。声にやや癖があるのと、ごった煮状態で突発的な展開(不可解な展開)もあるので、「変」で片付けられる恐れありだ。
ごった煮状態ながらメロディーの叙情性でどうにか統一されているという程度。特にシンセやキーボードで演奏している分のメロディーは叙情的かつキャッチーで、このバンドの商業性は主に叙情メロディーに依存していると思うが、それ以外のものも多く持っているので、売れそうにない。
シンフォニックなデスメタル要素や、メロディック・メタル要素もあり、ミクスチャー(グルーヴ・メタル)的グルーヴや、特徴的な叙情メロディー等もある。個性的だが、ゴミだめみたいだとか言われてもしかたない。
低音グロウルやハードコア的シャウトが多いが、4曲目辺りからグラインドコア感覚のガテラル(下水管ゴボゴボ)も出て来るし、6曲目は吐き捨てヴォイスも多いし、8曲目では女声メゾソプラノもでてくる。という具合で、ヴォーカルは多様と言うのか何の脈絡もなく色んな物が繋がっていて、こちらもゴミだめみたいだ。
ドラムズを始め、テクニックはしっかりしている。音楽に点数を付けるのには賛成しないが Encyclopaedia Metallum のレヴューの75点も不思議でない。個人的には、今までのバンドとは異なった所があるので捨てがたいが、人に奨めるつもりはない。今後大化けするかしないか、しないだろう。バンド写真を見たら、しっかり変だった。

TELLUS TERROR は2012年11月17日にブラジル Rio de Janeiro州 Niteroi市で結成した。
結成メンバーはリード・ヴォーカルの Felipe Borges とギターの Alvaro Faria (2014年脱退)の2人。
同年中にベースの Arthur Chebec、翌年ドラムズの Rafael Lobato、キーボード/シンセサイザーの Ramon Montenegro、ギターの Wederson Felixが加わり6人が揃った。
2014年からは Alvaro Faria に替わって Nelson Cordeiro が参加している。

本作は2914年(10 Aug 2014)にブラジルの SHINIGAMI RECORDS が販売 (wholesale and retail by) した1stアルバム。10曲(55:42)。
自主制作のように推測されます。
スウェーデンで Fredrik Nordstrom と Henrik Udd (IN FLAMES, AT THE GATES, ARCH ENEMY, OPETH, SEPTIC FLESH 等をしている) がミキシングとマスタリングをした。
ギリシャの Seth Siro Anton (SEPTIC FLESH / SEPTICFLESH の Spiros Antoniou) がアートワークをした。

こちらは2015年(september 4, 2015)に NORDAVIND が流通を担当(handling distribution)した盤。
SHINIGAMI RECORDS が販売したものと同じように推測されます。
LABEL あるいは 流通元: NORDAVIND (ポルトガル)

Youtube全曲試聴
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(コメント:犬丸)

SKEPTICISM - ordeal (CD+DVD) 全曲試聴(CD)

DOOM

強くひきつけられるが、聴いていると落ち込んでしまう暗黒ドゥーム。使い古されたような気もする言葉だが、フューネラルなドゥーム。
1曲目、アルバムのスタートは、何か神聖な物を感じさせる荘重な始まり。ダウン・テンポに徹しているが、厚みのある音から重ねの少ないクリーンへ展開する等で、変化を作っている。
アンビエントな要素やパイプ・オルガンも使用した長い楽曲は、シンフォニックな荘厳さ、神々しさ、セピア色にくすんだような侘しさ、終わりのない悲しみと言った感覚をもたらす。
最近では少なくなった、 THERGOTHON 直系と言われる絶望的なサウンド。

SKEPTICISM は1991年にフィンランド Riihimaki自治体で結成した。メンバーは4人。

本作は2015年(September 18th, 2015)にリリースされたDVD付きアルバム。8曲(1:17:44)。
バンド・メンバーは結成時のままの4人。ライヴ・メンバー1人を加えた5人での録音。
最近のバンド写真では5人写っているので、今後は5人編成での活動になるのかもしれない。
本作には2015年(January 24th, 2015)にフィンランド Turku市の Klubi で行ったライヴを収録している。2曲が今までのアルバムからの曲で、6曲は新曲。
DVDも同じライヴを収録。(DVDとCDのトラックリストは同じですが、DVDのトラックの収録時間は不明であり、完全に同内容という確認はできません。DVDには演奏以外の前後等も収録されている場合もありますが、本作についてはまったく不明です。)
LABEL: SVART RECORDS (フィンランド)
* お知らせ *
DVD はリージョン・フリーまたはフィンランドのレーベルですので日本と同じリージョン2のはずです。フォーマットは不明です。本作新発売時点で、すべてDVD付です。DVD無しは発売されません。

Youtube全曲試聴 (CD)
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Youtube試聴・本作3曲目"Departure"のDVD版

(コメント:犬丸)

CARNIVOROUS VORACITY - impious doctrine 全曲試聴

DEATH METAL

全曲あくどく卑劣なブルータル・デス・メタル。
下水管(ウガイ声というのが判りやすい?)ガテラルの、最近では比類ない強力凶悪ヴォイス。
ザクザクとしたギター等のサウンドのエクストリームさも、ヴォーカル同様ぶち切れたクオリティ。
こういうあくどい音を出すには覚悟が要りそうだが、もちろんこれは、それだけで出しうる音ではない。鋭い切れ味のリフを聴かせるギターの他、超人級のテクニカル・ドラマーやベーシストも揃った稀有のバンドだ。

CARNIVOROUS VORACITY は2009年9月にスペイン Vasco(Euskadi)自治州 Vizcaya(Bizkaia)県 Bilbao(Bilbo)基礎自治体(カッコ内はバスク語)で2009年に結成した。
結成メンバーは Seyerot (ex-GORY DELIVERY他) と Sagasth (ex-MALEVOLIC) で、コンサートや録音を目的としない SLAMMING BRUTAL DEATH 追求のプロジェクトとしてスタートした。
2010年1月には正式にバンドとして活動する決意をし、ギタリストの Turbine (UNKNOWNICON他) を加えた。
更によりテクニカルな、よりスラミングなサウンドを追求するため3月にベーシスト Mika (THIRD WORLD'S MOURNING他)を加えた。
この4人により2011年にデヴュー EP を日本の AMPUTATED VEIN RECORDS からリリースした。
その後2011年からはもう1人のギタリスト Xabat (SORGERTH) を加え、ツイン・ギターとなっている。

本作は2015年(September 18th, 2015)にリリースされた1stフルアルバム。10曲(36:01)。
バンド・メンバーは5人。2011年にドラマーが Sagasth から Edgar に代わっている。
LABEL: AMPUTATED VEIN (日本)

Youtube全曲試聴
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(コメント:犬丸)

VEHEMENCE - assiege 全曲試聴

MEDIEVAL BLACK METAL

メロディック・ブラック・メタル。それのオーソドックスなスタイルで、徹底的に押し捲るバンド。
一番に特筆される点はトレモロによるギターのメロディーだ。ちょっとエピカルな勇壮と叙情をミックスしたもので、たそがれの様な暗さを感じさせたり、哀愁にも富んでいて心に沁みるキャッチーさだ。広範囲にフォークっぽいメロディーがあり、かなり MEDIEVAL っぽい。
ギターはトレモロ多用だが、トレモロでファストに刻みつつ主旋律はスローな感じ。また、アコースティックなギターの、静かなスロー・パートも多く、雄大な感じを出している。イケイケのサーヴィス精神に満ちた音作りと言える。
でも、サーヴィスの積りかも知れないが、1曲目出だしの咆哮は気合不足だなあ、、、はずれてますわ。それを別にして、低音がなり声のヴォーカルもダークで物々しく内容にそぐったものだ。
アコースティック・ギターの部分でサーフェイス・ノイズがあり、ドラムズの音質がやや半端な感じの所もあり、メンバー等のバンド情報が公表されていない事や徹底した音楽性とあわせて考えると、一人バンドでホーム・レコーディングではないかという推測も出来る。一人バンドは、とことん徹底した音楽性を出せるので、それを気に入る聴き手には理想的だ。

フランスのバンドと言う以外に、バンドについての情報は無い。

本作は2014年(February 21, 2014)にデジタル・ダウンロードで自主リリースした1stアルバム。6曲。

こちらは2015年(October 13, 2015)にリリースされたCD化盤。
最後2曲の曲順の変更の他、3曲目の12秒短縮があるので完全に同じでもないが、他の5曲はきっちり同じ演奏時間なので、リミックスなどの手はあまり加えられていないだろうと思う。
LABEL: DE TENEBRARUM PRINCIPIO (イタリア)

Bandcamp試聴・2015年盤全曲
Bandcamp試聴・2014年版全曲
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(コメント:犬丸)

HELHEIM - raunijar

VIKING BLACK METAL

とりあえず新作からの試聴が1曲しかない段階ですが、、、。
新作からの試聴曲は、勇壮に疾走する哀愁メロディックな曲で、かなりヴァイキング・メタル色の濃い曲だ。ヴォーカルも男気あって、演奏もブカブカドンドコの疾走で、熱烈にキャッチー。ブカブカ言う楽隊のような音はサンプラーかシンセか私には判らないがギターではない様に思う。
次に前作2011年の7thアルバム "heidindomr ok motgangr" を聴いてみましょう。
アトモスフェリックで叙情的かつカオティックな所もあると言われていたバンドで2010年のEPなどはその様な感じなのだが、前作は新作からの試聴曲と同じ傾向の曲が多いようだ。疾走が多く、その中の荘厳なスロー・パートが入る。曲はメロディックで、ギター等を中心に演奏はパワー・メタル的な力強さとスラッシーだが軽快な疾走感あふれるパートが多い。かなりテクニックのある演奏(早弾きなどでは無しに)をしている。キャッチーだが、変化に富んでいるし、プログレッシヴとかエクスペリメンタルと言うのもはずれてはいないようだ。
最後にその前年のEP "asgards fall" を試聴。
アトモスフェリックでもあり、勇壮で展開も大きい(ドラマティックな)のでスケールの大きさが特徴的だが、メロディックでありヴォーカルなどもエモーションに富んでいるので親しみやくもある。

HELHEIM は1992年にノルウェー Hordaland県 Bergen市(kommunen)で結成した。
結成メンバーは TAAKE のライヴ・メンバーで一時 (2001-2012年) AETERNUS に参加などしている V'gandr (Bass, Vocals), 一時(1993-1994) SYRACH に参加している Hrymr (Drums, Drum programming), H'grimnir (Vocals, Guitars) の3人。
その後もう1人のギタリストとして、1993-1994年は Nidhogg が、1999-2008年は Thorbjorn が、2008年以後は ex-SYRACH (2006-2009年) の Noralf "Reichborn" Venas が加わっている。
また、1999-2005年の間 (アルバムでは3rdと4th) はキーボーダーの Lindheim が加わって5人編成だった。

本作は2015年(December 4th, 2015)にリリースされた8thアルバム。5曲。
コメント制作時点では演奏時間は不明だが、フルアルバムとして告知されている。
LABEL: KARISMA RECORDS / DARK ESSENCE RECORDS (ノルウェー)

Youtube試聴・本作2曲目"Raunijar"
soundcloud試聴・本作2曲目"Raunijar"
Youtube試聴・前のフルアルバム "heidindomr ok motgangr" から数曲
musicmp3試聴・2010年のEP "asgards fall"

(コメント:犬丸)

ATRORUM - structurae 全曲試聴

BLACK METAL

エクスペリメンタル/アヴァンギャルドな、テクニカル・プログレッシヴ・ブラック・メタル。
いきなり変拍子の渦。美麗ゴシックや、ジャジーな音、テクニカルな美メタル、シンセ・プログレ (ピコピコ・プログレ) 等と共通な音も感じられる。
全体的にはプログレ+メタル+ゴシックがベースで、部分的には静かなパートは、フォークやフォーク・プログレ的でもあり、ラウドなパートでは、エレクトロニコアやデス・メタリックな音(演奏もヴォーカルも)も感じられる。
そのほか創造性の高い音も加えた独創的なミックスは、人によっては "やりすぎじゃないの" と言いそうなレベルだが、全体を貫いているのは、やはり、テクニカルなアレンジとプログレッシヴな感覚。
書き忘れていたが、ブラック・メタルな要素もある。つーか、ブラック・メタルな部分は書き忘れるくらいに少ない。何なんだろう。

ATRORUM は1998年にドイツ Bayern自由州 Munchen市で結成した。
最近の公式 Facebook では2003年結成としている。
メンバーは vatroS (G, Bass, Clean Vo, Programming) と umbrA (Vo, Key, Programming) の2人。
最初の2作のアルバムは自主制作で、それぞれ2004年と2006年にリリースし、2005年と2015年に APATHIA RECORDS からリマスターで再発されている。
他のプロジェクトの都合や個人的事情で、2007年に休眠状態となり、2011年に復活した。

本作は2015年(November 16th, 2015)にリリースされた3rdアルバム。8曲(1:05:06)。
CENOTAPH のマスタリング、 UNLIGHT のプロデュースなどしている Christoph Brandes がミックスとマスターをした。
LABEL: APATHIA RECORDS (フランス)

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(コメント:犬丸)

CRYSTAL LAKE - the sign 全曲試聴

JAPANESE ARTISTS / NEW SCHOOL METALCORE

1曲目から張り詰めたハイテンションなメタルコア。2曲も同傾向で押しまくり、畳み掛ける勢い。
展開は大胆でドラマティックな盛り上がり。
演奏にはポストロック要素のパートもあり、また、エクスペリメンタル~プログレッシヴ~エレクトロコアな音も取り入れている。
ヴォーカルはラップ的な煽りのある野太いシャウトを中心に、所々で少しづつだが、ギャング・コーラスやエモーショナル・コーラス、シンフォニックなコーラス、グロウル、ラッピン・ヴォーカル等も入る。
程よく変化のある曲構成で、全編を通してテンションを維持し、アルバムとしての完成度も並ならないもの。

CRYSTAL LAKE は2002年に日本国 東京都で5人が結成した。
結成当時から現在も在籍するメンバーはギターの Yudai Miyamoto, 同じくギターの Shinya Hori の2人。
それ以外の結成メンバーはベースの Seiji Nagasawa (2007年まで), ドラムズの Yusuke Ishihara (2012年まで), ヴォーカルの Kentaro Nishimura (2011年まで) の3人。
ベースは2007年から Yasuyuki Kotaka (病気により2015年まで) を経て2015年から Teruki Takahashi, ヴォーカルは2012年から Ryo Kinoshita (ex-INFECTION), ドラムズは2012年からヘルパーの 田浦楽 (ex-NOCTURNAL BLOODLUST) となっている。

本作は2015年(日本:10/07, USA:10/09, Australia:10/30, UK:11/13, 韓国:11/13)にリリースされた3rdアルバム。10曲。
LABEL: JPU RECORDS (UK)
* JPUは英国及び欧州が本作の販売テリトリーかも知れません。米国の ARTERY RECORDINGS 盤は多分北米のみか、中米までです。

Bandcamp全曲試聴
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(コメント:犬丸)