LAST MINUTE TO JAFFNA - volume ii 全曲試聴

DOOM

アンビエント・ドゥーム。それだけではないが、「静」と「動」を対比的に展開している。
「静」の部分を中心に、アンビエントであると共に、インディー・ロックからポストロック的な音を出している。オルタナティヴ、時にエクスペリメンタルという感じもある。一方の「動」の部分を中心に、比較的にスラッジーとも言えるやや轟音的なヘヴィーな音を出していて、グルーヴ感もあり、ニューメタルっぽくも聴こえる。
一応アンビエント・ドゥームと書いたが、アンビエントでない部分も多い。

LAST MINUTE TO JAFFNAは2005年にイタリア Piedmont州 Turin自治体で結成した。

本作は2005年(March 2nd, 2015)にリリースされた3枚目のアルバム。8曲(1:10:32)。
本作収録曲のリ=アレンジ等を収録した「volume iiiと」いうアルバムが先行して(1年余り前)発売されているが、「volume iii」は編集盤のため、オリジナルのスタジオ・アルバムとしては本作が2ndになる。メンバーは4人ぐらい。
LABEL: ARGONAUTA RECORDS (it)

bandcamp全曲試聴
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(コメント:犬丸)

TOME OF THE UNREPLENISHED - innerstanding 全曲試聴

ATMOSPHERIC BLACK METAL

叙情的なアトモスフェリックな音、ちょっと厚みのあるトレモロなどに、少しスペーシーな音やエクスペリメンタルな音を加えたポストブラック・メタル~アトモスフェリック・ブラック・メタル。
叙情的で綺麗な音だが、アトモスフェリック・ブラックの中ではやや厚めのパワーのある音が持ち味だろう。オフィシャル試聴サイトには、アトモスフェリック・ブラック・メタルに加えて、コズミック・ブラック・メタル、サイケデリック・ブラック・メタルのタグもつけられている。
試聴が2曲目からかかる設定になっているようだが、よほど時間がない人以外は1曲目から聴いてもらったほうが良いだろう。

TOME OF THE UNREPLENISHEDは2012年にキプロス共和国の首都Λευκωσια(=北キプロス・トルコ共和国の首都Lefkosa)でHermesがスタートさせた一人バンド。
この人はギリシャ系らしいのでΛευκωσιαになるのだろう。

本作は2015年(30 March 2015)にリリースされたアルバム。7曲(39:56)。
LABEL: I VOIDHANGER RECORDS (イタリア)

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(コメント:犬丸)

NUCLEARHAMMER - serpentine hermetic lucifer 全曲試聴

BLACK METAL / DEATH METAL

ヴァイオレントなウォー・メタルだが、音楽性を追求し完成度が高い。
オールド・スクール・デス・メタル×プリミティヴ・ブラック・メタル(特にヴォーカル)な音に、グラインドコア(曲により)要素やカオティックな感覚もあふれるロウなサウンドだ。しかし時には叙情性もあり、その種のバンドとしては稀に見る高度な音楽的展開で、ドラマティックな面も持つ。曲間のブリッジにはホワイト・ノイズなノイズ・ミュージックもはさみ、1曲の展開を超えて、アルバムとしての構成も巧みだ。パートによっては、エクスペリメンタル・ブラックに進化していくのではないかと想像させる部分もある。それでもなおロウなサウンドではあるのだが、(音楽性が高い事を)好むかどうかは分かれるだろう。能天気な私は、聴いていて(緻密なので)少し疲れました。

2005年にカナダ Ontario州 Toronto市でNuclearhammerと MALARIAの Axaazarothが結成した。
その後MALARIAの Repulser (ここではDoomhammer名義)が参加した。

本作は2014年(April 10th, 2014)にリリースされた2ndアルバム。13曲(44:26)。
短いトラックが6つあり、実質7曲ぐらいです。バンド・メンバーは4人。
LABEL: NUCLEAR WAR NOW! PRODUCTIONS (USA)

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(コメント:犬丸)

DOWNFALL OF NUR - umbras de barbagia 全曲試聴

ATMOSPHERIC FOLK BLACK METAL

かなりダウンテンポでの進行が多いが、雄大。徐々に盛り上げて行くスケールの大きい展開で、その結果曲も長尺。
特にダウン・テンポの部分でフォーキーなメロディーが顕著で、トラディショナル的サウンドとあいまって、高地の原野で冷たい風に吹かれるような冷厳な雰囲気を醸し出している。ゆえに長尺曲であってもだるくは感じさせない。
盛り上げて行く部分は時には熱狂的な高揚をもたらすことに成功しているが、一方で、その前の部分やその後のクールダウンした部分の方にフォーキーな味わいが深い。トラディショナル的サウンド(フォーキーな部分)で木管のように聴こえる音は、クレジットからすればキーボード(シンセ)かも知れないが、品位が高く、ふくよかな低音のチェロ(の音)やピアノ(の音)と素晴らしいコンビネーションになっている。ヴォーカルは高音わめき系にエコーをかけたものがメイン。

Antonio Sannaは1996年にイタリア Sardinia島で生まれた。
後に(2011年までに)アルゼンチン Mar de Plate市に移り住み、その後の2013年にDOWNFALL OF NURをスタートさせた。まだ20歳にならない若い人だ。

本作は2015年にリリースされた1stフルアルバム。5曲(54:10)。
Nurはサルディーニャ島に幾つも残されているヌラーゲ文明(Nuragic Civilization)時代の巨大遺構ヌラーゲ (nuraghe) の語源と説明されている。彼は元々サルディーニャ語で歌詞を書いていたようだが、本作では英語歌唱になっている。歌詞もサルディーニャ島の先史時代を題材としている。サルディーニャ語版が出たら聴いてみたいものだ。
ゲストはヴォーカルでD (Daniel)が参加。曲数は書かれていないが、彼がコ=プロデューサーでもあるので、ほとんどが彼のヴォーカルである可能性がある。
本作はAntonio Sannaと Dany Tee (ヴォーカルのDと同一人物)がプロデュースした。録音は2014年(May and November of 2014)にNecrowoods Studioで Antonio Sannaが、ヴォーカルの録音はブエノスアイレスのCinco Elementos Studioで Dany Teeがした。マスタリングはCinco Elementos StudioでスタジオのオーナーHernan A. Conidiがした。
LABEL: AVANTGARDE MUSIC (イタリア)

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(コメント:犬丸)

CELTACHOR - nuada of the silver arm 全曲試聴

CELTIC FOLK METAL / BLACK METAL

男気あふれる勇壮なサウンドに時にはロマンティックで悲哀をこめたメロディー。ケルト系のペイガン・フォーク・メタル。
完全にそれの音。力強く荒ぶるヴォーカルに漢コーラス。彼らはセルティックだが、完全武装のヴァイキング船団が船出をする音楽と考えていただけば、判りやすい。ケルト民族系の楽器はIrish whistle (ホイッスル)が効果的に使われていて、Bodhran (バウロン)も使用している。ケルト民族系以外だがアコースティック・ギターもフォーク色を強めている。シンフォニックなアレンジも雄大な感じを出している。

CELTACHORは2007年にアイルランド共和国 Dublin州 Dublin市で2007年に結成した。
メンバーが揃った時点で4人編成だったようだが、2010年からツイン・ギターの5人編成になっている。シンガーは、なかなか良い音を出しているが日本での注目度は低いブラック・メタル・バンドOLDEのメンバーでもある。

本作は2015年(April 24th, 2015)にリリースされた2ndアルバム。9曲(39:33)。
2曲のインスト・ナンバーを含んでいる。2010年のフルレングスのデモから2012年のセルフ・リリースの1stアルバムまではギターの音は安直、ヴォーカルの音も軽く、かろうじてホイッスルでもっている感じだった。しかしそれらはホーム・レコーディングであったようで、本作は厚みのある良い音になっている。彼らの作品はホーム・レコーディングでは十分ではない。かなりライヴ活動を行っていて地元やこのジャンルのシーンではファン層も厚いようで、そのために作品を発表する必要があったのかも知れない。
LABEL: TROLLZORN RECORDS (ドイツ)

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(コメント:犬丸)

MONDO DRAG - mondo drag

NEO-PSYCHEDELIC ROCK / HEAVY ROCK / PROGRESSIVE ROCK

サイケデリック・ヘヴィー・ロック。
オルガン・ロック(プログレ)、ロックンロール等でも味付けした70年代的サイケデリック要素の強い独特のサウンド。PSYCHEDELIC REVIVALのムーヴメントのバンドであり、プログレ寄りにも聴こえるが、以前はSLEEPY SUN, DEAD MEADOW, WITCHCRAFT, PENTAGRAM, NAAM等と対バンしていたので、ストーナー~ヘヴィー・ロック・フィールドでの活動も多かったようだ。オルガン、サイケデリック、スペーシー、ヘヴィー・リフ等が特徴。若干メンバーの変動があるが、メンバーは概ねBLUE CHEER, BLACK SABBATH, CAN, ATOMIC ROOSTER, HAWKWIND, BUDGIE, DEEP PURPLEなどに影響を受けている。

MONDO DRAGは2006年にミシシッピ川流域の米国 Iowa州 Davenport市で5人が結成した。
2013年にCalifornia州 Oakland市に定住した。

本作は2015年(January 16, 2015)にリリースされた4thアルバム。
1stアルバム(全12曲)には1分台の曲も2曲あり、2ndアルバム(全3曲)には20分台の曲が2曲あったが、今回は7曲(35:19)とまともになっている。
本作は2011年冬-2012年にイリノイ州Futureappletree Studios Too(2010年リリースの前作と同じスタジオ)で録音された。
LABEL: KOZMIK ARTIFACTZ (ドイツ)

Youtube試聴・本作1曲目"Zephyr"
Youtube試聴・本作4曲目"Plumajilla"
Youtube試聴・本作6曲目"Pillars Of The Sky"

(コメント:犬丸)

GOTHOLOCAUST - lucifer_h

BLACK METAL

メロディック・ブラック・メタル。
ノイジーさを抑えたプリミティヴ・ブラック・メタルのサウンドに、叙情を中心としたメロディー(歌メロとギターリフ)をふんだんに乗せている。ノイジーさを抑えたつーことは凶暴さを抑えたということでもあり、メロディーは叙情的で美しくかなり甘口。コールドあるいはディプレッシヴというところまでは行かないと思うが、感じ方により多少違うかもしれない。ヴォーカルはプリミティヴ・ブラック・メタルのわめきタイプで、ワン・パターンと言えなくはないが、プリミティヴ・ブラックのヴォーカルはこれで普通だと思う。全体としてプリミティヴ・ブラック・メタルかどうかは微妙なバンドだが。

GOTHOLOCAUSTは2003年1月1日にフランス Pays de la Loire県 Nantes市でSeratoth (guitar)のプロジェクトとしてスタートした。
その後、彼も参加していたブラック・メタル・バンドYERSINIA PESTIS (2004-2006年)が解散し、そのメンバーが合流して4人前後のバンドになった。

本作は2015年(11 May 2015)にリリースされた2ndアルバム。
現在のバンド・メンバーは3人。
LABEL: HIDDEN MARLY PRODUCTION (日本)
distributed by ZERO DIMENSIONAL RECORDS (日本)

bandcamp試聴(現在本作から2曲)

(コメント:犬丸)

NECROMUTILATOR - eucharistic mutilations

BLACK METAL / SATANIC(BLACK) THRASH METAL

ぞくぞくさせる悪魔の咆哮。超ロウ・サタニック・スラッシュ。
まともなスタジオでこんなに壊れたような音を録音できるのでしょうか。
ノイジーなギターとわめき散らすグロウル、そして大変しっかりしたドラムズとベースのリズム体という3ピース編成。ダーティー&ロウなパンク寄り感覚とダーティー&ロウなデス・スラッシュ感覚を併せ持ち、ノイジーなサタニックのサウンドにほどほどにメロディーもあって、ロウな音が好きな人に対してはキャッチーなサウンドと言っても良いでしょう。音は非常にパワフルです。
ライヴ映像では音がパワフルと言うよりも精神力がパワフル。観客もノリノリの様子です。
このレーベルは変な物が多い(ほめている)のですが、グレードに問題のあるバンドが多いようです(個人的見解)。その中で、このバンドはかなり行っちゃってるし、クオリティーも高いし、BURRN!の評価なら低いだろうし、聴いてみてほしいバンドです。しかし、音が酷いというのか、試聴の所にライヴも入れておきましたが、すごい事になってますね。黒ミサかなんかやってるのかな。ライヴ盤出ないでしょうか。

NECROMUTILATORは2009年12月にイタリア Lombardy州 Mantua市で2人(ベースがいなかった)が結成した。
2010年11月からは3人のバンド。

本作は2014年(11 October 2014)にリリースされた1stフルアルバム。9曲(33:05)。
LABEL: TERROR FROM HELL (イタリー)

Youtube試聴・本作1曲目"Steams of Armageddon"
Youtube試聴・音の壊れたライヴFebruary the 21st, 2014
Youtube試聴・音の壊れ方が少ないライヴ(でもヴォーカルが聴こえない)Live @Circolo Colony Brescia

(コメント:犬丸)

CRYPT SERMON - out of the garden 全曲試聴

DOOM / STONER

ドラマティックなメロディーの表現を重視した、ヘヴィーなドゥーム。
エピカルに歌い上げるヴォーカルはメタル的とも解(げ)せ、超絶メロディーを弾きまくるギターも同傾向だ。SABBATHタイプのスモーキーなサウンドの延長線上に、CANDLEMASSタイプのサウンド(エピック・メタル+正統メタルのドラマティックな要素)を加えた、臭いほどメロディックで半端ではなく荘厳なサウンドだ。ここ迄やれば超個性的なバンドだ。

CRYPT SERMONは2013年に米国 Pennsylvania州 Philadelphia市で4人が結成した。
ツイン・ギター。2014年に専任のベーシストが加入し、シンガーのベース兼任が解かれた。

本作は2015年(February 24th, 2015)にリリースされた2ndアルバム。7曲(42:42)。
LABEL: DARK DESCENT (USA)

bandcamp全曲試聴
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(コメント:犬丸)

DRILLER KILLER - 4Q Mangrenade (fuck humangrenade) 全曲試聴

D-BEAT / HARDCORE

スウェディッシュD-BEATハードコア・パンク・ロック・ミュージック。
ノリの良い爆走サウンドというのが、彼らの初期からの基本的サウンドだ。吐き捨てで勢いで歌う初期のヴォーカル・スタイルと比べると、本作ではヴォーカルがなりいかつく、しっかりと歌っている。演奏も同傾向の印象で、初期よりごつごつしたサウンドだ。ギターを中心に、メタリックな要素も強い。

DRILLER KILLERは1993年にスウェーデン Malmö市(kommun)で結成した。
結成時のメンバーはCliffe Rebel (Clifford Lundberg)(guitar, vocals)、 LIBRESSE/ATOMVINTER/MOONIESの Christer (Christer Sandstrom, Cruster Bomb)(drums, 1996年まで)、PERUKERSの Rigo (Vocals, 1995年まで)、 BLACK UNIFORMSや VIRGIN SINの Andy (Bass, 1995年まで)の4人。
Christer Sandstromは1985年ごろ短期間BATHORYに参加し、1986年の3rdの録音にはベースで参加したが、1曲目(インスト曲)録音後ベースもQuorthonの担当になっている。
以後、シンガー/ギタリストCliffe Rebel以外のメンバーはかなり変動している。

本作は2006年(January 23, 2006.)にリリースされた7thアルバム。11曲(36:32)。
本作の録音メンバーはChrist Of Fear (Bass), Asp Aragus (Johan Asp)(Drums), ADAMagecase (Adam Andersson)(Guitar), Klyph Kuttweazle (Cliff Lundbergの現在名乗る名前)(Vocals)の4人。
Christ Of Fearは2005年からのメンバー。Asp Aragusは2001年から2006年までのメンバー。ADAMagecaseは1999年からのメンバー。
LABEL: OSMOSE PRODUCTIONS (フランス)

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(コメント:犬丸)

THEORIES - regression 全曲試聴

DEATH METAL / GRINDCORE / DEATHCORE

メタリックなデス・グラインド。
もちろんブラストビートが多いが、テクニカルでざくざくしたメタルコアの感覚もあってエクストリーム度を高めている。クラスト・グラインドといった疾走感もある。長いソロではないが、ギターのメタル度が高い所もある。
ヴォーカルは主にハーシュなスクリーム(やや高音)とロウなグロウルがからんでいる。グロウルはガテラルに近いようなタイプではなく、低音ではなく、シャウトに近い歌い方(わめき)でラウド。ノイジーな声に録音している。スクリームの方はスクリーモのではなくメタルコアかデス・メタルのそれの感じ。メイン・ヴォーカリストだけではなく、他のメンバー2人も歌唱に加わって、わめき/叫び合っている。
2曲目ではダークなメロディーでギターが少しトレモロするなど、ブラック・メタル的(?)邪悪パートがあったりする。全体にクロスオーヴァーしたデス・メタルか、モダンなグラインドコアかと言った感じで、大概でなくやかましい。

THEORIESは2011年に米国 Washington州 Seattle市で結成した。
メイン・ヴォーカリストはMORIBUND RECORDSのデス・メタル・バンドINFERNAL LEGIONの Rick Powell。ドラマーは20 BUCK SPINのストーナー・バンドSAMOTHRACEの Joe Axler。

本作は2015年(March 24th, 2015)にリリースされた1stアルバム。10曲(28:45)。
プロデュースと録音はBoiler Roomで Derek Moree (SWORD, PELICAN, MINUS THE BEAR)が、ミックスはVisceral Soundで Scott Hull (PIG DESTROYER, MISERY INDEX)がした。
LABEL: METAL BLADE RECORDS (各国)

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(コメント:犬丸)

TARAN - taran 全曲試聴 (ポーランド, ODIUM RECORDS, BLACK METAL)

BLACK METAL

ファストで攻撃的なブラック・メタル。DISSECTIONのようにメロディックに盛り上がってます。
ギターの高速単音リフが面白かったり、ドラムズが連打を繰り返したり、結構メロディックなのに、結構無茶苦茶アグレッシヴです。メロディーはキャッチーかつ勇壮かつ時には哀愁入りのややヴァイキング的なセンスで、大変ドラマティックな部分もある。ヴォーカルはだみ声でわめき散らしてますが、オペラがかったドラマティックな歌唱の部分もあったりします。とにかく盛りだくさんでアッパーで強力なサウンドですが、しっかりした演奏なので聴きやすいでしょう。でもお腹いっぱいになります。

TRAINは2002年にポーランド lubuskie県 Zielona Gora市で結成した。
4人ぐらいのようですがギタリスト以外は比較的最近になって替わっています。

本作は2015年(15 February 2015)にリリースされた1stアルバム。10曲(36:42)。
9曲目がOutroなので、10曲目に入っている"Unsilent Storms in the North Abyss" (IMMORTALのカヴァー)はボーナスみたいな感じ。
ゲストにはヴォーカルでWITCHMASTERの Bastisが1曲参加。そういえばバンドのドラマーはex-WITCHMASTER。ギタリストとシンガーはいずれもARKONAの現メンバーです。
LABEL: ODIUM RECORDS (ポーランド)

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(コメント:犬丸)

PARENTAL ADVISORY - soundtrack of an upcoming apocalypse 全曲試聴

DEATH METAL

ブルータル・デス・メタルに、ニューメタルやメタルコアをミックスして、グルーヴ感を効かせて複雑な展開。ブラスト・リズムとディープなグロウルで、サウンドのベース部分はグラインディング・デス・メタル的なもの。

PARENTAL ADVISORYは1997年にオーストリア ViennaでOttoと Markusの Marath兄弟等の4人が結成した。
もともとCANNIBAL CORPSE、MORBID ANGEL、DEICIDEにインフルエンスされたブルータル・デス・メタルだった。2008年の1stアルバム"wither process"はPUNGENT STENCHのベーシストGregor Marboeが録音していた。

本作は2015年(May 5th, 2015)にリリースされた2ndまたは3rdアルバム。11曲(33:34)。
バンドは2004(2005)年の4曲入りCR-Rアルバム(またはデモ)"zombie legion"を1stフルアルバムとしていたので、そうすると本作は3rdになる。
LABEL: GHASTLY MUSIC (日本)

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全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

WINO & CONNY OCHS - freedom conspiracy 全曲試聴

WINOの新作です。と言っても内容的に取扱ジャンルからはずれる上に、価格の点でも厳しいので入荷は予定していません。
試聴した所、内容のある作品なので、一応ご案内だけしておきます。

発売データ:Maech 30 2015
品番:EOM072
アーティスト:WINO & CONNY OCHS
タイトル:FREEDOM CONSPIRACY
レーベル:EXILE ON MAINSTREAM
フォーマット:CD
バーコード:IANコード:0811521010726
現時点で、価格はCELTACHOR - nuada of the silver arm等と同じ価格帯です。(各タイトルの卸値は時々変わります)
soundcloud全曲試聴
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American doom metal legend and solo artist, SCOTT “WINO” WEINRICH, and iconic German singer/songwriter, CONNY OCHS...
(犬丸)

POMBAGIRA - flesh throne press 2CD 全曲試聴

DOOM / STONER

サイケデリックなドゥーム。
ゆらゆらと揺らめく陶酔したようなヴォーカルと、ダウンテンポでありながら時間の経過を忘れさせるような麻酔のようなドローンなサウンド。
エコーの強くかかったヴォーカルが長く伸ばして歌うあやしいメロディーをはじめとして、普通の音楽のやり方に頼らずに(したがってややエクスペリメンタル)、純度の高い独自の音を作り上げている。しかもそれが美しくデリケートな音だ。全体的にエコーがこの作品の音作りのキーワードになっている。無音階や無調と言った通常の音楽理論を否定する音楽ではないが、おざなりな音がないことが美しさに満ちて聴こえる。

POMBAGIRAは2006年に英国 Londonで結成した。
女性のドラマーCarolyn Hamiltonと、かってUNSEEN TERRORではベーシストでSCALPLOCKではヴォーカルとギターを担当(本バンドでも)していたPete Gilesとのデュオ。2人がHamilton-Giles姓を名乗っていて、紋々のドラマーのお姉さんはPeteよりかなり若い(様に見える)ので、娘さんかと思っていたら夫婦なんだと。
2007年にはギタリストReverend Al (Rise Above Recordsのドゥーム・リジェンドMOURNのAlastair Riddellと同じ)とベーシストAdam Richardson (RAMESSES)が参加していた(当年中に脱退)。ベースはその後2007-2008年はDonny Hopkins (POMBAGIRAの3rdまでをリリースしたWITHERED HAND RECORDSの社長)が、2008-2009年はMark Croci Kason (ガレージ・バンドJAY VEE & THE CARDINAL SINS)が加わっていたが、それ以後は再びデュオに戻っている。
Peteは最近は魔法使いについて歴史的に考察する本を書いたりしていて、Carolynがイラストを描いている。

本作は2015年(02 April 2015)にリリースされた6thアルバム。13曲(46:05+40:34)。
LABEL: SVART RECORDS (フィンランド)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。こちらのbandcamp全曲試聴はURLがバンド名+タイトルではなく、バンド名だけです。時間がたてば内容が変わっている可能性があります。

(コメント:犬丸)

CORPORE - she came like a hurricane

NEW SCHOOL METALCORE

センスに疑問を抱かせるアートワークですが・・・買うのが恥ずかしいかも。
メロディック・メタルコアにエレクトロ入り。エレクトロニコアに入れても良いかも知れないが、それにとどまらず、色とりどりの魅力を持っていてる。エレクトロ要素は強い物の、オーソドックスなメロディックなメタルとしての魅力も失っていない。ヴォーカルもシャウトとソフトなクリーンを上手く組み合わせている。エレクトロ音は、それだけでエクストリームさを追求する様な極端に刺激的なエレクトロではなく、ちょっと余裕も感じさるくらいであり、それも一つの要素としてしっかりと構成されている。

CORPOREはスペイン Zaragoza(サラゴサ)市で、デス/スラッシュ・バンドINCESTO CANIBALの一部メンバーのプロジェクトとしてスタートし、メンバーが徐々にこちらに移って2006年に4人になって、バンドを結成した。2005年に元のバンドは解散しており、こちらは結成の数ヵ月後から5人編成になった。EPが2作と、2013年にアルバムがある。

本作は2015年(March 2, 2015)にリリースされた2ndアルバム。8曲。
Joey Sturgis (OF MICE & MEN, DEVIL WEARS PRADA)がマスタリングした。
LABEL: ART GATES RECORDS (スペイン)

ololo.fm試聴・本作1曲目"She Came Like A Hurricane"
ololo.fm試聴・本作2曲目"When I Feel Wrong"
ololo.fm試聴・本作3曲目"I'm Still Alive"
ololo.fm試聴・本作4曲目"Trapped Inside"
ololo.fm試聴・本作6曲目"Of Love And Hate"
ololo.fm試聴・本作8曲目"Empires Fall Down"

(コメント:犬丸)

SVARTGREN - prazan grob 全曲試聴

BLACK METAL

プリミティヴ・ブラック・メタル。ノイジーではあるがつぶれきった音ではないので、ヴォーカルもパワフルで演奏もごりごりとヴァイオレント。
6曲目後半の咆え声(3:37あたり)など、野蛮な所も素晴らしい。
メロディーもほどほどにあり、ダークだったり叙情的だったりする。また、ダークネスに満ちた曲だけでなく軽めの曲もあり、ファストな曲だけでなくややゆったりした曲もあるなど、色々とヴァラエティーに富んでいる。従って、ロウかつプリミティヴながら単調さとは無縁で、ブルータル、そしてかなりキャッチーなぐらいだ。

SVARTGRENは2005年にセルビア共和国の首都 Belgrade市で結成した。
ギタリスト/シンガーAleksandarはセルビアン・ブラック・メタルの中心となっているフェス Darkness Rising Festivalの中心人物としても知られている。彼と解散したЛапотの3人が初期のメンバー。

本作は2015年(20 de Abril de 2015)にリリースされた1stアルバム。9曲(40:54)。
現在(本作)のバンド・メンバーはAleksandarとex-ЛапотのギタリストVukの2人。
この録音のドラムズとベースはセッションメンバーで、スラッシュ・メタル・バンドSPACE EATERの Tihi (Drums)と Tower (Bass)が参加している。
録音はLuka Matkovic (Towerの本名)が彼のCitadela SoundProduction (スタジオ)で、マスタリングはスペインのJavi Bastardが彼のMoontower Studiosでした。
タイトルは"empty tomb" (一般的な邦訳では"慰霊碑")の意味。1000枚限定。
LABEL: HIDDEN MARLY PRODUCTION (日本)

Youtube試聴・本作1曲目"Od pakla"
Youtube試聴・本作2曲目"Spremna su vesala"
Youtube試聴・本作3曲目"Prazan grob"
Youtube試聴・本作4曲目"Svetlosti tiha"
Youtube試聴・本作5曲目"Reka"
Youtube試聴・本作6曲目"Smrti"
Youtube試聴・本作7曲目"Hram"
Youtube試聴・本作8曲目"Bezdan"
Youtube試聴・本作9曲目"Ka rubu zaborava"

(コメント:犬丸)

DEVOUR THE UNBORN - meconium pestilent abomination 全曲試聴

DEATH METAL

ブラストもあるがビートダウンがいっぱい。全般的にはスラム・パートが多い、勢いを殺したゴアでダークなデス・メタル。ヴォーカルもガテラル~ロー・ピッチ・ピッグ・スクイール。速度変化だけの展開が中心で、かなり純度の高いスラム・デス・メタルをやっている。

DEVOUR THE UNBORNは2011年に米国 Texas州 El Paso市/イタリア Puglia州(Regione) Bari自治体(comune)で4人(?)が結成した。
1stアルバムで歌っていた初代シンガーDiego Fanelliはイタリア人、2代目シンガーMarco Riveraはメキシコ人だった。2015年から3代目になるテキサスEl Paso人のシンガーShaun Brinkmanになっている。
Joseph Carrillo (Drums), Larry Overstreet (Guitars)の2人は巨人大虐殺のメンバー。
彼らの特徴ともなっているスラップ弾きを聴かせるベーシストはEli GalindoというテキサスEl Paso人。

本作は2015年(May 5th, 2015)にリリースされた2ndアルバム。8曲(34:44)。
本作は2代目のメキシコ人シンガーにより録音されている。
LABEL: AMPUTATED VEIN (日本)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

Trustkill Records Now available again

Josh Grabelleが1994年に創業したTRUSTKILL RECORDSは、2007年からUniversal Music系のFontana Distribution傘下となり、2010年にJosh Grabelleが退社し(たぶん実質倒産)、著作権もレーベル名やロゴもFontana Distributionの物になっていた筈でした。ということは、会社がFontana Distributionの物になっていたのじゃないのでしょうか。以後、Josh Grabelleは新たにBULLET TOOTH RECORDSをやっています。
TRUSTKILLはJosh Grabelle社長時代から、所属バンドのかなり多く(THROWDOWN, HOPESFALL等)とトラブルになっていたようです。でもFontana Distributionがオーナー(もしくは実質オーナー)になってしまったのなら、Fontana Distributionがギャラを払うとかして解決したのでしょうか。Fontana Distributionは放ったままにしているのでしょうか。

しかし最近、TRUSTKILL RECORDSの物がボツボツとインディーズ流通で再登場しています。著作権もレーベル名やロゴもFontana Distributionの物になっていたはずですが、持っててもしょうがないので放出したのでしょうか。公式情報は無い様で、どういう状況なのか判りませんねえ。

状況はともかくとして、インディーズ流通で再発されている作品には一時代を画したものも多いのですが、最近ニュー・スクール系の販売が低迷しているため、一部を除いて再入荷を見送っています。
何か必要な物がありましたら、入荷可能かどうかお問合せ下さい。入荷可能の物については、もしご予約頂いた場合の価格もお知らせ致します。

例えば、次の様な物が再発売されています。
TK49 WALLS OF JERICHO "ALL HAIL THE DEAD" CD 20/3/2015
TK118 WALLS OF JERICHO "THE AMERICAN DREAM" CD 20/3/2015
TK82 WALLS OF JERICHO "WITH DEVILS AMONGST US ALL" CD 20/3/2015
TK27 Poison The Well "The Opposite Of December" CD 10/3/2015
TK37 Poison The Well "Tear From The Red" CD 10/3/2015
(お知らせ:犬丸)

LIP CREAM - 初期のlip cream 'early years gig' 1984.7.7 all night 渋谷屋根裏

JAPANESE HARDCORE / JAP HARDCORE (JAPANESE ARTIST)
消費税8%時の税込価格¥2700(価格本体¥2500)

1st EPも収録。ジャパニーズ・ハードコアLIP CREAMの初期音源をデジタルリマスターで復刻。1984年に渋谷のライヴ・ハウス"屋根裏"のオールナイトGIGに出演した際の録音。結成からわずか2回目のライブを収録。未発表曲に加えて、当時彼らが傾倒していたBAD BRAINSのカヴァー2曲も含む全15曲を演奏。緊迫感漂う機材トラブルの模様も、フロアから飛ぶ野次と怒号の臨場感も完全収録。加えて、"lonely rock" EPも全収録。

LIP CREAMは公式(?)データでは1984年3月にNaoki (Gr), Minoru (Bass), Maru (Ds), Baki (EXECUTE, GASTUNK)が結成した。
Maruは少し遅れての参加で、Bakiの参加については良く判らない。一部の作品のクレジットが録音と合っていないという説もあるようだ。ヴォーカルは1984年の夏からJHA-JHAに替わった。ドラマーは2nd EP (1984年, AA RECORDS)の録音中にPill(Dr)に替わった。

本作は2013年11月1日にリリースされた編集盤。19曲。
1984年7月7日収録の未発表ライヴ音源15曲(ヴォーカルはBaki?、8月発売と言われるEPではJhajhaとなっているので微妙)と、同じ1984年にHOLD UPレコードからリリースされた初期メンバー時代(従来ヴォーカルはJahjahとされている感じだが、今回の告知にわざわざ初期メンバーと書かれているのでBaki?)の1st EP "lonely rock"4曲を収録。
LABEL: DYNAMITE RECORDS (日本)

Youtube試聴・EP "lonely rock"4曲
上記試聴は本CD及び同時再発の1st EPの再発(アナログ盤)の発売以前に公開された映像のため、以前のアナログEPからの音のはずです。今回のCD及び同時再発の1st EPの再発(アナログ盤)は、それぞれリマスター(CDとアナログで異なるマスタリング)となっています。

(コメント:A V Ltd)

LUCIFER - lucifer i

STONER / DOOM

Lee Dorrianの RISE ABOVE RECORDSの品番RISECD200。記念すべき作品にLee Dorrianが選んだのは極めてオーソドックスでありながら、特徴のある作品。
その特徴は彼らの女性シンガーによるものだ。ストーナーの節回しで歌っているが、ストレートでかなりクリアーな歌唱だ。無理にストーナーっぽく聴かせ様としない、こういう歌い方も新鮮で素晴らしいと思う。なかなか良い声で、硬い声と柔らかい声を、その中間あたりを基準にして微妙にコントロールして表情をつけている。つややかで繊細。どんな人なんだろう。
コメント時点では試聴が1曲だが、演奏も中庸を得たオーソドックスなもので、かなり繊細な方だ。

LUCIFERは2014年にドイツ Berlin都市州で2人が結成した。
私的に注目のシンガーはex-DIES ATERでセカンド・ヴォーカルを担当していたJohanna Sadonisという人だが、参加していたのは1999年の1stアルバムのみ。このときのドラマーが現在ALBEZ DUZの Impurusで、彼は1978年生まれ。なのでJohannaさんも中年ですね。LUCIFER結成前にはOATHのシンガーだった。
ドラマーはANGEL WITCHに2009年から参加しているAndrew Prestridgeで、彼はOATHのライヴ・メンバーだった。以上の2人が結託して結成した。
その後、ギタリストは英国からGaz Jenningsが参加している。彼はCATHEDRALの結成(1989年)メンバーであり、CATHEDRALだけでなくRISE ABOVE RECORDSに於いてもLee Dorrianの片腕となっている。あのアップルコア・バンドACID REIGNの結成メンバー(Gaz名義)でもあり、そちらには3年間だけ在籍していた。
ベーシストはDino Gollnickというドイツの人で、彼はミュージシャンでもあるが、音楽ジャーナリストの仕事を英国などでやっている。

本作は2015年(June 16th予定, 2015)にリリースされた(される)1stアルバム。8曲。
LABEL: RISE ABOVE RECORDS (UK)

Youtube試聴

(コメント:犬丸)

DWELL - vermin and ashes 全曲試聴

DOOMY DEATH METAL

ドゥーミーでメロディック。叙情的なメロディーのトレモロをバックに、ダークなヴォーカルが結構パワフルかつ重厚に歌う。邪悪な雰囲気を充満させながら、メロディーはキャッチーであり、スローなパートのギターの響きも美しい。
HELLS HEADBANGERSが同時期にリリースするABOMINATORが野獣的なのに対して、このバンドは知的なサウンドで、エクスペリメンタルで整った美しさを持っている。

DWELLは2012年にデンマーク Aarhus市で結成した。
EPICAL DOOMバンドALTAR OF OBLIVIONのドラマー/ギタリストAllan B. Larsenが ABL名義でベースとギターを担当し、HELLS HEADBANGERSのデス・メタル・バンドCEREKLOTHのシンガーJBPとの2人が現状ではコア・メンバーだが、本作録音後にはドラマーも正式メンバーが入る等して、最新データ(Encyclopaedia Metallum, 2015年05月07日19:35取得)では5人編成になっている。

本作は2015年(February 10th, 2015)にリリースされた初の公式作品。6曲(37:51)。
2013年(October 1st, 2013)にプロ・コピー・カセット・テープで200本限定リリースしたデモ'ash tombs'の3曲全曲と、2014年の新録音3曲を収録している。デモではセッション・メンバーだったキーボーダーKenneth Holmeが2014年新録音ではバンド・メンバーになっている。またどちらの録音もドラマーはセッション・メンバーを入れているので、すべて4人編成での録音になる。
LABEL: HELLS HEADBANGERS(us)

bandcamp全曲試聴 全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

GRAVE - you'll never see (+ and here i die satisfied ep) "metal for the masses 25 alive!" limited 2CD edition 全曲試聴

DEATH

スウェーデンの創成期を作り上げてきたオールドスクール・デスメタルのベテラン。ブラストを多用しない重低音スラッシュ・メタル・タイプのぐちゃぐちゃサウンドを現在まで守っている。

GRAVEは1988年にスウェーデン Visbyで3人が結成した。
結成メンバーはJorgen Sandstrom (Bass, Vocals), Ola Lindgren (Guitars, Backing vocals), Jens Paulsson (Drums)の3人。

アルバム"you'll never see"は1992年(May 1st, 1992)にリリースされた2ndアルバム。オリジナルは8曲(36:56)収録。

こちらは2014年(31 December 2013)にCENTURY MEDIAの25周年記念キャンペーン"metal for the masses 25 alive!"で限定発売された"limited special 2cd edition"シリーズでの2枚組リマスター再発盤。14曲(59:42)と18曲(1:16:32)収録。
DISC 1には"you'll never see"の全曲と翌年(December 1993)のEP"...and here i die... satisfied"(オリジナル3曲+再発ボーナス3曲=6曲)の全曲を収録。アルバムとEPのオリジナル3曲は全員結成メンバーの3人編成による録音。EPボーナスの3曲は1990年の録音で、この3人に加えて1989年に加入し1992年に一旦脱退したJonas Torndal (Bass)を含む4人編成になっている。アルバムはTomas Skogsberg(AMORPHIS、AT THE GATES、CENTINEX、DISMEMBER、KATATONIA、PAGANIZER)と GRAVEが、EPはToben Johansonがプロデュースした。
DISC 2には2006年(November 1st, 2006)にMETAL MIND PRODUCTIONSからリリースされたDVD "enraptured"のサウンドを収録した。ここには2006年(August 24th)にポーランド Warsawの Stodola Clubで行ったライヴが収録されている。このときのライン・アップは、オリジナル・メンバーのOla Lindgren (Guitars, Backing vocals)、1996年にギタリストとして再加入して2007年まで在籍したJonas Torndal、2001年から2010年まで在籍したベーシストのFredrik Isaksson、2002年から2006年まで参加していたドラマーPelle Ekegren (Drums)の4人編成。
LABEL CENTURY MEDIA (UK)

musicmp3試聴・you'll never see全曲
musicmp3試聴・...and here i die satisfied全曲
Youtube試聴・DVD "enraptured"全編
Youtube全編試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:AV)

SATANIC WARMASTER - fimbulwinter 全曲試聴

BLACK METAL

コールドでロウなプリミティヴ・ブラック・メタルに、トレモロ・リフの叙情メロディーやヴァイキング/エピック・メタルのような雄大なメロディーもたっぷり放り込んで、幻惑的ブラック・メタル・サウンドを作り出している。
本作ではノイジーさ等のロウネスを一定にとどめて、しっかりした演奏と構成や、叙情的な/フォーキーな/アーシーな良くできたメロディーなどを山盛りに折込み、高度な音楽性を持たせている。従来の凶悪でロウな作品とは異なった、(基準をどこに置くか次第だが)優雅とも言えるサウンドになっている。

SATANIC WARMASTERは1998年にフィンランド Lappeenranta自治体でWerwolfが結成した。
Werwolfは HORNAの1stから3rdのシンガーNazgul von Armageddonと同じ人物。このバンドでは彼が全パートを担当している。

本作は2014年(14 November 2014)にフィンランドのWEREWOLF RECORDSからリリースされた5thアルバム。8曲(51:38)。

こちらは2015年(February 7th, 2015)にリリースされたUSA盤。
日本のZERO DIMENSIONALからボーナス(1曲)入りCD(1500円)が限定500枚リリースされていますが、こちらは8曲収録です。
LABEL: HELLS HEADBANGERS (USA)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

ABOMINATOR - evil proclaimed 全曲試聴

BLACK METAL / DEATH METAL

かんかんブラスト叩きまくって、気持ち良く下品に爆走する。下品というのはケダモノ的ヴォーカルによる所が大きく、昔の教科書のイラストにあった原始人の衣装がふさわしい。大変シンプルな音楽性で、ストレートに高速ダーク・デス・メタルを演奏している。しかしぞくぞくするようなスピード感があり、各パートとも音自体が良く出来ていて快感に満ちている。
あなたが原始人的感性を持った人間であれば、心の兄弟に出会ったような強い絆を覚える音楽です。

ABOMINATORは1994年にオーストラリア Victoria州 Melbourne市で結成した。
結成時のメンバーはex-DESTROYER 666の Chris Volcano (Drums, Vocals)と CEMETERY URNの Andrew Undertaker (Bassは1995年まで, Guitarsは全期間)の2人。その後ベーシストやギタリストが参加して3人(または4人)編成だが、2006年にリリースされた3人編成だった前アルバム以後はベーシストの存在が不明になっている。

本作は2015年(February 21st, 2015)にリリースされた5thアルバム。8曲(38:31)。
LABEL: HELLS HEADBANGERS (USA)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

PRURIENT - frozen niagara falls 2cd 全曲試聴

DARKWAVE / BLACK METAL

試聴サイトBandcampで全曲の試聴ボタン(上のボタン)を押すと2曲目からかかりましたが、最近途中からかかる設定が良くありますね。
2曲目はヴォーカルも多く、例えばブラック・メタルでもエクスペリメンタルな物など聴く人には普通に聴きやすいかも知れません。無機質なドラムの音がひたすら等間隔に打ち鳴らされる。叫び系ヴォーカルは切れ切れな歌い方で言葉をちぎって投げるような感覚。雑踏の様に重ねられた人声などのサンプリング音が不安を表している(勝手に解釈)。
でもやはり1曲目から聴きましょう。コールドでクリアーな音(楽器的な音ですが多分すべてサンプラーでしょう)とノイジーな音をからめた叙情的な曲です。ノイジーでくぐもった低音のヴォイスが、ヴォーカル的に入る。3曲目はビョーンキリキリとノイズで始まり、いつまでたってもノイズです。キーンとなったりギーンとなったり、壊してノイズ化したヴォイスなども入るものの、ほぼノイズだけで進行。多彩なノイズの展開がセンスの聴かせどころ。4曲目は普通に音楽が始まるのでショックを受けました。ヴォーカルはわめき系ブラック・メタルをパロディーにしたみたいで、演奏は全然違うのにブラック・メタルを連想させます。、、、かなり多彩・多才なアルバム。しかも2枚組なので全部聴けば頭がばらばらに分解されます。

PRURIENTは1998年に米国のDominick Fernowがスタートさせた、彼のプロジェクトの一つ。
自らが主宰するノイズ・レーベルHOSPITAL PRODUCTIONをはじめ、RRRECORDS, TROUBLEMAN UNLIMITED等から毎年多数の作品を発表してきた。
彼の活動から考えても、このバンドは(ブラック・メタルだと言い張るなら)インダストリアル・ブラック・メタルと言うのが良いのだが、普通インダストリアル・ブラック・メタルと言われているものとは次元が違いますので、ブラック・メタル・ファンの誤解を避けるために、あえてその呼び方は使いませんでした。

本作は2015年(12 May 2015)にリリースされたCD2枚組アルバム。16曲。
LABEL: PROFOUND LORE (USA)

Bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

EARTH CRISIS - discipline

STRAIGHT EDGE HARDCORE / NEW YORK HARDCORE

試聴は2曲のため全体の傾向と言うのは定かではないし、そもそも4曲のEPなので傾向があっても偶然かも知れないし、しかも昔の曲なので今のバンドのありようとはどういう関係かもはっきりしないが、とりあえずその2曲を聴いてみましょう。
比較的スロー・テンポ中心で、じっくり押し上げるような曲調。今聴けば大変オーソドックスな、オールドスタイルなメタルコアだ。再録音曲は、押し殺したようなヴォーカルとザクザクとしたスローなリズムで、かなりいかつい。彼らはいわゆるエッジメタル(ストレートエッジャーのメタリック・サウンド)のバンドだ。メタルコア創成期に、シーンに少なからぬ影響を与えた。エッジメタルは今聴けばオールドスクール・ハードコアに聴こえるのじゃないでしょうか、とりわけデスコア以後からのファンには。メタルコアはすべてニュー・スクールと言うわけ方でも良いのでしょうが、メタリックで無いハードコア等ほとんど無いしそれもちょっと困るかな。とりあえず彼らはSyracuseのバンドなのでNEW YORK HARDCOREって事でOKでしょう。
彼らは1stアルバム"destroy the machines"の録音の出来上がりには満足していないと言う事らしく、25周年になる今回は、その1stアルバムからの2曲、"Discipline"と "New Ethic"を再録音。さらに90年代にアルバム制作前のデモとして録音していて未発表となっていた(アルバムには収録していなかった)2曲も収録している。

EARTH CRISISは1989年に米国 New York州 Onondaga郡 Syracuse市で結成した。
結成メンバーでの活動はほぼ無く、その内のベーシストKarl Buechnerが1991年に新メンバーで結成しなおした。この時のメンバーの内Karl Buechner (1991年以後はvocals), Scott Crouse (guitar), Ian "Bulldog" Edwards (bass)の3人は以後常に参加している。もう1人のギタリストは1994年と1998年に替わり、ドラマーは1993年に替わっている。5枚のアルバムを残して2001年に解散し、2007年に再結成した。1998年以後はメンバーが替わっていない。

本作は2015年(May 19, 2015)にリリースされたEP。
収録は1. The Discipline 2. New Ethic 3. Behind The Mask 4. Time Of StrifeJoshの4曲で、1と2が再録音曲。
Josh Grabelleは1992年にEARTH CRISISと知り合った。Joshはその後1994年にTRUSTKILL RECORDSを創業し、2010年に精算(著作権はUniversal Music系のFontana Distributionが押さえている筈だが、、、)して以後はBULLET TOOTH RECORDSをやっている。TRUSTKILLは所属バンドのかなり多く(THROWDOWN, HOPESFALL等)とトラブルになったようだが、今回はJoshのBULLET TOOTHからのリリース。友達だから問題なしって事でしょう。
LABEL: BULLET TOOTH (USA)

Youtube試聴・本作1曲目"Discipline"
ololo.fm試聴・本作3曲目"Behind The Mask"

(コメント:犬丸)

GRUMPYNATORS - wonderland

PSYCHOBILLY

時々哀愁を漂わすメロディーがキャッチーなサイコビリー。
カントリーやブルーズのテイストも快適で、ファストではないがスムーズな演奏がスピーディーな印象を与える。もちろんダブル・ベース(スタンドアップ・ベース)使用の本格的演奏だが、メタリックな音やメロコア的なポップさもある。

GRUMPYNATORSは2011年1月にデンマーク Copenhagen市で4人が結成した。
ドラマーは90年代に日本でブレイクした北欧メロディック様式美系メタルJACKALの Per Fisker。また、ユニバーサルより日本盤がリリースされ来日(サマーソニック2013年及び単独2014年)もある、ロカビリーを取り入れたヘヴィメタル・バンドVOLBEATのアコースティック・ギター担当ツアー・メンバー兼クリュー1人が参加している。また、デンマークを代表するロカビリー・バンドTAGGY TONESのメンバーが2人参加している。この内1人はVOLBEAT のツアー・メンバーでスタジオでの録音にはゲストとして参加している。

本作は2015年(March 9, 2015)にリリースされた1stフルアルバム。11曲(45:20)。
LABEL: TARGET RECORDS (デンマーク)

Ololo.fm試聴・本作2曲目"Walking in the Night"
Mfmf!Facebook Youtube試聴・本作6曲目"Stalker"
Ololo.fm試聴・11曲目"A Life Without You"

(コメント:犬丸)

OMNIA MALIS EST - viteliu

BLACK METAL

メロディック・ブラック・メタル。
叙情的で勇壮なメロディーは少しフォーキーでペイガン的。そういったタイプの音を出すヴァイキングのバンドにも似ている。ファストなサウンドに乗せて怒涛のメロディーを繰り出し、リフのメロディーも豊富で畳み掛けるよう。
一人バンドですが、じつにメロディーのアイデア豊富な人です。演奏もかなりの部分シンセかサンプラーを使っていると思いますが、アレンジもアイデア豊富です。以前の音源はシンフォニック・パートなどの音がややちゃちでしたが、本作の音は良く出来ています。この徹底した音は一人だからこそ出来るのじゃないでしょうか。
Lucania (Basilicata州を含む地域の古代名)を歌ったコンセプト・アルバムらしく、その点でもフォーク・ブラック的感覚が感じられます。

OMNIA MALIS ESTは2005年にイタリア Basilicata州 Potenza市でUruk-Haiが始めた一人バンド。

本作は2015年(11 May 2015)にリリースされた1stアルバム。8曲(45:01)。1000枚限定。
LABEL: HIDDEN MARLY PRODUCTION (日本)
Distributed by ZERO DIMENSIONAL RECORDS (日本)

Youtube試聴・本作1曲目"Viteliu"
Youtube試聴・本作3曲目"A Diana"
Youtube試聴・本作7曲目"Sabella Carmina"
Youtube試聴・本作8曲目"Disfatta"

(コメント:犬丸)

PERDITION TEMPLE - tempter's victorious 全曲試聴

DEATH METAL

テクニカル・デス・メタル。
めまぐるしく弾き倒すギターが核となる演奏。ヴォーカルも全曲全レングスにわたってハイテンション。すべてがテクニカルかつタイトで、息苦しい程のエクストリームさが持続する。

PERDITION TEMPLEは2009年に米国 Florida州 Tampa市で、2009年に解散したANGELCORPSEの Gene Palubickiが結成した。
翌年にかけての初期ラインアップはGene Palubicki (Bass, Guitars, Vocals)と、同じくex-ANGELCORPSEの Terry Eleftheriou (Drums)の2人。1stアルバムはこのメンバーで録音された。
2011年にドラマーがRonnie Parmerに替わり、2012年にGabriel Gozainy (bass)とex-ANGELCORPSE (1996-1998)で現在はIMMOLATION (2001から参加)のBill Taylor (2nd guitar)が加入し、ツアーではスタンドイン(代役)のシンガーCollin Andrewsが加わった。
2013年にはBLACK WITCHERYの Impurathがシンガーとして加入した。

本作は2015年(24 March 2015 )にリリースされた2ndアルバム。8曲(36:42)。
LABEL: HELLS HEADBANGERS (USA)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

IMPALED NAZARENE - vigorous and liberating death 全曲試聴

BLACK METAL

サタニックなブラック・メタル。パンクなノリでスラッシー。
あまりファストでないがザクザクで、ややインダストリアルな音で凶暴性を強化。今回の作品は邪悪(メロディック)な部分はあるものの少ない目で、サイバー・パンク的な感覚が多い目。スラッシュ色が濃い曲(5曲目など)もある。全体としてはパンク・メタル。

IMPALED NAZARENEは1990年にフィンランド 旧Oulu州(州制度は廃止済み) Oulu市で5人が結成した。
4~5人編成。初期の作品(1st "tol cormpt norz norz norz", 2nd "ugra-karma"など)はサタニックでスラッシーで邪悪であり、インダストリアルな音はあまり無く、パンク性も表立っていない。

本作は2014年(April 14, 2014)にリリースされた12thアルバム。13曲(33:48)。
本作のバンド・メンバーはMika "Sluti666" Luttinen (Vocals), Tomi "UG" Ullgren (Lead & Rhythm Guitars), Mikael "Arc v 666" Arnkil (Bass), Reima "Repe Misanthrope" Kellokoski (Drums)の4人。
LABEL: OSMOSE PRODUCTIONS (フランス)

musicmp3全曲試聴

(コメント:犬丸)

GOUGE - beyond death 全曲試聴

DEATH METAL

オールド・スクール・デス・メタル。
少しラフな音で、ダーティーに、ワイルドに爆走。1曲目出だしからいきなりMASTER見たいなサウンド。
ギターも手馴れた感じで弾きまくり、ラフなタイプのオールド・スクールの聴き所を総花的につないだような展開で、バランスの取れた本格派。既視感(きしかん)が強いという点を問題としないなら、全く文句の付けようが無い内容。
「MASTERも良いけれど意気の良い新バンドはないかなあ」という浮気性の人に聴いてみて欲しい。

GOUGEは2011年にノルウェー Kolbotn自治体(kommune)で2人が結成した。
メンバーはドラマーとVocals/Guitars/Bass担当者の2人で、ライヴはベースをゲストに迎えて3ピースで行っている。

本作は2015年(24 March 2015 )にリリースされたファーストアルバム。12曲(29:59)。
LABEL: HELLS HEADBANGERS(us)

bandcamp試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

MIRROR QUEEN - scaffolds of the sky 全曲試聴

STONER ROCK

ふくよかな味わい豊かなストーナー。
70年代的などこか懐かしい音色のクラシックなストーナーの演奏に、やんわりしたヴォーカルが乗る。展開は大きなくないが、落ち着いたサウンドがベースになっているので、じっくりとテンポを上げ下げするだけでドラマティックと言うに似た効果を上げていく。曲によっては寂しいメロディー(一応哀愁メロディーと言うのだろうか)を聴かせたり(1曲目・7曲目)、ややアッパーでタイトな曲調になったり(2曲目・4曲目)する。ツインギターのユニゾンが寂しいメロディーを味わい深く奏でている。やや控えめのように思うがサイケデリックでもあり、それは3曲目や5曲目などで顕著だ。インスト曲も1曲あるが前後とあまり曲調が違わないからか印象が薄い。

MIRROR QUEENの前身となるAYTOBACH KREISORは1998年(2000年)に米国 New York州 New York市で結成した。
結成メンバー(2000年ごろ)はKenny Sehgal (vocals/guitar), Jeremy O'Brien (drums), Antony Zito (bass)の3人。
2002年にRUBRIC (Sehgalの設立したレーベル)/ TEEPEE RECORDSからデヴュー・アルバムをリリース。翌年に同じレーベルからリリースした2ndアルバム以後はバンド名をKREISORに改めた。
その後2011年にPhilippe Ortanez (Guitar), James Corallo (Bass)を加えてツインギターの4人編成となり、MIRROR QUEENに改名した。Kenny Sehgalの名前はKenny Kreisorに改めた。この年に新名義でのデヴュー・アルバム"from earth below"がリリースされた。

本作は2015年にリリースされた2ndアルバム。7曲。
LABEL: TEEPEE (USA)

Ololo.fm試聴・本作1曲目"Scaffolds of the Sky"
Ololo.fm試聴・本作2曲目"Quarantined"
Ololo.fm試聴・本作3曲目"Strangers in Our Own Time"
soundcloud試聴・本作3曲目"Strangers In Our Own Time"
Ololo.fm試聴・本作4曲目"Vagabondage"
Ololo.fm試聴・本作5曲目"At the Borderline at the Edge of Time"
Ololo.fm試聴・本作6曲目"Dark Ships Arrived"
Ololo.fm試聴・本作7曲目"Wings Wetted Down"

(コメント:犬丸)

HAVOK - burn (2015 issue) 全曲試聴

THRASH METAL

イントロの曲(1曲目全体)が、叙情をあっさりと表現している様な感じのインストで結構良いのですが、全体の構成を考えたなかなか知性のあるスラッシュ・メタルなのかも知れません。
軽快に走りまくる曲やパートから、重みを効かせたざくざくとした疾走、高速ギターソロ、かなり多彩な歌い方のヴォーカルにコーラスと、1stとは思えないほどの充実した、変化に富んだアルバムです。4曲目の出だしはどこかで聴いたような気がしますが、SODかな。この曲全体にSODっぽい所がある見たい。色々なバンドの良いとこ取りの様な感じもあって、フロントマンはかなりのスラッシュ・メタル・オタクかも知れません。

HAVOKは2004年に米国 Colorado州 Denver市で結成した。
David Sanchezを中心とする4人編成で、結成時から現在まで残っているのは彼のみ。

本作は2009年(June 2nd, 2009)にCANDLELIGHT RECORDSよりリリースされた1stアルバム。12曲(49:18)。

こちらは2015年(27 April 2015)にリリースされた再発盤。
CENTURY MEDIA RECORDSへの移籍記念のデジパック仕様値上げ盤です。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

LUCIFERIAN RITES - when the light dies

PRIMITIVE BLACK METAL / DEPRESSIVE SUICIDE BLACK METAL

ロウでダークでメロディックなプリミティヴ・ブラック・メタル (HORNA, BEHEXENあたりの)。
疾走パートとゆったりしたミドル・テンポのパートからなる。ぎゃーぎゃーヴォーカルは中音と高音中心に時には低音(1人)。ノイジーなギターと、コールドで叙情的もしくはディプレッシヴなメロディックな曲は北欧ブラック・メタル的。ヴォーカルは凶悪だがディプレッシヴ・ブラックでもありうる声なのでDSBM (Depressive Suicide Black Metal)とされるときもある。

LUCIFERIAN RITESは2006年遅くにメキシコ Tamaulipas州 Nuevo Laredo市で結成した。
BLUTSABBATH (BELPHEGORの1997年のアルバムのタイトルを借用)というプロジェクトが音楽的に行き詰まり、これに替わって結成された。多分始めは2人+ヘルパーで結成し、2009年から3人+セッション・メンバー1人、2012年から正規メンバー4人になっている。

本作は2015年(May 12th)にリリースされた2ndアルバム。10曲(50:54)。
LABEL: MORIBUND RECORDS (USA)

Youtube試聴・本作4曲目"When The Light Dies"

(コメント:犬丸)

WINTERFYLLETH - fathers of albion: an anthology 2007-2012 4CD 全曲試聴

BLACK METAL

北欧フォーク的な物悲しいメロディーのペイガン・ブラック・メタル。
演奏は厚みがあり荘厳。勇壮なサウンドと悲壮感のあるヴォーカルと哀愁に満ちたメロディーからなるサウンドは、重厚で暗い落ち着きがあり、どこかが魅惑的で、心を引付ける。
特に本作収録のアコースティック・セッションでは、プリミティヴなコーラスを中心とした演奏で、フォークソングを聴かせていて、体に染み付いた彼らの原点が感じられる。

WINTERFYLLETHは2007年に英国 England Manchester市で4人が結成した。

本作は2015年にリリースされたCD4枚セット。
1stから3rdまでの3枚のアルバムとデモなどのレア音源をまとめて収録したお買い得盤。
2008年(October 16th, 2008)にPROFOUND LOREからリリースされた1stアルバム"ghost of heritage"(9曲、48:54)、2010年(July 19th, 2010)にCANDLELIGHT RECORDSからリリースされた2ndアルバム"mercian sphere"(10曲、1:08:25)、2012年(September 10th, 2012)にCANDLELIGHT RECORDSからリリースされた3rdアルバム"threnody of triumph"(10曲、1:03:24)までの3枚のアルバムと、2007年に50枚限定でリリースしたデモ"rising of the winter full moon"(3曲、17:04)をそれぞれCD1枚に収録した4枚組み。
ディスク1(1stアルバム)には1stアルバムのセッションから未収録曲2曲を追加して、11曲(1:07:25)収録。
ディスク4(デモ)にはトラッドのフォーク・ソング"abbots bromley horn dance"、トラッドのフォークダンス・ソング"john barleycorn"、作者ありのフォーク・バラッド"three ravens"(以上3曲2012年録音)、2014年(January 17th, 2014)にSEASON OF MISTからアナログ盤マキシシングル(12インチ45回転)でリリースされたDRUDKHとのスプリット"thousands of moons ago / the gates"からWINTERFYLLETHの曲"gates"を追加して7曲収録。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

musicmp3全曲試聴(1stアルバム"ghost of heritage")
musicmp3全曲試聴(2ndアルバム"mercian sphere")
Youtube全曲試聴(3rdアルバム"threnody of triumph")
Youtube全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。
ololo.fm全曲試聴(デモ"rising of the winter full moon")
ololo.fm試聴・スプリット"thousands of moons ago / the gates"からWINTERFYLLETHの曲"gates"
以下が2012年アコースティック・セッションです。ぜひ聴いてみて下さい。
ololo.fm試聴"abbots bromley horn dance"
ololo.fm試聴"john barleycorn"
Ololo.fm試聴"three ravens"

(コメント:犬丸)

SIGH - graveward 全曲試聴

BLACK METAL

ブラック・メタル的なものから出発し、常に音楽性の巾を広げることによって音楽の根源にせまろうとして来たかの様なバンド。
雑食性のサウンドは音楽のアクロバットと言った風情で、シンフォニックなアレンジや歌唱からミュージカル、ロック・オペラと言った印象もあるが、スラッシュ・メタル要素、ギターの速弾き等、メタル性も結構濃い。
2007年にMikannibalが参加して5人編成となったことが、実際の演奏の上で、音楽性の巾を広げる大きな原動力となったようだ。

SIGHは1990年に日本 東京の大学のサークル内で3人が結成した。
結成メンバーはMirai Kawashima(川嶋未来) (Vocal, Keyboard, Programming等, 2004年までBassも担当)、Satoshi Fujinami (Drums→2004年からBass, 1992年までGuitarsも担当)、Kazuki Ozeki (Drums 1990)。
Kazukiが同年脱退し、程なくShinichi Ishikawa (Guitars 1992-2014)が加わった。
2004年にはJunichi Harashima(原島淳一) (Drums)が加わりSatoshiがベースにシフトした。原島淳一はデス・プログレッシ・メタル・バンド 五人一首の元メンバー(1997年2月-2006年7月30日)。
2007年には物理学博士(東大)Dr. Mikannibal (女性) (Alt Saxophone, Vocals)の加入で5人編成になった。
2014年にはGuitars がYou Oshimaに替わっている。
Dr. Mikannibal (smのs担当)は川嶋未来と結婚した。

本作は2015年(April 13th, 2015)にリリースされた10thアルバム。10曲(49:35)。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

ANAAL NATHRAKH - candlelight years 3CD 全曲試聴

BLACK METAL

英国のマシンドラム・ブラスト爆発のグラインディング・ブラック・メタル。
怒涛のマシン・ブラスト。ヴォーカルが効果的なエフェクターで多様性を加えているが、同時にエフェクターで凶暴さも増している。エフェクターを多用するためにインダストリアル・ブラックの様に書かれる場合もあるが、ピコピコ系の音ではない。

ANAAL NATHRAKHは1998年に英国 England Birmingham市で2人が結成した。ヴォーカルはV.I.T.R.I.O.L.ことBenedictionのDave Hunt、全楽器担当がMick Kenney。

本作は2015年(April 27th, 2015)にリリースされたCD3枚セット。
彼らのCANDLELIGHT在籍中の3作、2011年(May 17th, 2011)にリリースされた6thアルバム"passion"10曲(36:05)、2009年(June 29th, 2009)にリリースされた5thアルバム"in the constellation of the black widow"10曲(34:31)、2012年(October 15th, 2012)にリリースされた7thアルバム"vanitas"10曲(37:58)が1組になったお買い得盤。
セットの3作は発売順ではなく、やかましさ順で6th→5th→7thと並んでいて、後のものほどやかましい傾向(でも、あまり違わない、、、)。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

musicmp3試聴・6thアルバム"passion"の全曲
musicmp3試聴・5thアルバム"in the constellation of the black widow"の全曲
musicmp3試聴・7thアルバム"vanitas"の全曲

(コメント:犬丸)

ULTRA-VIOLENCE - deflect the flow

THRASH METAL

さくさくファストなスラッシュ・メタル。
タイトでスピーディーな演奏、ストレートな展開。

ULTRA-VIOLENCEは2009年にイタリア Piedmont州 Turin市で4人が結成した。

本作は2015年(11 May 2015)にリリースされた2ndアルバム。10曲(52:35)。
カヴァー・アートは1stに続きATHEISTのアルバムPiece of Timeやロゴを書いたEd Repkaが担当した。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

bandcamp試聴・本作4曲目"Lost in Decay"
Youtube試聴・本作9曲目"Way I'll Stay"

(コメント:犬丸)

SATURNIAN MIST - chaos magick

BLACK METAL

メロディックで勢いのあるブラック・メタル。
ギターはそこそこノイジーなプリミティヴ・ブラックの音だが、メロディック・メタル的なファストでメロディックなギター・リフが多く、縦横無尽に駆け巡る。ヴォーカルはパンク/ハードコア的な勢いまかせな歌い方で、メロディックな曲をラフにがなり立てる。
やや平板な印象の曲もあるが、その様な曲でも一気呵成な勢い感があり、特徴が明瞭、かつ聴きやすい。また、曲によってはカオティックでちょっと個性的な展開の物やスローな物もある。勢いに重点を置き、プリミティヴ~メロディック~もしかしたらエクスペリメンタルと言った方向性をもちつつも、そこに深入りしていない。

SATURNIAN MISTは2006年にフィンランド Kuopio基礎自治体で結成した。
現在の本拠地はTampere。現在のメンバーは5人。ドラマーとは別に、パーカッショニストとしてHORNAのドラマーでSARGEISTのベーシストVainajaが、fra. Psychonaught名義で参加している。
この人たちは全員が名前の前に"fra."をつけて名乗っている。"fra."はイタリアの修道士の名前の前に付ける尊称で、このバンドは祈りと労働と斎(断食と食物品目の制限)の毎日を過ごしています。

本作は2015年(11 May 2015)にリリースされた2ndアルバム。13曲(52:44)。
本作では12曲目"White Void of All-Being"が9分以上ある以外は3.5分程度だが、前のアルバムでは1曲が6分近くあり、2009年の1st EPは1曲が9分程度だった。この事からだけでも音楽性に変化があった事が推測されよう。初期は、コールドなスロー・テンポの、プリミティヴ・ブラックの大曲が多かったようだ(旧作は未試聴)。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

Youtube試聴・本作3曲目"True Law"
Youtube試聴・本作7曲目"Bloodsoaked Chakrament"
Ololo.fm試聴・本作9曲目"Voodoo Satan"
Ololo.fm試聴・本作12曲目"White Void of All-Being"
Ololo.fm試聴・本作13曲目"Yoga, Hate, Fuck"

(コメント:犬丸)

HAVOK - unnatural selection + bonus material (2015 issue) 全曲試聴

THRASH METAL

モダンでテクニカルなメタル色の濃いスラッシュ・メタル。3作目となる本作では、ミドルテンポの部分も多く、ロックンロール色の濃い4曲目等は往年のLAメタル(MOTLEY CRUEや LA GUNS等)も彷彿させる。以前よりグラマラスでテクニカルになっているようだ。

HAVOKは2004年に米国 Colorado州 Denver市で結成した。
David Sanchezを中心とする4人編成で、現在まで残っているのは彼のみ。

本作は2013年(June 25th, 2013)にリリースされた3rdアルバム。10曲(48:01)。
プロデュースは前作同様フロントマンのDavid Sanchez本人。ミキシングはベテランTerry Date (METAL CHURCH "s/t", OVERKILL "years of decay", PANTERA "cowboys from hell", CHASTAIN "7th of never", SOUNDGARDEN "louder than love", DARK ANGEL "time does not heal"等)が担当。

こちらは2015年(27 April 2015)にリリースされた再発盤。
CENTURY MEDIA RECORDSへの移籍記念のデジパック仕様、ボーナス4曲追加です。追加曲は2012年(May 22nd, 2012)にリリースされたEP "point of no return" の4曲(20:21)全曲で、この中にはSEPULTURA "arise"と SLAYER "postmortem/raining blood"のカヴァーがあります。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

musicmp3全曲試聴(ボーナスを除く)
Youtube試聴・ボーナス・トラック(EP "point of no return"全曲)
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

ATOMIC BITCHWAX - gravitron 全曲試聴

STONER ROCK

かなりファストでハイ・エナジーなストーナー・ロック。
比較的ファストで熱いブルーズ・ロックと、70年代のハード・ロックを中心とした音楽性。ブルーズとハード・ロケンローな感覚はどの曲でも強く彼らの音楽の中心ラインになる。ヴォーカルは印象に残る所が無いが、演奏パートに重心がある様に思われ、ジャムセッション的感覚で熱く盛り上がる。ストーナーだが激アッパーなサウンド。
なお、今まで、アルバムによってはプログレッシヴ(スペーシー)な曲で巾を出している作品もあったが、今作はロケンローな曲が揃っています。

ATOMIC BITCHWAXは1993年に米国 N.J.州 Long Branch市で結成した。
当時はSLAPROCKETの2人、Chris Kosnik (bass/vocal)と Keith Ackerman (drum set)に MONSTER MAGNETの Ed Mundell (guitar)の3人。

本作は2015年(April 21st. 2015)にリリースされた6thアルバム。10曲。
結成メンバーのChris Kosnikがベースとヴォーカルで、彼の他はMONSTER MAGNETの2人、ギタリストFinn RyanとドラマーBob Pantellaの3人になっている。
LABEL: TEE PEE RECORDS (USA)

soundcloud全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

SICKENING - beyond 全曲試聴

DEATH METAL

テクニカル・ブル・デス。不協和音、テンポ・チェンジ、トレモロ等のテクニカル指向は前作同様。ヴォーカルはビービーブーブー言うガテラル・ガーグル(ウガイ声)で、前作より特徴が先鋭化。例えば3曲目後半など、ビービーとしか聴こえない部分が多くあるが、歌詞カードにもビービーと書いてあるのだろうか。
展開やSEは、本作がホラー映画の名作"Beyond (別名:Seven Doors of Death)" (Fulvia Film, 29 April 1981, Lucio Fulci監督)をテーマとしたコンセプト・アルバムであるため、その内容に沿った物になっている。

SICKENINGは2003年にイタリア Tuscany州 Florence市で5人が結成した。

本作は2015年(10 March 2015)にリリースされた3rdアルバム。9曲(36:34)。
LABEL: AMPUTATED VEIN (日本)

bandcamp全曲試聴
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(コメント:犬丸)

NYSEIUS - de divinatione daemonum 全曲試聴

BLACK METAL

コールドでヴァイオレントなイーヴリッシュ・サウンドに轟音と言いたいようなパワフルなヴォイス。かなりがなり気味だと思えるがエコーで厚みを加えている。曲はミドルテンポとファスト。サタニックな感覚という点で、オーソドックスなブラック・メタルだ。メロディックなリフには叙情的・勇壮・荒涼~悲壮感と多くのヴァリエーションがあり、それぞれ印象的であり、正統派としての充実感がある。DEATHSPELL OMEGA、BLUT AUS NORDなどに近い。

NYSEIUSは2002年にフランス Paris県 Paris市で結成した。
メンバーは常に揃っているわけではないが4~5人編成を構想している。

本作は2015年(March 30th, 2015)にリリースされた2ndアルバム。10曲(01:06:12)。バンド・メンバーは4人。
LABEL: ATMF (AETERNITAS TENEBRARUM MUSICAE FUNDAMENTUM) (イタリア)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)