HARVESTMAN - lashing the rye 全曲試聴

DRONE / AMBIENT / PSYCHEDELIC ROCK / PSYCHEDELIC FOLK

サイケデリック・ドローン・ミュージック。ネオ・メディエヴァルなフォーク・ミュージックとしても捉えられる。ダークで気だるくどこか魅惑的。 Steve Von Till 一人による、シンセサイザーを中心としたアンビエントなダウン・テンポ・サウンド。
中世的な荘厳な響きと物悲しいメロディーが多く、プリミティヴな楽器の(様に聴こえる)素朴な音色や浮遊感のある音など、幻惑させるような、ふくよかで深みのある音に包み込まれるような感じだ。
単純な繰り返しではないがややミニマルな世界。既存の音に囚われずに彼独特の音世界が作り上げられている。
それは別に異常な感じを与えるサウンドではなく、特に NEUROSIS 関連や TRIBE OF NEUROT から Steve Von Till のソロ等を聴いていた人にはキャッチーと言うことになるだろう。

HARVESTMAN は2005年に最初の作品を公開した Steve Von Till の1人プロジェクト。
彼は NEUROSIS の結成メンバーではない物の中心的なギタリストとして知られており、このプロジェクトのスタート当時は米国 California州 Oakland市にいた。
現在は Idaho州 Coeur D'Alene市在住。つーか、彼の住所 '2900 North Government Way, PMB 271 Coeur D'Alene, Idaho' は NEUROT RECORDINGS の住所と同じだ。

本作は2005年(November 1, 2005)にリリースされた1stアルバム。12曲(01:04:35)。
LABEL: NEUROT RECORDINGS (USA)

song365全曲試聴
Youtube試聴・本作8曲目"Sheep-Crook and Black Dog"

(コメント:犬丸)

OAKHELM - betwixt and between 全曲試聴

PAGAN METAL / FOLK METAL / VIKING METAL

勇壮と哀愁のペイガン・フォーク~ヴァイキング・メタル。
トラッド調の哀愁メロディーと、勇ましくラウドな、あるいは時にはダークなサウウンド、男臭いボーカルまで展開する。とりわけスキャットのようなコーラスだけの2曲目(一応インストと表示されている)などは、あまりにもうら悲しく切ないメロディーとアレンジだ。

OAKHELM は欧州のバンドではない。2005年に米国 Oregon州 Portland市で結成した。
(デス・)ブラック・メタル・バンド BLACK QUEEN のシンガーで、一時ポリティカル・グラインドコアの ASSUCK のベーシストだった Pete Jay がヴォーカルとベースを担当。
そして、ギタリスト2人とドラマーははデス/ブラック・メタル・バンド FALL OF THE BASTARDS のメンバーと言う布陣。

本作は2007年(July 10th, 2007)にリリースされた1stアルバム。6曲(42:23)。
LABEL: FOREST MOON SPECIAL PRODUCTS (USA)

Youtube試聴・本作1曲目"Of Wood and Blood"
Ololo.fm試聴・本作2曲目"Skaal Shanty"
ololo.fm試聴・本作3曲目"As the Murder Flies"
Youtube試聴・本作4曲目"Maybon Shore"
Youtube試聴・本作5曲目"These Boundaries Crossed"
Youtube試聴・本作6曲目"Immram"

(コメント:犬丸)

OUR FINAL CHAPTER - kill the silence

DEATH METAL / DEATHCORE

弾丸のようなブラストなどブルータルな疾走と、叙情性も高いスロー・パートを組み合わせた、大胆な展開。
一人のシンガーによる、ガテラルの理想と考える人の多そうな低音の野太いガテラルと、中音、高音シャウトの掛け合い。
さらに、メタル度の高いギター等もテクニカルだ。
玄人受けしそうな技巧派でトリッキーとも言うべき音楽性だが、大変キャッチーな叙情メロディーも盛り込んでいる。

OUR FINAL CHAPTER は2001年に米国 Connecticut州 Moosup市で結成した。メンバーは6人程度。

本作は2008年(18 September, 2008)にリリースされた2ndアルバム。8曲。
LABEL: SPARE CHANGE (USA)

Youtube試聴・本作3曲目"Pretext for Fear"
Youtube試聴・本作5曲目"Shadow over America"

(コメント:犬丸)

MIZERY - survive the vibe

MOSHCORE / METALCORE

MERAUDER や CROWN OF THORNZ の様なメタル×ハードコアの基本の音に、所々で現代のバンドらしいモダンさ(複雑なリズムやグルーヴなど)も加えた、モッシーでいかついサウンド。
ざくざくした荒々しいギター。
USハードコアの伝統を感じさせる明瞭で滑舌の良いヴォーカルもイケイケな感じを出している。
ビートダウンもパワフルでがっちりと構成されている。展開や構成の緻密さが現代的だが、全体的には80年代90年代のバンド、LEEWAY, CRO-MAGS, CROWN OF THORNZ, METALLICA 等にインフルエンスされている。

MIZERY は米国 Calfornia州 San Diego市で結成した。
メンバーは、ヴォーカルの Jose Gonzales, ギターには TWITCHING TONGUES のプロデュースなどしている Taylor Parker, ギターには XIBALBA の Mike Salazar, TWITCHING TONGUES の Cayle Sain の4人。

本作は2014年(September 26, 2014)に LION'S SHARE RECORDS からアナログ盤でリリースされたEP。オリジナルは5曲。

こちらは2016年のCD化再発盤。14曲。9曲追加収録 (ボーナス・トラック) 。
始めの5曲がオリジナルのEPの分の曲。
本作6曲目は2014年のデモ・テープ "2 Song Tape" の1曲目。
7曲目は2015年に UNBEATEN RECORDS からリリースされたコンピ "Before Metal Was Cool" に提供した曲。
9曲目-14曲目は2015年(August 14, 2015)に FLATSPOT RECORDS からリリースされた "Survive The Vibe Live" の6曲全曲。
LABEL: FLATSPOT RECORDS (USA)

Youtube全曲試聴・アナログEP分の全曲 (本作1曲目-5曲目)
bandcamp全曲試聴・アナログEP分の全曲 (本作1曲目-5曲目)
bandcamp試聴・本作9曲目-14曲目(ライヴEPの全曲)
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。
Youtube試聴・本作7曲目"Fire"

(コメント:犬丸)

HARLEY FLANAGAN - cro-mags 2015年作品 (2016年作品)

NEW YORK HARDCORE

メタリックで、パンク・マインドも感じさせ、リズミックで、ポップではないがメロディックな、ハードコア。まったく自然な感じ。デモ音源やライヴ音源のようなラフな感覚を持ち、しかも安定感のあるヴォーカルと演奏。大きくフューチャーされている HARLEY FLANAGAN のベース・ギターのパートが力強く迫力がある。

やはり CRO-MAGS から話しを始めなくてはならないだろう。
CRO-MAGS は1981年に米国 New York州 New York市で結成した。
結成メンバーはシンガーの John Joseph (ex-BLOODCLOT, ex-MODE OF IGNORANCE), ベースの Harley Frances Flanagan (ex-STIMULATORS (Drums), ex-MODE OF IGNORANCE, ex-MURPHY'S LAW), ギターの Dave Stein (ex-EVEN WORSE), ドラムズの Dave Hahn (BAD BRAINS のマネージャー)の4人。
翌年にはギターが Kevin "Parris" Mayhew に、ベースが Winston Churchill に替わっている。
John Joseph は1982年に脱退しているが、その後復帰して多くの期間 CRO-MAGS のシンガーを務めている。
1995年には Harley Flanagan とHarleyと Kevin Parris が John Joseph が脱走兵である事を警察に通報してバンド内のもめ事は頂点(?)に達し、 Harley Flanagan が一旦脱退したが、その後 Harley Flanagan が復帰して John Joseph が脱退するなど紆余曲折が続く。
最終的に、 Harley Flanagan は2002年に脱退し、 HARLEY'S WAR を結成。 "cro-mag" と言うタイトルのアルバム等を発表している。
その後も残りのメンバーとは不仲だった。2012年7月6日にニュー・ヨーク市の Webster Hall で SICK OF IT ALL とのライヴをしていた CRO-MAGS の現メンバー2人 Michael Couls の腕と胃と William Bernardo Jr. のおでことほほに (他の記事では2人の金玉に) 噛み付いたり、 VIP席に狩猟用ナイフを持って突入したりして逮捕された。

本作はLPは2015年に、CDは2016年に Harley Flanagan 自身の FERAL HOUSE からリリースされたアルバム。12曲(内4曲は短く、前後の長い曲のブリッジの様になっている)。
Harley Flanagan は2012年に HARLEY'S WAR として SOUTHERN LORD レーベルとの間でアルバム1枚の契約をしたことが伝えられていて、2014年には録音中と伝えられていたが、結局 SOUTHERN LORD からは発売されていない。本作は HARLEY FLANAGAN 名義になっているが、その録音かも知れない。録音メンバーが判らないが、 Harley Flanagan は現在でもドラムズも叩いているので、ドラムズも本人の可能性が高い。
LABEL: FERAL HOUSE (USA)

Youtube試聴・本作1曲目"I Come In Peace"
Youtube視聴・Harley Flanagan が CRO-MAGS のメンバーに Webster Hall で噛み付いたニュース (本作4曲目は"Webster Hall"と言う曲)
Youtube試聴・本作5曲目"Guilty Until Proven Innocent"
Youtube試聴・本作6曲目"To All My Friends"
Youtube試聴・本作12曲目"Trust No One"のデモ・ヴァージョン
Youtube試聴・Harley F Flanagan のチャンネル (試聴音源が追加されているかも知れません)

(コメント:犬丸)

お知らせ

家庭の事情と言いますか、母の体調が優れず、もしかすると開店時刻や閉店時刻を変更する日や、臨時に休ませていただく日があるかも知れません。
このような場合には、事前にお知らせできない場合や、当日店頭にご案内を掲示できない場合が多いと思いますが、なにとぞご容赦下さい。よろしくお願いいたします。

SOD - speak english or die: 30th anniversary edition 全曲試聴

CROSSOVER THRASH / THRASHCORE / US HARDCORE

クロスオーヴァー・スラッシュ・プロジェクトのデヴュー作。
ハードコアとスラッシュ・メタルがミックスされ、ウイットを感じさせる独創性も加えられて、インパクトのある作品。勢いもあるしいかつさもあり、音作りは上手くできているが、ユーモアの感じられるサウンドと阿呆らしい歌詞ばかりで、遊びで始めたプロジェクトだろう。これが評価されたと言う事は、当時も遊び心のあるリスナーや物好きが沢山いた訳だ。

STORMTROOPERS OF DEATH (SOD) (S.O.D.) (S.O.D) は1985年に米国でスタートしたプロジェクト・バンド。
結成メンバーは ANTHRAX の Scott Ian Rosenfeld と Charlie Benante, NUCLEAR ASSAULT の Dan Lilker, MOD (METHOD OF DESTRUCTION) の Billy Milano の4人で、楽しみとしてスタジオに入っていた。7月(July 1, 1985)にバンド名が決まった。

本作のオリジナルは1985年(August 30th, 1985)にリリースされた。21曲(29:41)。
バンド・メンバーは Billy Milano (Vocals), Scott Ian (Guitars, backing vocals), Dan Lilker (Bass, backing vocals), Charlie Benante (Drums, guitar solo on "United Forces") の4人。
1992年の再発はスタジオ音源の "Ram It Up" (1:21) を追加収録して全22曲収録となっていた。
2000年の通常盤再発はスタジオ音源の "Identity" (2:50) と "Go" (1:07) の2曲を追加する一方、1992年の再発の際の追加曲は削除して全23曲収録となっていた。
同じ2000年の15周年記念盤として発売された "PLATINUM EDITION" では、これに1999年の東京でのライヴ9トラック (複数曲曲で1トラックとなっているものがあるため、9トラックで16曲ある) を加え、1992年の再発の際の追加曲も削除せず、33曲(トラック)収録となっていた。ライヴ音源は1999年6月5日と7日に川崎の Club Citta で収録された音源。

こちらは2015/2016年(November 27, 2015/ Feb 10, 2016)にリリースされた再発盤。34トラック。
本作はオリジナル・リリースから30周年のアニバーサリー・エディションとなっている。
2000年の "PLATINUM EDITION" の33トラックに "Crab Society North - Demos" 63曲(14:48) の1トラックを加えた34トラックを収録。
追加された1トラックは、彼らのバンド名を Scott Ian が決めた日(July 1, 1985)に、 Pyramid Sound studios でスピーカーの前にウォークマンを置いて(ライン録りではない)、録音されたデモ。曲はインプロヴィゼーション(即興)による物で、後に完成曲となってアルバムに収録された物もかなり ("Momo", "Diamonds and Rust" 等) 含まれている。音質は極めて悪い。
LABEL: MEGAFORCE RECORDS (USA)

song365試聴・"Crab Society North - Demos"を除く全曲
3曲目 "Kill Yourself" に漢詩訳が付いている。 "Can't take it, never could" が "无法承担,生命之重" とか、必見ぽい。
Youtube試聴・"Crab Society North - Demos"の全曲
Youtubeの全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

KINGS OF NUTHIN' - old habits die hard 全曲試聴

NEO-ROCKABILLY / PSYCHOBILLY / ROCKABILLY REVIVAL

ジャジーにブロウするホーン・セクションと、オールド・タイミーなホンキートンク風のピアノに、パワフルでダーティーなシンギング。
Mad Sin の咆えるようなヴォーカルや BRIAN SETZER ORCHESTRA のジャズ感覚、 MIGHTY MIGHTY BOSSTONES のメタリックなギターとパワフルなホーンのコンビネーションなどをミックスしたようで、ハイテンションなサウンドで最後迄押しまくる。
なお、スカ要素もあると言われる事もありますが、 MIGHTY MIGHTY BOSSTONES を髣髴させるものの、本作を聴く限りではそれほどスカには聴こえません。
曲はメロディックでキャッチー。

前身バンドとなる米国 Massachusetts州 Boston市の BOSTON BLACKOUTS は、1999年の夏に KINGS OF NUTHIN' に改名した。
当時のメンバーは8人で伝統的なロックンロール・サウンドの再創造(re‐create)を目指した。

本作は2010年にドイツの CENTURY MEDIA / PEOPLE LIKE YOU RECORDS と米国の SAILOR'S GRAVE RECORDS (May 11, 2010)からリリースされた5thアルバム。18曲。
バンド・メンバーは、 Torr Skoog (vocals)n Liam Crill (drums), Zack Brines (piano), Thomas Lorioux (bass), Trafton Waldrop (guitar), Hayden Cummings (sax), Necro (scrubboard) の7人。
ゲストにはヴォーカルの Lenny Lashley (DARKBUSTER), バス・サクソフォンの Dana Colley (MORPHINE) を迎えている。

こちらは2015年の米国の再プレス盤。
LABEL: SAILOR'S GRAVE RECORDS (USA)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

CROOKS UK - are we all the same distance apart 全曲試聴

EMOCORE / INDIE ROCK / POST-HARDCORE

キャッチーな中にエクスペリメンタルな面等が入った、現代版のメロディック・エモというサウンド。最近の EQUAL VISION の中では一番キャッチーなエモコアだろう。
演奏の変拍子など、複雑でエクスペリメンタルな面を持っているが、キャッチーなメロディーのエモーショナルでポップな楽曲が盛りだくさんで、往時のメロディック・エモの真髄を受け継いでいる。
明るい中に切なさのミックスされた、よく裏返るヴォーカル。パワフルな歌唱(往時の感じ)を聴かせるが、けだるい声や力を抜いた部分(エクスペリメンタルな面)を入れるなど、仕掛けもあって表情に富んでいる。
同様に、演奏もポップ・エモ一色という事ではない。ファスト・パート(往時の感じ)中心に、スロー目のパート(エクスペリメンタルな面等)を入れてくる。少しダークな部分も出て来る。このような静と動を対比させた展開が多く、やや複雑で変化が多い。

CROOKS (英国) は2010年に英国 Gloucestershire州(county) Cheltenham市(Borough/Town)で5人が結成した。
本国では従来 CROOKS と表示されて(名乗って)いるが、米国では同名のバンドとの混同を避けるため CROOKS UK の名前になっている。

本作は2015年(Dec 25, 2015)にリリースされた1stフルアルバム。10曲。
バンド・メンバーは Josh Rogers (vocals), Alex Pay (guitar, vocals), Jacob Dutton-Keen (bass), Oli Bendall (guitar), Jack Batchelor (drums) の5人。
LABEL: EQUAL VISION RECORDS (USA)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

BARONESS - purple 全曲試聴

SLUDGE / POST-METAL / POST-ROCK

ポスト・メタル的~プログレッシヴ・メタル的なスラッジ・スラッシュ・メタル。
ヴォーカル・パートとインスト・パートのいずれもが重要なバンドだが、楽曲やギター・リフ等全体にさらにメロディックになって、ヴォーカル・パートが目立っている。キャッチーなヴォーカルや爽やかにも聴こえるコーラスもある一方で、ダークな哀愁が濃厚に漂うコールドでスローなパート等もある。それらが織り成すドラマティックな展開もある。
すでに以前からだが、スラッジコアやスラッシュ・メタルという理解で捉え切れるバンドではない。そこからは二歩も三歩も踏み出していて、エクスペリメンタル・メタルやポスト・ロック等の要素の方が大きい。ギターを中心にメタル性も高い。

BARONESS は2002年から作曲を始め、2003年中頃に米国 Georgia州 Savannah市で結成をし終えた。
結成メンバーはギターとヴォーカルが John Dyer Baizley (ex-JOHNNY WELFARE, ex-PAYCHECKS), ギターが Brian Blickle, ベースが Summer Welch, ドラムズが Allen Blickle (Brian Blickle の兄) の4人で、いずれも Virginia州 Lexington市の出身者だ。
このうち John Dyer Baizley と Summer Welch は8歳の頃からの友人で、いずれも2002年に Savannah市に引越して来た。
その2002年から Summer Welch と Allen Blickle がバンドを組んだが、この年の夏に John Dyer Baizley が3ヶ月の間彼らと一緒に過ごし、曲を書いた。これらの曲が BARONESS の最初の2作の EP に収録されている。

本作は2015年(18 December 2015)にリリースされた4thアルバム。10曲(42:33)。
バンド・メンバーは4人で、新メンバーの Nick Jost (Electric Bass, Upright Bass, Piano, Synthesizers) と Sebastian Thomson (Drums) が参加する初めてのアルバムになる。 (なお、最近の方はアップライト・ベースでお分かりになるかも知れないが、以前は日本ではウッドベースなどと言っていたアコースティックのベースを指す。人間の背丈ほどあるやつで、確か、スタンドアップ・ベースとも言ったと思う。言うまでもないだろうけど、ロック系で普通ベースと言っているのは、エレクトリック・ベース・ギターだ。)
後2人は、結成メンバーの John Baizley と2008年から参加している Peter Adams 。
Peter Adams はストーナー・バンド VALKYRIE のメンバーで、同じ VALKYRIE のメンバーで彼の兄弟の Jake Adams も一時期 BARONESS に参加していた。
ABRAXAN HYMNS はバンドが始めたレーベルで、本作が初のリリース作品になる。
LABEL: ABRAXAN HYMNS (USA)

Youtube全曲試聴
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全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

STIGMATA - conditioned to murder 全曲試聴

METALCORE

メタルとハードコアのクロス・オーヴァー。ファストでメロディックな曲とスピーディーな展開。
ギターはザクザクとメタリックだが、初期USハードコアの勢いとパンク魂を持ち、ダンサブルなグルーヴもたっぷりある。
ストーナー(ダウンテンポでない明るい目のタイプ)的なグルーヴのある曲(7・8曲目など)もある。
モダンさもクラシックなハードコアの良さも自然に融合させた、ベテランらしい味わいのあるバンド。

STIGMATA は1989年に米国 New York州 Troy市で結成した。
結成時のメンバーは、いずれもそれまで CRANIAL ABUSE というバンドを一緒にやっていた、シンガー Bob Riley, ギタリスト Mike Maney, ベーシスト Dan Walsh の3人。
セコンド・ギターの Jason Sunkes は1992年の遅くからの、バークリー音楽出身のドラマー Jason Bittner は1994年の早期からの参加。
STIGMATA は2001年に活動を停止した。
Bittner は2002年から SHADOWS FALL に参加し、この時期に来日している。2014年からは FLOTSAM AND JETSAM にも参加している。
STIGMATA は2005年に2回、2008年に1回ライヴをして、結成20周年として2009年に数回のライヴをしてから、ぼちぼちやっている。

本作は2015年(December 11, 2015)にリリースされた6thアルバム。10曲。
"do unto others" (2000年)から15年ぶりの新フルアルバム。
バンド・メンバーは Buddy Armstrong (Bass), Jason Sunkes (Guitar), Jason Bittner (Drums), Mike Maney (Guitar), Bob Riley (Vocals) の5人。
バンドのベーシスト Buddy Armstrong のレーベルからのリリース。
LABEL: UNBEATEN RECORDS (USA)

Youtube試聴・本作1曲目"Conditioned to Murder"
ololo.fm試聴・本作2曲目"Fillers for Coffins"
ololo.fm試聴・本作3曲目"All the Same"
ololo.fm試聴・本作4曲目"Free Will for All"
ololo.fm試聴・本作5曲目"Rivers of Blood"
ololo.fm試聴・本作6曲目"Ourselves Alone"
ololo.fm試聴・本作7曲目"I'm Giving Back"
ololo.fm試聴・本作8曲目"Pieces of Me"
ololo.fm試聴・本作9曲目"F*&ck Your Religion"
ololo.fm試聴・本作10曲目"Rusted Halos"

(コメント:犬丸)

ENTERPRISE EARTH - patient zero 全曲試聴

DEATHCORE

テクニカル(ヴォーカルも)で、メロディック(特にギターが)で、エクストリームなデスコア。ギターはもちろんヴォーカルもノイジーな音の洪水で、ドラマティックな展開もある。
ドラムズはテクニカルで、ブラスト入り、変則リズムも入るがダイナミックで、怒涛のノリも持つ。
ギターもテクニカルで、不気味さを増す様なメロディックなリフも多彩に変化。
ヴォーカルは太い低音グロウル(デス声)と中高音シャウトで、一部はエフェクターで歪みを加えている。グラインドコア・タイプのガテラル(えぐいデス声)も多いが、歪ませっぱなしではなく、歪みに変化を付けていてかなりテクニカルな歌唱だ (ここまで来ればヴォーカルでも演奏と言うべきか) 。ヴォーカル・パートも多く、ヴォーカルだけでも息をつかせない。

ENTERPRISE EARTH は2014年夏に米国 Washington州 Spokane市で5人が結成した。
この内シンガーの Dan Watson (ex-INFANT ANNIHILATOR, ex-BETRAYER) とギターの BJ Sampson が現在も在籍している。後3人は、ドラムズの Ryan Folden (LACUNA COIL), ベースの Conner Schneberger, ギターの Kevin Rogers 。ドラマーには、 Ryan Folden が LACUNA COIL の活動で加われないときのヘルパーとして Michael Davidson も加わっていた。
当初はツイン・ギターで、2015年からはトリプル・ギター。

本作は2015年(Dec 11, 2015)にリリースされた1stアルバム。10曲。
バンド・メンバーは6人。結成からの2人と、2015年からフルタイム・メンバーとなった Michael Davidson (Drums), 2015年から参加の Brian Moore (Bass), Cliff Wagle (Guitar), Will Garcia (Guitar) 。
STAY SICK RECORDINGS は ATTILA のフロントマン Chris"Fronz"Fronzak のレーベル。
LABEL: STAY SICK RECORDINGS (USA)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

CASUALTIES - chaos sound 全曲試聴

STREET PUNK

オイに近いサウンドと、ハードコアに近いファストな疾走を持ったストリート・パンク。
メロディックなアップ・テンポの曲。上ずったようなわめき散らし型の熱い歌唱。
リード・ヴォーカル以上に全編にフィーチャーされるパンクのシンガロング。
あふれるようなメロディーを撒き散らすラフなギター。
曲調はアゲアゲ系でほぼ統一されているが、イントロなどで変化をつけている。演奏にはベテランらしい器用さも生かされているが、前面に荒削りさを出した音作り。前作はややロックっぽかっただけに、完全パンク全開がうれしいファンも多いだろう。

CASUALTIES は1990年に米国 New York州 New York市で結成した。
結成メンバーは、リード・ヴォーカルの Jorge Herrera, ギターの Hank, ヴォーカルの Colin Wolf, ベースの Mark Yoshitomi, ドラムズの Yureesh Hooker の5人。1994年まではシンガーが2人いた。
1997年にリリースされた1stアルバムまでに Jorge Herrera 以外は全員が入れ替わっている。
1990年代のストリート・パンク・ムーヴメントの中心をなした。

本作は2016年(22 January 2016)にリリースされた10thアルバム。15曲。
本作現在のバンド・メンバーは、ヴォーカルが Jorge Herrera (結成メンバー), ギター/コーラスが Jake Kolatis (1stアルバム前の1993年から参加). ベース/コーラスが Rick Lopez (1998年の2ndアルバムから参加) ドラムズが Marc "Meggers" Eggers (1stアルバム前の1995年から参加) の4人。
LABEL: SEASON OF MIST AMERICA (USA)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

AGORAPHOBIC NOSEBLEED - arc

DOOM / 元GRINDCORE

完全にドゥーム・メタル。
スラッジーな音感もあるが、2曲目のようなスローなロックンロールの乗りでも、ヴィンテージなヘヴィー・ロックやストーナーのバンドに勝 (すぐ) っている。曲やアレンジ等、基本的には BLACK SABBATH のラインのドゥームだが、かなりストーナー・グルーヴもあり、ややノイジーあるいはスラッジーなので、その分聴き流されはしにくい音だ。
ヴォーカルはオジー・タイプではなくシャウトしている。
彼らはグラインドコアバンドとして活動を始めた。1998年の1stアルバムから2003年の3rdアルバムまではショートカットな曲を演奏し、もっとも強烈な3rdアルバムでは100曲を収録していた。
6年を置いて、2009年にリリースした4thアルバムでは曲が長尺化して、わずか13曲しかなく、それまでからのファンを驚愕させた。本作はEPではあるが3曲で27分以上を収録していて、重い内容になっている。ちなみに1stフルアルバムは26曲で本作より短く、17:46しかなかった。

AGORAPHOBIC NOSEBLEED は1994年に米国 Massachusetts州 Springfield市で結成した。

本作は2016年(22 January 2016)にリリースされた作品。3曲(27:26)。
本録音におけるバンドメンバーは Scott Hull (guitar, bass), Katherine Katz (vocal, ex-SOLOME) の2人と、 Scott Hull のプログラムによる Superior Drummer (virtual drumkit software) となっている。
現在のバンド・メンバーの Richard Johnson (Vocal) と Jay Randall (Vocal, Noise) は録音には参加していないが、ミックスには参加した。
LABEL: RELAPSE RECORDS (USA)

bandcamp試聴・本作1曲目と2曲目

(コメント:犬丸)

LEFTOVER CRACK - constructs of the state 全曲試聴

SKA-CORE

スカ、メタル、メロコア、さらに勢いのあるグラインドも、ストリートのパンクも、フォーキーな土臭いサウンドも取入れたポリティカル・スカ・クラスト・パンク。
メロディックだが、久しぶりに発表するこの作品では、特にクラスト、ノイズコア的な部分が大きくフューチャーされている。
反ニュー・ヨーク市警のバンドであり、ポリティカルな歌詞や政治経済的な歌詞が多い。

LEFTOVER CRACK は1998年に米国 New York州 New York市 Manhattan区(Borough) Alphabet City隣組(neighborhood)でスタートした。
解散した CHOKING VICTIM のフロントマン Scott Sturgeon (Stza) が録音し残していた曲のホーム・レコーディングから始めたが、メンバーが固まるまでには2年ほどかかったようだ。
初期のメンバーは彼の他、ギターの Brad Logan (F-MINUS), ベースの Alec Baillie (元CHOKING VICTIM), ドラムズの Amery "AWOL" Smith (元SUICIDAL TENDENCIES / BEASTIE BOYS) の4人。

本作は2015年(November 27, 2015)にリリースされた3rdアルバム。13曲(36:57)。
前作は2004年だったので、11年ぶりの新作。
現在のバンド・メンバーは Scott “Stza Crack” Sturgeon (guitar, lead vocal), Alec Baillie (bass, vocals), Brad Logan (guitar, vocals), Chris Mann (guitar, vocals), Donny Morris (drums) の5人。
ゲストは、 OPERATION IVY の Jesse Michaels 、カリフォニアの女声クラスト REIVERS の Kate Coysh がそれぞれヴォーカルで1曲参加している。その他 Penny Rimbaud (CRASS), Erik Petersen (MISCHIEF BREW) 等が参加している。
LABEL: FAT WRECK CHORDS (USA)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

WATAIN - satanic deathnoise from the beyond (4CD) 全曲試聴

BLACK METAL

フランスのブラック・メタル。1stアルバムから4枚目のアルバムまでの4枚組CDセット。

"rabid death's curse" は2000年にフランスの END ALL LIFE PRODUCTIONS (ボーナス・トラック1曲収録のLP) と DRAKKAR PRODUCTIONS (1000枚限定のCD) からリリースされたアルバム。オリジナルは8曲。カセット・テープでのリリースを除くと1stアルバム。
サタニック・メタルと言うのがふさわしい、ノイジーでスラッシーなサウンドの極まり。ギターを初め、録音はシャリシャリと言われる軽い目の音質で、ダークではあるがそれ以上に聴いている者をもエキサトさせる熱狂的な悪魔サウンド。

"casus luciferi" は2003年(Nov 2003)にフランスの DRAKKAR PRODUCTIONS (CD) と NORMA EVANGELIUM DIABOLI (LP) からリリースされた2ndアルバム。8曲。
全体に、1stではあまり聴き取れなかった叙情メロディーも横溢した、邪悪度の高まった作品。

"sworn to the dark" は2007年にフランスの SEASON OF MIST (CD: 19 Feb 2007) と NORMA EVANGELIUM DIABOLI (2枚組LP: 13 Mar 2007) からリリースされた3rdアルバム。11曲。
演奏は音の重みが増し、ヴォーカルも野太くパワフルに聴こえる。スロー・パートを生かして緩急をつけ、構成や展開にも工夫を加えて、ドラマティック度を増している。ややモダンな音作りで、普通のバンドになったとも言えよう。

"lawless darkness" は2010年にフランスの NORMA EVANGELIUM DIABOLI (LP: 14 Jun 2010) と SEASON OF MIST (CD: 07 Jun 2010 / DL: 08 Jun 2010) からリリースされた4thアルバム。10曲。
ファストパートとややスローなメロディーを聴かせるパートとの素早い変化などの緩急の付け方、ストップ・アンド・ゴーに近いような一瞬の音の切れ目等の、高度なアレンジがドラマティックに盛り上げる。また、演奏力など多くの点でグレードの高さを感じさせる、芸術音楽的な作品。
正直言いますと、ワタシ的には1stアルバムが聴いていて一番頭が疲れません。

WATAIN は1998年にスウェーデン Uppsala基礎自治体(kommun)で結成した。
結成メンバーは Bass/Vocals の E. (Erik Danielsson), Drums の H. (Håkan Jonsson), Guitars の P. (Pelle Forsberg), guitars の C. Blom の4人。この内、 C. Blom を除く3人が2015年現在のメンバー。

本作は2015年(October 16th, 2015)にリリースされたCD4枚のボックス・セット。
1st と2ndアルバムには追加曲があり、どちらも9曲収録。
LABEL: SEASON OF MIST (フランス)

Youtube試聴・1stアルバム "rabid death's curse" 全曲
Youtube試聴・2ndアルバム "casus luciferi" 全曲
Youtube試聴・3rdアルバム "sworn to the dark" 全曲
Youtube試聴・4thアルバム "lawless darkness" 全曲
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

MALFUNCTION - fear of failure 全曲試聴

METALCORE

メタルコアの今流行の音とは無縁でありながら、型にはまったサウンドではない。
ギターの音はハーシュでラウドだが、音圧で圧倒するのではない。テクニカルで、ニュースクールとオールドスクールの両方の要素がある。場面ごとにトーンを変える厚みと余韻のある響きは、少しストーナーのバンドに近いかも知れない。
ドラムズも生々しい音に迫力があるが、流麗で変化に富み、テクニックもある。
ヴォーカルはハーシュなガテラル(かすれた感じ)。
ねっとりとしたグルーヴ感とダークネス、ゆっくりした減速や加速など自由な速度変化など、これはただのメタルコアではない。初期の INTEGRITY 程度のドゥーミー/オルタナティヴ/カオティックな感覚が漂っている。セミアコースティックな叙情メロディーから始まるスローなインスト曲の8曲目など、エクスペリメンタルとも言える演奏を聴かせる一面も持っている。しかし同時に、強力なパワーのビートダウンという点ではこのバンドは並のモッシュコアでもない。

MALFUNCTION は2011年夏に米国 New York州 Buffalo市で4人が結成した。
バンド名は CRO-MAGS の曲のタイトルに因んでいる。

本作は2015年(November 20, 2015)にリリースされた。10曲。
バンドメンバーは Zak (Vocal), JD (Guitar), Will (Guitar), Drew (Drums), Cody (Bass) の5人。
Taylor Young (NAILS のドラマーで TWITCHING TONGUES のギタリスト、 XIBALBA のプロデューサー) がミックスし、 Audiosiege (BLACKLISTED, INTEGRITY, POISON IDEA等が使用) でマスタリングした。
LABEL: BRIDGE NINE RECORDS (USA)

bandcamp全曲試聴
Youtube全曲試聴 全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

ROTTEN MIND - i'm alone even with you 全曲試聴

MELODIC PUNK

哀愁を感じさせるキャッチーなメロディーのパンク。
曲はほぼすべてがロックンロールのりを基本とし、哀愁メロディーにあふれている。アレンジはヴォーカル・パートを重視したオーセンティックな物で、パンク・スピリットを感じさせる。
ちょっとハスキーで青春真っ盛りな感じのヴォーカルも、声自体にポップネスと哀愁を同居させている。
のりの良いギターも、どの曲でも哀愁メロディーをたっぷり聴かせる。
演奏自体は適度にラフで聴きやすく、アメリカン・パンク・ロック的なサウンド。 STREET DOGS 等の米国のストリート・パンクの中でもメロディックなバンド(ハードコア寄りのストリート・パンクではない方のタイプ)や、初期の SWINGIN' UTTERS のような FAT WRECK CHORDS のバンドのうちでパンク寄りのバンドを連想させる。

ROTTEN MIND は2014年後半(推定)にスウェーデン Uppsala基礎自治体(kommun)でスタートした。
AGENT ATTITUDE のシンガー Jakob Arvidsson (Guitar, Vocals) を中心とするプロジェクトで、彼の他 AGENT ATTITUDE から2人 Viktor Nordin (Drums), Johan Sverredal (Guitar) が参加している。ベーシストは Jakob Blom という人。
母体となった AGENT ATTITUDE はファストコアからハードコアのバンドで、こちらのバンドほどメロディックではなく哀愁も少ないが、ロックンロールな乗りも持っている。

本作は2015年(25 Sep 2015)にリリースされた1stアルバム。12曲。英語での歌唱。
LABEL: LÖVELY RECORDS (スウェーデン)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。
bandcamp試聴・ AGENT ATTITUDE の作品

(コメント:犬丸)

BRICK BY BRICK - this world, my enemy 全曲試聴

METALCORE / MOSHCORE

写真を見ると、体が本当に大きいわー。しかも全身彫物入り。ワーキング・クラスのメタル・ハードコアを自認する、ヘヴィーで泥臭い、アップ・ステート・ニュー・ヨークのモッシュ・パートたっぷりハードコアのバンド。
ザクザクながら、並のスラッシーなハードコアとは一線を画する、重くてごつごつしたギター。弾いているバンダナのギタリストが多分リーダー格だが、大きい。
録音には本作から参加する新ヴォーカリストも、体と声が大きくて重い。
2ステップからラッピンに自然と移行したり、多くはないがラップ・パートも溶け込んでいる。初期のサウンドは SICK OF IT ALL や AGNOSTIC FRONT の影響が濃かった。1stでは AGNOSTIC FRONT のカヴァーも収録していたが HIP HOP も取り入れていた。

BRICK BY BRICK は2004年に米国 New York州 Troy市で結成した。
当初のメンバーはトロイのローカル・バンド BRUISE BROTHERS のメンバーで2003年に開店したTroy-core の中心となるライヴ・ハウス HUDSON DUSTER のオーナーの Mike Valente (guitar), 357 JUSTICE の Rory O'brien (drums), Sean Green (bass) and Rich Roberts (vocals) の4人。
ヴォーカルには2014年から Ray Mazzola (FULL BLOWN CHAOS) が参加している。

本作は2015年(Friday the 13th of November)にリリースされた4thアルバム。10曲(32:19)。
アーティスト STRESS THE WHITE BOY (S.T.W.B.) としても活動する Jeff Davis (FREDDY MADBALL, REEF THE LOST CAUZE 等のプロデュースまたはエンジニア) がプロデュースした。この人は顔まで彫物入り。
LABEL: EULOGY RECORDINGS (USA)

Youtube試聴・本作1曲目"These Streets"
ololo.fm試聴・本作2曲目"In Memory"
ololo.fm試聴・本作3曲目"Burden of Life"
ololo.fm試聴・本作4曲目"No Regrets"
ololo.fm試聴・本作5曲目"Prove You Wrong"
Youtube試聴・本作6曲目"Last Breath"
ololo.fm試聴・本作7曲目"Space Truckin'"
ololo.fm試聴・本作8曲目"Hatebreedsrage"
ololo.fm試聴・本作9曲目"Final Cry"
ololo.fm試聴・本作10曲目"Brohym"

(コメント:犬丸)

POISON TONGUES - for freedom's sake... 全曲試聴

MOSHCORE

重さを保ったまま疾走するファスト・パートからざくざくのミドル・テンポのパート、何気なく突入するヘヴィーなビートダウン・パートまで、ベテランらしいスムーズな展開。
タフなヴォーカルの軽々と叫ぶような歌唱に、タフな感じのシンガロングが応報する。
ギターのリフもメロディーが豊富で、コンパクトなソロも挟んで多彩な展開。
結成の中心となった Lenny Adams は90年代のハードコアからのインフルエンスとそれに対するリスペクトが大きい。

POISON TONGUES は2010年位に米国 Michigan州 Detroit市で5人が結成した。
シンガーは ex-EARTHMOVER, ex-CAST IN FIRE, NIGHTBRINGER の Lenny Adams で、彼以外はメンバー・チェンジを繰り返してきたが、 ALLIANCE, WITHOUT WARNING, ALL MY BLOOD 等の元メンバーが参加していた(いる)様だ。

本作は2015年(Friday, October 30)にリリースされたEP。4曲。
現在は、ヴォーカルが Len Adams, ギターが Michael Eckert と Shmoe, ドラムズが Justin, ベースが Andrew の5人。本作は Mike Eckert がプロデュースした。
LABEL: FAST BREAK! RECORDS (USA)

soundcloud全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

WORLD BE FREE - anti-circle

YOUTH CREW HARDCORE

メンバーを見ると TERROR が2000年代結成のL.A.のバンドなので、 TERROR の Scott Vogel (1973年5月5日生まれ)辺りが他のメンバーと印象が異なるが、彼が TERROR 以前に参加していた BURIED ALIVE は90年代の N.Y.州 Buffalo のバンドだったので、それほど歳や活動暦も違わないのかも知れない。もう1人 ex-DESPAIR のメンバーがいるが、後3人は STRIFE, YOUTH OF TODAY, GORILLA BISCUITS, JUDGE 等に参加していた人たちだ。
サウンドはこちらの3人の方から想像される様な、もろに正統的なユース・クリューの伝統を感じさせる音だ。演奏はエナージティックで緩急の変化があり、ダイナミックだが程々であって極端ではない。他の点でも同様で何かを強調する事はなく、自然体と言った所だ。軽くロックンロールするようなグルーヴがあったりもする。
ヴォーカルもまた自然体と言う言葉がふさわしく、サウンドとしっかり一体化している。
また、 "Shake the Ghost" のミュージック・ヴィデオでドラマーの Siegler がライオンであったりする。音楽的にはまったくストレートだが、この様なメンバーが個性を主張しすぎない所と、ほのかに余裕を感じさせる所が、ベテランの彼らにしか出せない味わいになっている様に思える。

WORLD BE FREE は2014年秋に米国で結成した。
結成メンバーはヴォーカルが Scott Vogel (TERROR, BURIED ALIVE, DESPAIR), ギターが Andrew Kline (STRIFE) と Joe Garlipp (DESPAIR), ベースが, Arthur Smilios (GORILLA BISCUITS), ドラムズが Sammy Siegler (YOUTH OF TODAY, GORILLA BISCUITS, JUDGE, RIVAL SCHOOLS, SIDE BY SIDE, GLASSJAW, CIV, BOLD, SHELTER, PROJECT X) の5人。

本作は2016年(Feb 5, 2016)にリリースされた1stアルバム。14曲。
録音は Hurley Recording Studio で、ミックスとヴォーカルの録音は TERROR のドラマー Nick Jett が彼の Hydeaway スタジオでした。
ゲストは8曲目のヴォーカルで Walter Schreifels (RIVAL SCHOOLS, QUICKSAND, GORILLABISCUITS) が参加している。
LABEL: REVELATION RECORDS (USA)

soundcloud試聴・本作1曲目"World Be Free"
Youtube試聴・本作2曲目"Shake the Ghost"
Youtube試聴・本作6曲目"Breakout Or Busted"

(コメント:犬丸)

AVIS の2016年の予定です

2016年1月10日に店頭に掲示したご案内のコピーです。
以前のお知らせをご覧頂いていないと判りにくい所があるかもしれません。その場合はこちらの お知らせ一覧ページ をご覧下さい。


米国は新譜が激減していて、米国への発注は以前は1ヶ月に2回、もっと以前は週1回でしたが、現在3ヶ月に1回まで減少しています。

英国も例年12月前(10月位から)は年末商戦に向けた駆け込みの新譜が増える時期ですが、今年はそれほどでもなかった感じで、そろそろ新譜が減ってきているのかも知れません。新譜の標準的な価格が以前は£5.50ぐらいだったのが、昨年秋位から£7.50ぐらいに移ってきたようです。価格が引上げられる例もあるものの、今回はそう言う事ではなく、価格の安かったレーベルが新譜を出せず、高価格のレーベルからしか新譜がでない状況になってきているように思います。英国への発注は以前は1ヶ月に1回でしたが、現在3ヶ月に1回まで減少しています。米国より発注する枚数は多いのですが、送料等の関係で量をまとめての発注になるため、発注回数は現在米国と同じです。

米国については、新譜が少なくて発注の量がなかなか1回分までまとまりません。
英国については、価格が高すぎて発注の量がなかなか1回分までまとまりません。

昨年12月に英国に発注していますが、今後2月ごろ米国に、3月以後英国に、その後できればもう一度米国に発注して、大口の発注は終わる予定です。以後大口ではない取引先への発注は随時行いますが、これらは NON EXCLUSIVE オンリーのワンストップ・ディーラー(又卸し専門の何でも屋さん)になりますので、当店が安く提供出来ていたもの(得意としていた物)は原則的には入らなくなります。

2016年1月10日 (お知らせ:犬丸)

補足:
ワンストップ・ディーラーから入れていた分は当店の主力ではないと言えますが、メインの取引先から入荷できないのをわざわざ割高なことが多いワンストップ・ディーラーから入れていたと言う事からすれば、それなりに重要な物が多かったかも知れません。これについては当面入荷を続けます。ただ全体としてはあまり安くない物が多くなって来る訳で、売行きを見て徐々に入荷を止めて行く事になるのじゃないでしょうか。「ないでしょうか」って人事みたいですが、売行きで必要性を判断する訳なので、私にも予測困難です。ゴメンなさい。

INSVRGENCE - every living creature dies alone 全曲試聴

METALCORE

強固なリズムとメタリックでヘヴィーなギターにエクストリームなグロウルの、モダンなビートダウン・カオティック・メタルコア。サウンドは ACACIA STRAIN を髣髴させる。
ギターはダウンチューニング、不協和音を用いて、テクニカルなスタイル。
ヴォーカルはグロウル(デス声)だがデス・メタル色はあまり感じさせず、パンク色もない。
ドラムズは小刻みなブラストやファスト・パートからビートダウン・パートまで変化も多様で、テクニカルかつダイナミック。
楽曲や展開は整合性が高く、メロディックな部分(6曲目など)もある。歌詞はポリティカル。
テクニカルなカオティック・メタルコア~モダンなビートダウン・ハードコアだ。

INSVRGENCE は2011年に米国 Texas州 Pflugerville市で2人が始めた。
結成メンバーはいずれもポップ・パンク・バンド SET FOR DEFEAT のメンバーで、ヴォーカリストの James Wendt とギタリストの Rafe Holmes 。 SET FOR DEFEAT のドラマー Ryan Brookshire も一時参加した。
2年半後には Drew Walker がギターで Jacob Mercado がベースで Dave Applebaum がドラムズで参加し、アルバム "tower" (8曲) を作った (現在 ITUNES と SPOTIFY でダウンロード販売)。

本作は2015年(October 30, 2015)にリリースされた1stフルアルバム。フィジカル・リリースではデヴュー作となる。13曲。
ゲストは12曲目でヴォーカルにメロディック・エモメタル・バンド NO BRAGGING RIGHTS の Mike Perez が参加。
LABEL: INNER STRENGTH RECORDS (USA)

Youtube試聴・本作1曲目"Manifesto"
ololo.fm試聴・本作2曲目"Fate"
Youtube試聴・本作3曲目"Treason"
Youtube試聴・本作4曲目"Social Darwinism"
ololo.fm試聴・本作5曲目"What It Means To Be Human"
ololo.fm試聴・本作6曲目"Robber Barons"
ololo.fm試聴・本作7曲目"End Transmission"
ololo.fm試聴・本作8曲目"Mafia Wives"
ololo.fm試聴・本作9曲目"Superiority Complex"
ololo.fm試聴・本作10曲目"After Life"
ololo.fm試聴・本作11曲目"Birth Rights"
ololo.fm試聴・本作12曲目"Fed To The Wolves"
ololo.fm試聴・本作13曲目"Every Living Creature Dies Alone"

(コメント:犬丸)

GO DEEP - influence 全曲試聴

METALCORE / NEW YORK HARDCORE

米国の裏世界の伝統を纏め上げたようなメタルコア。昔のモダン・ヘヴィー(ニューメタル)的なグルーヴがあるが、でもちょっと違っていて、 SUICIDAL TENDENCIES から始まって、ラップ要素入りのモッシュコアを経過してきた、オールド・スクールなメタルコアといった物、つまり、米国の都会の裏側にしっかり根を生やしたような土着性を感じさせる。
BACKTRACK から MODERN LIFE IS WAR 程度にメロディックな楽曲とエモーショナルなヴォーカルを聴かせるが、ミドル・テンポの不穏さを漂わせるグルーヴ感と、ちょっと悪い雰囲気が彼ら独特の素晴らしさだ。これは楽曲からヴォーカル・スタイルやコーラス等の全般に言える事だが、特に重いリズム・パートがこのバンドの悪い雰囲気を高めている。
2ステップや、多くはないがビートダウン・パートもある。

GO DEEP は2013年に米国で結成した。
結成メンバーはシンガーの Kris Kneale と当時ポップ・パンク・バンド BACKWASH のドラマーであった Danny Rico の2人。本拠地は New York州 New York市 Kings区(通称Brooklyn)。
2013年に友人であった2人は1晩でハードコア・アルバムを作ることにした。この思いつきから始まったが、ライヴ・メンバーを集めて活動をはじめ、2013年に Rico が全楽器を演奏してデヴュー作 "counseling" (7曲)を完成させた。

本作は2015年(November 6, 2015)にリリースされた1stアルバム。11曲。
録音は Courtney Ballard (ALL TIME LOW, ESCAPE THE FATE) が、ミックスは Danny Rico が、マスターは Jay Maas (DEFEATER, COUNTERPARTS, TITLE FIGHT) がした。サウンドに占めるドラムズの存在感は大きく、フロントマンよりも Rico がこのバンドのキー・パーソンかも知れない。
LABEL: 6131 RECORDS (USA)

bandcamp全10曲試聴(4曲目の"Antidote"がありません)
soundcloud全11曲試聴
Youtube全11曲試聴 全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

NYX - home 全曲試聴

BLACK METAL

コールドなサウンドにがなり声絶叫の本格的なブラック・メタル、だけではなく、しばらく聴いているとパンキッシュともいえるアヴァンギャルドな女性ヴォーカルが入ってきたりもする。じつは、がなり声絶叫も女性だ。
楽曲や演奏面では、本格派のブラック・メタルのパートをベースとして、アトモスフェリックな浮遊感のあるエクスペリメンタルなパートと、エナージティックなエクストリーム・メタル感覚の激しいパートを融合させて、不思議に調和している。
ヴォーカルも、本格的なブラック・メタルの歌唱がメインとは思うが、少しチャント的なコーラスや、演劇感覚の科白(せりふ)的なヴォイス等を導入して、形に囚われない自由なスタイルを持っている。

母体となるバンド VAE TERTIUM は2006年にドイツ Hesse州 Giessen市で結成した。
現在(2015年12月)のメンバーは男女各2人の4人編成。
NYX は2011年に VAE TERTIUM の現在のメンバーの内の女性2人が結成した。
Drums/ Vocals/ Percussions が Blitz, Guitars (lead)/ Vocals/ Bass が Vinterbarn の2人で、ライヴでは K という女性がベースを担当している。

本作は2015年(October 30th, 2015)にリリースされた1stアルバム。9曲(43:22)。
本作は ENTHRONED (2006年から参加)や EMPTINESS (1998年の結成から参加)で Bass/ Vocals を担当するベルギー人 Phorgath (Jeremy Bezier)がプロデュース/録音した。
LABEL: AGONIA RECORDS (ポーランド)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

MORTALICUM - eyes of the demon 全曲試聴

DOOM METAL / HEAVY ROCK / HARD ROCK

タイプとしては BLACK SABBATH を継承する本格ドゥーム・メタル。リズム面では、サザン・ロック・タイプで多い様なブーギー・リズムなど、乗りの良い部分もあり、いろいろな点で WITCHFINDER GENERAL、TROUBLE 等を髣髴させるとも言われている。
ヴォーカルは若々しくなったオジーがのびのび歌うよな、ほぼクリーン・ヴォイスのみで、メロディーを生かした幾分歌い上げ気味の歌い方。ドゥーミーだが、意外と爽やかだと思う。
全体的には本格ドゥーム・メタルだとは思うが、曲によっては、曲調そのものが普通のハード・ロック寄りに聴こえる物 (3曲目など) もあり、濃厚なドゥーム至上主義の人は慎重に判断してほしい。

MORTALICUM は2006年始めにスウェーデン Sundsvall基礎自治体(kommun)でPatrick Backlund がスタジオ・プロジェクトとしてスタートさせた。
Patrick Backlund は1993年結成のエピック・メタル・バンド QUICKSAND DREAM でベースとギターを担当していた。当初、 MORTALICUM では彼が全パートを担当していた。
2008年、ヴォーカリスト Robert Wiklander が加入し、以後、ドラムズは Backlund と Wiklander が分担した。当時はハードロック寄りのドゥーム・メタルだったと言う (私には今もその傾向に聴こえる)。
2007年、リード・ギターの Henrik Hogl とリズム・ギターの Mikael Engstrom が加わり4人のバンドになった。
2008年、ドラマーとして Andreas Haggstrom が加り5人になった。
2009年、ヴォーカルの Robert Wiklander が脱退し、リード・ギタリストがヴォーカルを兼任する4人のバンドになった。それまでよりヘヴィーなドゥームとなり、メロディックになり、 GRAND MAGUS とも共演した。
2010年に METAL ON METAL RECORDS から1stアルバムがリリースされた。2011年には IRON VOID 等と、2012年には BLACK, HOODED PRIEST 等と共演した。
2013年、リズム・ギター Mikael Engstrom が脱退して3人のバンドになった。

本作は2015年(April 25th, 2014)にリリースされた4thアルバム。10曲(45:08)。
バンド・メンバーは前作と同じ3人。
METAL ON METAL RECORDS (イタリア)

ololo.fm試聴・本作1曲目"King Of The Sun"
Youtube試聴・本作2曲目"Eyes of the Deman"
ololo.fm試聴・本作3曲目"Iron Star"
ololo.fm試聴・本作4曲目"Beneath the Oak"
ololo.fm試聴・本作5曲目"Mars"
ololo.fm試聴・本作6曲目"Lost Art of Living"
ololo.fm試聴・本作7曲目"Dream Goes Ever On"
Youtube試聴・本作8曲目"Room of No Light"
ololo.fm試聴・本作9曲目"Distant Brave"
ololo.fm試聴・本作10曲目"Onward in Time"

(コメント:犬丸)

DEVIL IN ME - soul rebel 全曲試聴

METALCORE / NEW YORK STYLE HARDCORE

オールド・スクール・ミーツ・ニュー・スクールなメタリック・ハードコア。
モッシーでダンサブルなオールド・スクールの音楽性と、パンク・アティチュードを強く感じさせるアンセミックな音楽性が中心だが、本作ではビートダウンが少なくなっている。そのほか、モダン・ヘヴィーなグルーヴのある音や、US ハードコア~カリフォニア(オレンジ・カウンティー)・ハードコア的なはじけるような軽快な音をミックスしている。彼らは BAD RELIGION や SUICIDAL TENDENCEIS にもインフルエンスされたと言っている。
多用されるシンガロングはアンセミックだがエモコア的な面もある。
曲には、キャッチーなメロディーをたっぷり盛り込んでいる。
ヴォーカルはいかついシャウトで熱い。
ギターはメタリックでザクザク刻み、シンプルな方だが、短いながらソロも聴かせる。

DEVIL IN ME は2005年初めにポルトガル Lisboa市で5人が結成した。
結成メンバーはヴォーカルの Poli (現在まで), ドラムズの Rodrigo (2005年まで), ギターの Mike Ghost (2005年まで), ベースの Joao "Bolo Rei" Saldanha (2011年まで)の4人。

本作は2015年(NOVEMBER 20th 2015)にリリースされた4thアルバム。11曲。
現在 IMPERICON のサイトでは11曲ですが、曲順違いで Intro を独立したトラックとして12曲としているデータもあります。
バンド・メンバーは5人。 Poli 以外のメンバーは、ドラムズが Carlos, ギターが Matos と Pedro の2人, ベースが Jonathan となっている。
前作から5年ぶりの新作。
LABEL: IMPERICON (uk)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

XPUS - sanctus dominus deus sabaoth

BLACK METAL

重たくスロー・テンポが多く、ラウドなウォー・ブラック・メタル。音楽センスは PROCLAMATION に似ているが、よりスロー・パートが多く、音が重くてブルータルなので迫力もあり、結構、その手のマニアでなくても楽しめるだろう。
元の声はかなりだみ声のようだが、エコー(厳密にはリバーブ)がかけられ、低音を強調された、野太いヴォーカルが咆えるがごとき歌い方。
もう一つの特徴はトコトコと原始的なドラムズの響き。
曲は比較的スロー・テンポで短いブラストも入り、ブラッケンド・デス・メタル的な曲も多い。曲調や展開には変化が少なく、ヴォーカルやドラムズの演奏ともども、ひたすらダークで邪悪な音で満たされている。この点ではえぐい。

XPUS は2015年にイタリア Lombardy州 Bergamo市で結成した。
現在のバンド・メンバーは "L" (Drums), Mornak (Guitars), Aren (Vocals, Bass) の3人。

本作は2015年(Ukraine;North America;South America:12/11/2015, Italy;Japan:13/11/2015, Worldwide:14/12/2015)にリリースされた1stアルバム。10曲(37:42)。
LABEL: METAL SCRAP RECORDS/ANOTHER SIDE RECORDS (ウクライナ)

bandcamp試聴・本作から3曲
Youtube試聴・検索結果 (適当に選んで聴いてください)

(コメント:犬丸)

ARKAIK - lucid dawn

DEATH METAL

ちょっと地味ながら、テクニカル・デス・メタル。
高速のピロピロで上昇下降するギターがテクニカルだが、目立ったソロなどは披露していない。
変則リズムを入れているが、ドラムズはドスンドスンと野生味のある音を出す。
ヴォーカルは比較的いかついグロウルで安定している。
どのパートもテクニカルかつ安定感が高い。一応ブルータルでモダンなサウンドということになるだろうが、極端な部分はなく、王道的なテクニカル・デス・メタルだ。
曲には多少メロディックな部分もあるが印象に残る程ではなく、ドラマティックな部分・展開などもないので、この音そのものが本当に好きな人向きという事になるだろう。

ARKAIK は2004年に米国 California州 Riverside郡(County)で結成した。
結成はシンガーの Jared Christianson (本作現在まで参加)とギターの Chance Strickland (2014年まで参加)が、革新的で創造的 (innovative and creative) なデス・メタルを目標として行った。

本作は2015年 (October 30th, 2015) にリリースされた4thアルバム。10曲(53:37)。
バンド・メンバーは5人。ベースの Eric Cohen は脱退して ANNIHILATED に参加していて、前作3rdから ex-BRAIN DRILL で現在は DEEDS OF FLESH にも参加している Ivan Munguia に代わっている。この人とドラマー Alex Hernandez-Bent は前作からのメンバー。
リード・ギターの Craig Peters は脱退して DEEDS OF FLESH に参加していて、本作からデスコア・バンド SUFFOKATE の Miguel Esparza に代わっている。リズム・ギターの Chance Strickland は脱退して、本作から Greg Paulson に代わっている。ギターのこの2人が本作からのメンバー。
シンガーのみが結成メンバー。
本作は Zack Ohren (SUFFOCATION, DECREPIT BIRTH, ALL SHALL PERISH 等のプロデューサーまたはエンジニア) が SHARKBITE STUDIOS でエンジニア、ミックス、マスターした。
LABEL: UNIQUE LEADER (USA)

Youtube試聴・本作2曲目"From the Void"
Youtube試聴・本作4曲目"That Which Lies Hidden"
Youtube試聴・本作5曲目"Awaken the I"
Youtube試聴・本作6曲目"Fleshwalkers"

(コメント:犬丸)

HOLY DEATH - triumph of evil? 全曲試聴

BLACK METAL

ポーランドの初期のブラック・メタルの主要バンドの一つ。
ポーランドの初期ブラックとしては BEHEMOTH と同時代だが、楽曲や音質が全般にドゥーム寄りで、アレンジには常識に囚われるだけではない、エクスペリメンタルと言っても良い部分もある。1曲目などのアゲアゲなプリミティヴ・ブラック・メタル寄りの部分も聴かせ所だが、多くの曲はスロー目で、ドゥーミーで妖しい(と言うより怪しい)曲も多い。SE (Sound Effect=効果音)ではあるが4曲目の始まりなど、また6曲目1分半辺りのキーボードなどはエクスペリメンタルに聴こえる。
ヴォーカルはぎゃあぎゃあわめき声タイプの部分もあるが、録音が篭(こも)り気味で定位感もないため、やかましさや熱さは感じさせない。録音については、私としてはこの作品に適した音質だと思いますが、意見は分かれるかもしれません。ヴォーカルにはドスの利いた低音もあり、不気味~邪悪な感じを出している。
キーボードは「冷厳さ」の一歩手前ぐらいで、コールドであると同時にメロディックでキャッチーな感じも出している。
ヴォーカルとキーボードがこのバンドでは目立つが、ギターも適所でふさわしいアレンジのソロやリフを入れている。
本作は一応1stアルバムとされているもののデモに近いものだが、演奏はしっかりいている。全般にアレンジも丁寧になされていて完成度が高い。

HOLY DEATH の前身となるバンド GLADIATOR は1989年にポーランド Małopolskie県 Kraków市で結成を始めた。
結成メンバーは Necronosferatus Guardian Luciferis (keys, vox) と Apocalyptic Hellhammer (guitar / drums) の2人。彼らは "most blasphemous and dark band" を目指した。
2人は HOLY DEATH のバンド名で1993年に最初のデモ "Megido" を METAL NIGHTS より発表。
1994年初めには Asphodelus (bass) が参加して、8曲(56:00)収録のカセット・アルバム (2ndデモ) "Abraxas" をポーランドの BARON RECORDS (CHRIST AGONY のCDをリリースしているレーベル)より発表。

"triumph of evil" (本作)は1996年に BARON RECORDS からカセット・テープでリリースされた1stアルバム (3rdデモ)。6曲(44:54)。
本作がデモ・テープなのか、1stアルバムなのか、2ndアルバムなのかは判断が難しいが、普通は1stアルバムまたは3rdデモとされている。
バンド・メンバーは、結成メンバーの Necronosferatus Guardian Luciferis と、1994年作から参加しているベーシストの Asphodelus (本作まで), 新加入のドラマー Daren (解散まで), 新加入のキーボーダー Exterminas (1997年のデモまで) の4人。
この作品はカセット・テープと同じ1996年に HEAD NOT FOUND からCD化されているが、バンドは正規盤とは認めていない。正規のCD化は2003年の SIGN OF GARAZEL PRODUCTIONS が最初で、このヴァージョンからタイトルが "triumph of evil?" になった様だ(最後に?マークがついた)。

こちらは2015年(September 18th, 2015)にリリースされた再発盤。9曲。
タイトルは "triumph of evil?" で、未発表の1996年のリハーサル音源が3曲追加されている。
LABEL: WITCHING HOUR PRODUCTIONS (ポーランド)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

HALLAS - hallas (s/t)

PROTO-METAL / HEAVY ROCK / MELODIC PROGRESSIVE ROCK / PSYCHEDELIC ROCK

プロトメタル・バンド。プロトメタル (proto-metal) はブルーズ・ロックにサイケデリック・ロックを加えた物。ジャンルの成立は CREAM や JIMI HENDRIX EXPERIENCE に大きな影響を受けたと言われ、最近ではレトロ・ヘヴィー・ロックとのつながりも大きい。
ヴィンテージな音が心地良いバンドだが、70年代へヴィー・ロック・タイプのバンドで一般的なくすんだ音よりは、柔らかい感じがする。
ストレートな声のちょっと頼りない感じがサイケデリックな印象を与える。つまり、軽くストーンしている様な怪しさ。そしてギター等の演奏の音も声の印象も、少し明るい目。この辺りの印象は聴き手によって違うかも知れない。試聴可能なら、ぜひ試聴してみてほしい。

HÄLLAS は2011年にスウェーデン Jönköping市で結成した。
本作制作に入るまでのメンバーは、Tommy Alexandersson (Bass & Vocal), Alexander Moraitis (Guitar), Kasper Eriksson (Drums), Marcus Pettersson (Guitar) の4人。

本作は2015年にリリースされた1stアルバム。4曲。
本作は Nicklas Malmqvist (Linköping市の人) がプロデュースしたが、製作過程でキーボードを加えた方が言いと言う事になり Malmqvist 自身がそれを担当した。そのため当初の告知などではメンバーは4人だったが、現在では、 Nicklas Malmqvist が正式にメンバーとなり、5人のバンドとなっている。オフィシャル・サイト (Facebook) では、バンドの本拠地も Jönköping / Linköping になっている。
LABEL: SIGN RECORDS (スウェーデン)

Youtube試聴・本作1曲目"Autumn In Space"
bandcamp試聴・キーボード参加前の2014年の音源 "Through the system" (本作には収録されていません)

(コメント:犬丸)

EXTREME NOISE TERROR - self titled (extreme noise terror) (s/t) 全曲試聴

GRINDCORE

原点回帰と言う事だが、バンド最初期のクラストと言うより、やはりグラインドの事の様だ。
かなりいかつい。演奏はギターを中心にかなりメタリックに聴こえるし、ハーシュでもある。
野太い声のヴォーカルが、小細工のない直線的な歌い方で、特にいかつい。
そういう演奏とヴォーカルの、ごつごつとした音の塊が聴き手の顔に向かって飛んで来る。音はメタリックだが、パンクのマインドを感じさせて、この作品ではデス・メタルは連想させない。
告知によれば、日本盤 (MCR COMPANY) には約36cmx24cmの6つ折りポスター型日本語訳/裏面はJHONIO (GLOOM) 書き下ろしデザインが付いている。(こちらは輸入盤なのでこれは付いていません。)

EXTREME NOISE TERROR は1985年に英国イングランド Suffolk郡 Ipswichバラ(Borough)で結成した。
結成メンバーはシンガーの2人 Dean Jones と Phil Vane 、及びギタリスト Pete Hurley, ベーシスト Jerry Clay, ドラマー Pig Killer で、デュアル・ヴォーカルの5人編成。
初めはクラストコアのバンドとして結成していて、バンド名も LARM の "extreme noise" スタイルや、それに基づいて LÄRM がアルバム (アナログLP)のインサート(挿入されている紙カード)で自らを "Extreme Noise Terrorist" と呼んでいた事に因んでいる。
Phil Vane は1999-2006年の間を除いてほとんどの期間参加していたが、2011年2月17日に、ベッドで睡眠中に、虚血性脳血管障害 (Cerebral Vascular Accident) により死亡しているのが発見された。

本作は2015年(7th of December 2015)にリリースされた6thスタジオ・アルバム。13曲。
本作は2014年から2015年に録音されている。新ヴォーカリストが加わっていて、本作でも今まで通りに、デュアル・ヴォーカルを聴かせている。
基本的な録音メンバーは、ただ1人になった結成メンバーの Dean Jones (Vocals), 2005年加入の Ollie Jones (Guitar), 2012年加入の Andi Morris (Bass), 2014年加入の新ヴォーカル Ben McCrow (Vocals), 2011-2014年の間参加していた脱退済みの Barney Monger (Drums) の5人程度だ。また、2001-2010年と2011-2014年の間参加していた脱退済みの Paul "Woody" Woodfield (Guitars) も録音に参加している(一部)。ゲストには、リード・ギターで Kody Minus (シンガポールのハードコア・バンド MINUS のメンバー)が参加している。
日本の OUTO の "I Like Cola" のカヴァー "I Like Coca" を収録。日本の MCR COMPANY を初め、イタリアの AGIPUNK, 米国の WILLOWTIP, 英国の GRAVE WAX RECORDS 等からリリースされている。英国の GRAVE WAX RECORDS は ex-CONDEMNED のシンガー (2000-2011年)で、今は ZOMBIFIED の Pete Clarke のやっているレーベル。
LABEL: GRINDSCENE RECORDS (UK) / GRAVE WAX RECORDS (UK)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。
Youtube試聴・MINUS (from Singapore) 国分寺モルガーナ 2014/10/19

(コメント:犬丸)

ABATUAR - vejacion de la bestia / fosa comun 全曲試聴

DEATH METAL

ベスティアル・ブラック・メタル。
ブラスティングのリズムも、スペイン語歌唱のヴォーカルも熱い。 PROCLAMATION 等のような、ロウなブラック・メタル~グラインディング・デス・メタル。
緩急の切れもよく、音質面でのロウネスも程々なので、結構ダイナミックで聴き応えもある。リズムが腹に響き、ベスティアル・ブラック好きなら体を動かしたくなるだろう。
前半3曲の方が音質が良いように思うが、後半の方がややドゥーミーなダークさやゴア・グラインドの要素 (ガテラル・ヴォーカルなど) が入るので、好き好きなのかも知れない。
"bestial" は "Like a beast" (獣のような) の意味だが、タイトルにある "bestia" はスペイン語で "beast" なので、バンド自身ベスティアル・ブラック・メタルをかかげていると考えて良いだろう。単純な音楽性だが、だからこそ強い。

ABATUAR は2013年にヴォーカルとドラムズの Cadaver (Jose Miguel Quintero) がスタートさせた。
デモのセッション・メンバーである2人を加えた、3人編成とも書かれているが、現在の Bandcamp の1stデモのオフィシャル・ページでは、 Cadaver のみが正メンバーとされている。

"vejación de la bestia" は2004年(24 March 2014)にパナマの LÓGICA CIEGA からリリースされた1stデモ。3曲(9:09)。
100本限定のカセット・テープだった。
バンド・メンバーは Cadaver のみで、Session・メンバーとして、リード・ギターで Yigo Manzo (ATROFIA, HATROSS), ギターで Anibal Jr Sucre (ABERRANTE, HATROSS) が参加している。 Rodrigo Enrique Manzo (HATROSS, JUVENTUD PODRIDAのメンバー) が録音とミキシングをした。

"fosa comú:n" は2015年(November 23rd, 2015)にパナマの PUS Records からリリースされた2ndデモ。5曲。
こちらもフォーマットはカセット・テープ。
前作と同じ2人、 Yigo Manzo と Anibal Sucre がセッション・メンバーとして参加している。

"vejacion de la bestia / fosa comun" は2015年にリリースされた1stアルバム。8曲(22:55)。
先に述べた2作のデモを収録している。
LABEL: DUNKELHEIT PRODUKTIONEN (ドイツ)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

MYSTIFIER - goetia deluxe edition (2CD) (HAMMERHEART RECORDS 2015) オリジナル全曲試聴

BLACK METAL

初期のブラック・メタルとして、日本でも重要視され、カルトと捉えられている。しかし、ロウなアンダーグラウンド性だけではない点も注目される。
スラッシュ・メタルを基にした疾走感の上に、ブラック・メタルの邪悪性を加えた、いわゆるサタニック・メタル。
邪悪性は、そのダークでメロディックな楽曲や、ロウでダーティーな演奏のサウンドによる所と共に、同様にロウでダーティーなヴォーカルによる所も大きい。
ギターを中心にシャリシャリのサウンドで疾走する、ヤケクソなパートと、ヴォーカルがのたうつ様なメロディーを歌う、ドゥーミーなスロー・テンポのパートをミックッスした展開。しかし2つのパートが分離しているのではなく、このバンドはかなり自由自在に速度変化を行っている。
この作品はロウなだけでない事も注目される。録音がいくらかこもり気味のせいもあってだろうか、ヤケクソの疾走パートがあまりラウドでなく、それ以外の面が目立つ。具体的には、オカルティックな感じ(ゴシッキーな感じ)の強い曲が多く、ほとんどの曲がオカルティックに、時にはスペーシーに始まる。ドゥームっぽい曲もある。所々でメロディックなギター・リフも取り入れられていて、邪悪性が強い印象を与える。ヴォーカルにエフェクトをかけている曲がある。ギター・リフには進化の予兆のような、コールドな感じの部分もある。
次作はさらに違った要素、オペラや演劇を思わせる要素まで取り込み、革新的な作品になっている。

MYSTIFIER は1989年にブラジル Bahia州 Salvador市で結成した。
1989年のメンバーは、ベーシスト(2000年からギター担当にシフト)の Beelzeebubth (2015年現時点で唯一のオリジナル・メンバーとして在籍中), ドラマーの Lucifuge Rofocale (1998年まで), ギタリストの Behemoth (1994年まで), シンガーの Meugninousouan (1992年まで) の4人。

本作は1993年(June 19th, 1993)にフランスの OSMOSE PRODUCTIONS からリリースされた2ndアルバム。オリジナルは9トラック(56:02)。

こちらは2015年にリリースされた再発盤。2枚組。全20曲(トラック)。
ディスク 1 はオリジナルのアルバム。オリジナルではトラック8に収録されていた2曲が、このヴァージョンでは分割してインデックスされているため、表示は10トラック。
ディスク 2 はライヴを10曲収録。これらのライヴは、1990年に Metal Rock Festival (Sao Vicente, Bahia) で、同じ年に Pacha Club (Salvador, Bahia) で、1994年に Garage Art Cult (Rio de Janeiro) で収録された。彼らの90年代のライヴは、今の所 Youtube でも見つからない貴重なもの。
LABEL: HAMMERHEART RECORDS (オランダ)

Youtube試聴・LIVE を除く全曲試聴(今回のヴァージョンの DISC 1 のみ)
song365試聴・LIVE を除く全曲試聴(今回のヴァージョンの DISC 1 のみ)

(コメント:犬丸)