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比叡山系の登山口と登山道・1 比叡山系最北の宮メズラと 魚の子山へ 気軽に登れる 快適な林道。小出石公民館前バス停から60分で山頂へ

山名のある山では比叡山系最北の宮メズラと, 魚の子山へ, 天候の影響が少なく気軽に登れる, 快適な林道。小出石公民館前バス停から60分弱, 登山口から40分で山頂へ。

近郊登山・ハイキング
~京都東山と比叡山系の山の道

比叡山系の登山口と登山道・1

ルート:
公民館前バス停(京都市左京区大原小出石町)…登山口:公民館前バス停北13分程度の林道入口(三谷口バス停北500m)~[三谷口東側の林道※]~宮メズラ~魚の子山~[三谷口東側の林道※]~登山口…公民館前バス停
所要時間(往復): 1時間49分

≪凡例 / … = 里の道の区間/ ~ = 山道の区間 / [括弧内] = 道の名前 / ※ = 仮称≫
本文中に地理院地図を表示している場合: この地図は地形が良く判るものですが、記載されている道の中には現在通行できない道もかなりあり、道の位置や状態も異なる場合があります。歩く際は記事で確認してください。

¶特徴

比叡山系で、名前の付いているピークとしては一番北にあるのが宮メズラ。その南側すぐには三角点のある魚の子山もある。いずれの山の名前も、滋賀県伊香立の字名だ。この辺りにはいろいろな山道があるが、今日は一番歩きやすいコースで宮メズラに行く。舗装のない林道だが、小石も少なく、やや遠回りになるが傾斜もゆるく、針葉樹の植林地帯ながら、道幅があり明るい。山散歩にも適当。ただしハイキングコースではないので、道標はないので、戻り道が判らなくならない様に、往路でも道の周りを良く見ておく必要がある。

¶概要

宮メズラへの登山ルートはいくつかあるが、比較的知られているルートはあまり歩きやすい道ではなく、加えて京都側からの登山口へのアクセスがあまり良くないルートもある。私としては、以前もう一つのブログ「付゛録゛」の記事「宮メズラ :登山口からわずか25分で石楠花の群落」に書いた「途中峠手前約220mから登る尾根道ルート」と本記事のルートがとてもストレートで使いやすいと思う。「途中峠手前約220mから登る尾根道ルート」は所要時間が短くルートもわかりやすい山道だが、唯一、登山口付近の足場の悪さが難点だ。

その点、こちらのルートはほとんどの区間が状態の良い林道で、天候なども心配しなくて良い。さらにこの林道は、路面がごつごつしていたりぬかるんでいたりもせず、歩きやすい土が主体の林道だ。二ノ瀬ユリなどと比較しても歩きやすく明るい穏やかな道だ。以前書いた「途中峠手前約220mから登る尾根道ルート」を往路に、本記事のルートを復路にすれば同じルートで往復せずに済む。周回ルートに近くなるので車で来る場合にも良いかと思う。が、どこかに違法駐車するのか問題。

なお、山蛭の多い地帯なので、この林道が一番少ないと思えるが、何らかの対策が必要かと思う。

¶詳細(段落先頭の x時間xx分 は所要時間の一例)

小出石公民館
0時間00分 小出石の「公民館前」バス停で下車。そのままバスの進行方向に歩く。
写真の公民館はバス停のある旧街道から少し西側の山手に入った所にある。
京都バスの小出石行きの終着駅は小出石ではなく、その次の公民館前バス停。蛇足ながら、国道477号線を西に行くとかで「小出石」で下車するなら、小出石の手前で「降車ボタン」を押さないと終点の「公民館前」まで来てしまうかもしれない。

0時間02分 国道477号線・国道367号線(国道のコード・シェア)に出る。左に(進行方向北向き位)に進む。

小出石の八幡神社
0時間05分 右側に八幡神社と大きなあすなろの木がある。

0時間07分 三谷口バス停。この標識柱は道路の右側にだけある。

0時間09分 特大エビフライの看板が道路の左に、その「うっどぎゃらりい」が右にある。
この後右側が川になり、川の向かい岸に国道と平行する形で林道がある。川には腐った丸木橋もかかっていたが、まだ渡る必要はない。腐った丸木橋は私の体重に耐えられそうにない。

0時間13分 国道の右側を流れていた川が左側に移ると、山裾の林道に入れる所がある。ここから林道に入り、左手(北)に進む。

この林道は支線が多いが、今回歩いたルートは、0時間33分の地点まで本線を進む。そこから本線とあまり違いのない支線(多分)に入る。従って、明らかに支線に見えるような支線は無視すれば良い。
(2018年3月13日追記ここから)0時間33分の地点で左折しますが、左折が本線で直進が支線かも知れません。11日に歩いたところ、直進方向は倒木が放置されているので最近車が入っていない様です。(2018年3月13日追記ここまで)

0時間14分 道は右に折れて、山に向かって行く。進行方向は東になる。

0時間14分 分岐。道は右にカーブしている。カーブの途中に、本線よりさらに右に折れる枝道がある。カーブの内側の枝道に入らず、外側の本線を進む。

0時間16分 再び右にカーブする。カーブの終わり近くに分岐があり、左に枝道が二本ある。左の二本の枝道には入らず、一番右寄りの本線を進む。
左の二つの道は林道としては程なく行き止まりになっている。

0時間23分 右に分岐があるが、直進する。
右側の分岐はすぐに行き止まりになっている。

0時間26分 右に分岐があるが、直進する。
この分岐はまだ調査していない。

0時間26分 左手前方向に分岐がある。直進する。
左手前方向から山の腹を降りて来る道がある。かなり細いので気付かないかも知れない。

0時間30分 右に分岐がある。直進する。
右の分岐は下り坂の道で、行先は不明。

0時間33分 直進と左分岐の三叉路がある。左に曲がる。
左は上り坂で、分岐の後すぐに左にカーブする。直進方向は緩い下り坂になる。直進する道と左の道は、道幅は同じ位で維持管理のグレードもあまり変わりはない。車の通行は直進の方が少し多い様なので、一応、直進が本線だと考えているが、確かではない。

左に折れるのが支線だと仮定して、今回の林道区間で本線から外れるのはこの分岐だけ。ここから林道の終点までの間にも、左手に下って行く枝道(支線の支線)が幾つかあるが、そちらに入らず、このままこの支線を進む。
(2018年3月13日追記ここから)ここで左折が本線で直進が支線かも知れません。11日に歩いたところ、直進方向は倒木が放置されていて最近は維持作業が行われていません。左折の方は最近車が入った形跡がある様に見えました。(2018年3月13日追記ここまで)

0時間36分 この後1分ほど下り坂になる。

0時間37分 分岐がある。左に下る枝道がある。直進する。
この辺りから平坦になり、緩い上り下りを繰り返す。前回書いた尾根道と比べて、かなり遠回りになっているが、のどかな道なので許せる。

0時間37分 右に尾根道との接点あり。この尾根道は仰木峠から北進してくる長い尾根道。

0時間38分 右に尾根道との接点あり。

0時間39分 分岐がある。左に下がって行く枝道がある。直進する。

0時間41分 右に熊の罠と尾根道との接点がある。

0時間43分 この付近は松の落葉が多い。林道にしては踏み心地が良い。

0時間46分 林道の終点。直進する。
林道の終点の右寄りにある直進する山道に入る。断続的な軽い上り坂を進む。いま、尾根の極近くを尾根に向かって進んでいる状況。なので多少右に反(そ)れても左に反れても、すぐに尾根に到達する。この部分はどこでも歩きやすく、どこでも歩けなくはないので、踏み跡が分散していて薄いが、気にせず気楽に進めば良い。

0時間47分 尾根筋に出る。右折する(上方へ進む)。
この地点は、2017年4月現在、幾つものテープやリボンで標(しる)し付けされていた。ここを右折して尾根を上がる。初めは傾斜がきついが、1分ほどすると歩きやすい道になる。

尾根に出た時点では踏み跡が分散していて不鮮明かもしれないが、「尾根を上がっていく」と道がはっきりしてくる。

0時間50分 主尾根に出る。左折する。
右手が魚の子山、左手が宮めずら。

帰りのためにこの地点を良く覚えておく。主尾根のこの地点からは支尾根がある事が判りにくく、多分全く気付かないと思う。標(しる)し付けされていても、大抵いつも標しは少ない様だ。特徴のない場所なので注意。テープなど持参しても良い。
(2018年4月22日追記ここから)最近はこの道の利用が多くなっているらしく、標が増えています。(2018年4月22日追記ここまで)

0時間52分 宮めずら山頂。魚の子山へは折り返す。

魚の子山の山頂
0時間59分 魚の子山の山頂。元来たルートで降りるのであれば再び折り返す。
仰木峠方向はいずれ記事を書きますが、北行き(仰木峠方面→宮メズラ)と比べて南行き(宮メズラ→仰木峠方面)は道がわかりにくいので不用意に仰木峠方向に進まないでほしい。

1時間06分 「0時間50分」の地点。左折する。支尾根へ進む。

1時間09分 下り坂が急になり、その後すぐに緩くなる地点がある。緩くなった所で左手前に曲がる。林道の終点が見えている。

下り坂が緩い区間は短いので気付かずに通過してしまわないように注意。

1時間09分 林道に入る。左右に伸びる林道に行き当たる地点(0時間33分の地点)まで、どんどん直進する。
途中で右手から支線が二本合流して来る。松の落葉の多い所もあり、道沿い、特に右手崖下側は雑木が多く、日照が多い。林道歩きは一般論としては好きではないが、この林道はの雰囲気はどかで好ましい。特にこの区間は視界も開けていて気持ち良く、鄙(ひな)びた雰囲気が好きだ。

1時間22分 T型三差路。右に進む。
歩いてきた林道(多分支線)は右にカーブを切りながら坂を下り、左右に伸びる平坦な林道(多分本線)に行き当たる。ここが登りの「0時間33分」の地点。左方向は緩い下り坂、右は少しだけ下って、すぐに左にカーブして平坦になる。ここを右に進む。

京都市左京区、大原小出石から宮メズラへ。林道のつつじ
1時間23分 平坦な道から、じきに下り坂になる。その辺り、右手につつじとたむしばが一緒に咲いていた。これは上手く写せなかった。写真はその2分ほど後で撮影したつつじだけ。(2017年4月18日)

1時間36分 林道入口。国道に出て左へ進む。

1時間40分 左側に特大えひフライの「うっどぎゃらりー」がある。

1時間41分 三谷口バス停。標識柱は左側のみ。

1時間46分 橋を渡る。

1時間48分 北橋を渡る。

1時間49分 左側の砂利の広場が公民館前バス停。標識柱は道沿いに立っている。バスは5分前に走り去った後だった。バス停を過ぎた所の左手にお寺がある。バス停の左手は川で視界が開けているのですぐわかる。時間があるのでそちらへ行ってみた。

小出石の曹洞宗の禅寺、正圓寺 小出石の正圓寺の前の川沿いの大きな桜の木
1時間50分 大原小出石にある曹洞宗の禅寺、正圓寺。そしてその前の川沿いの広場に生えている数本の大きな桜の木。

歩いた日:2017年4月18日(復路区間)、2017年4月25日(往路区間)、その他

写真は2017年4月25日撮影。但し、つつじは2017年4月18日、橋から寺は2017年3月撮影。

初稿:2017年7月20日 ブログ付゛録゛で公開

第2稿:2017年8月13日 1時間22分部分の説明の間違いを訂正し、分かりやすく書き直しました。付゛録゛から2018年3月6日に削除。

第3稿:2018年3月6日 全面的に書直し、画像を挿入。blogねこメール通信で公開。

第4稿:2018年3月7日 レイアウトを修正してコラムを明確化。合わせてコラム内の表現を修正。

第5稿:2018年4月14日 「ルート」の部分の表記を修正。全体の誤字を訂正。

ご挨拶

この記事はブログ付゛録゛から引っ越してきました。
今まで山歩きの記事はブログ付゛録゛にアップしておりましたが、都合により、今後は一部をblogねこメール通信にアップいたします。
今後とも、よろしくお願い致します。

STUDFAUST - where the underdogs bark 全曲試聴(多分)

PUNK METAL

音はMotorhead, Sex Pistols, Wasp, Twisted Sister, Exploited等の混合物。
こういうの好きなんですが、店のどのジャンルにも入らないので入荷の予定はしていません。
だったのですが入荷いたします。この記事は014/08/27 11:26に公開した記事を一部書き直したものです。

2011年にノルウェーで、 Tore Bratseth (Stud Bronson) と Bard Faust が結成。

本作は2014年9月1日に SOULSELLER RECORDS からリリースされたEP。7曲収録。
録音時のメンバーはギターとヴォーカルが Tore Bratseth (ex-OLD FUNERAL, BOMBERS, BATALLION), ドラムズが Bard Faust (ex-EMPEROR, BLOOD TSUNAMI, MONGO NINJA, ABORYM), ベースが Pete Evil (BLOOD TSUNAMI ,HELLRIDE, MONGO NINJA) の3人。
BOMBERS はモーターヘッドのトリビュート・バンド。

soundcloud試聴・7曲(20:05)・多分全曲

(コメント:犬丸)

ALL HALLOWS EVE - dreaming

GOTHIC ROCK / DARKWAVE

ゆったりした良いメロディー。それを歌うヴォーカルは Bianca Stucker (VIOLET) の甘く落ち着いた声と、それと対照的な Jorg Kleudgen (THE HOUSE OF USHER) だと思うが、冗談ではなしに、女性ヴォーカルだけの方が良い気持ち。もちろん対比効果を出している訳で、甘い声だけではない方が良いのだろう。
エコー多い目のヴォーカルとちょっとアンビエントな響き。甘美でほのかな哀感や余裕の感覚が、気持ち良くくつろがせる。また、男性ヴォーカルは暗くてパワフル、ギターはパワフルで、甘美なだけではなく十分バランスもとれている。

ALL HALLOWS EVE はドイツのギタリスト(及びキーボード) Tom O'Connell (SWEET ERMENGARDE, DOWNSCARRED) とベーシスト Lars Kappeler (SWEET ERMENGARDE, NEON DREAM) の2人を中心としたプロジェクトのようだ。

本作が ALL HALLOWS EVE のデヴュー・アルバム。11曲収録。
このアルバムは2014年4月25日にドイツの ECHOZONE (SOUL FOOD) からリリースされた。(バンドのインフォメーションでは2013年発表。)
次作(アルバム) "Exit to Eden" がリリース予定と書かれている。

YOUTUBEの映像(試聴) "Dreaming"
YOUTUBEの映像(試聴) "Fafe Away"
バンドのreverbnationの試聴ページ

(コメント:犬丸)

HALFWAY TO GONE - second season 全曲試聴

STONER / SLUDGE

ヘヴィーでロウなサザン・ロック・ストーナー。どことなく前世紀の響きという感じがする。 DUAN ALLMAN がギターを弾く BLACK SABBATH だと書いている人がいた。 Lou Gorra のヴォーカルはやや甲高いがスモーキーでダーティーで渋い。

HALF WAY TO GONE は1999年に米国 New Jersey 州 Long Branch 市で結成した。
最初は ex-SCENE KILLER の2人 Lee Stuart (G) と Lou Gorra (Bass, Vo) の2人で結成したようだ。 Lou Gorra の参加しているバンドでは SOLARIZED も人気が高かった。
ドラマーは時々変わっている。 Danny Gollin という人が主だが、一時 (2001-2003年) SUPER HEAVY GOAT ASS などの Kenny Wagner (R.I.P. 2016) という人も参加していた。

本作は2002年3月12日に米国の SMALL STONE RECORDINGS からリリースされた2ndアルバム。12曲(43:30)収録。
Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

BLACK QUEEN - fever daydream 全曲試聴

ELECTRONIC / ALTERNATIVE / INDUSTRIAL

エレクトロ・オルタナティヴ。一癖あるメンバー達で、色々な要素がミックスされていて一言で言える音ではない。しかしエレクトロニカよりもインダストリアルな感じが強い。ちょっとアダルトでポップな5曲目のような曲もあれば、ニュー・ウェイヴ初期のリヴァイヴァル的な要素を感じる所もある。ヴォーカルは全編クルーン(=ささやき系)でラウドなところは無いが、エフェクターを使った部分が多く、変化が多く、かなりアクが強いもの。ギターも入っているのでバンド・サウンドと言えるが、(ややミニマルな)エレクトロの感じが強い。

BLACK QUEEN は、2011年に、米国 California 州 Los Angeles 市で結成し始めた。
当初 DILLINGER ESCAPE PLAN のシンガー Greg Puciato と NINE INCH NAILS や DILLINGER ESCAPE PLAN でギターのテクニカルを担当していた Steven Alexander と言う人の2人で曲を作り始め、その後エレクトロニカ・バンド TELEFON TEL AVIV ( Charlie Cooper 死後はソロ・プロジェクト)やエレクトロニカのソロ・プロジェクト SONS OF MAGDALENE (ミニマルでダーク)の人間で NINE INCH NAILS のツアー・メンバーだった Joshua Eustis が加わった。

この作品は2016年1月29日に BLACK QUEEN が自主リリースし、 BANDCAMP で販売した1stアルバム。10曲。
但し自主リリース盤 (GTIN13コード: 0859715883923) は現在バンドの手元では完売で、 BANDCAMP では販売終了となっている。オーストラリアでは2016年3月4日に RIOT! ENTERTAINMENT レーベル(Universal Music Australia 流通)からリリース (GTIN13コード: 0602547817754) された。こちらは2017年2月初め時点では販売中。
バンド・メンバーの他に Additional Personnel としてベーシストの Matt McJunkins (A PERFECT CIRCLE, ASHES DIVIDE, BETA MACHINE), ドラマーの Jeff Friedl (ASHES DIVIDE, BETA MACHINE), ドラマーの Chris Hornbrook (POISON THE WELL, SENSES FAIL), Steve Evetts (DILLINGER ESCAPE PLAN や GLASSJAW のプロデューサー) がクレジットされている。プロデュースとミックス、マスターはバンド自身。製作指揮(エグゼクティブ・プロデューサー)は Justin Meldal-Johnsen (NINE INCH NAILS や TEGAN AND SARA のプロデューサー)が担当。

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

MONO - one step more and you die 全曲試聴

(JAPANESE ARTISTS) POST-ROCK / INDIE ROCK

インスト・ポスト・ロック。彼らの最近の作品で言えば "rays of darkness" (2014年)の様な、暗さが基調となったアルバム。
静かなパートから激しい盛り上がりまでダイナミックな展開をする。そのすべてを、滲み出てくるような陰湿な暗さが覆いつくしている。しかし、ポストロックといえばそれ相当に心地良さを感じさせるバンドや作品が多いが、本作でも叙情性に満ちた6曲目 "Loco Tracks" 等がその代表格と言えるだろう。スローパートからの盛り上がりにも、均整の取れた美しさがある。

MONO は1999年に東京で結成した。
作曲などの準備を進めていた旧友の Takaakira "Taka" Goto と Hideki "Yoda" Suematsu に、1999年12月には、ベーシスト(女性)とドラマーが加わり、本格的にスタートした。
初ライブは2000年1月に東京世田谷の Club 251 で行った。また2000年11月にはニュー・ヨーク Mercury Lounge でライヴを行い、当初からワールドワイドな活動を目指した。
1stアルバム "Under The Pipal Tree" は2001年に、現代音楽系ミュージシャン John Zorn が主宰するニュー・ヨークの TZADIK レーベルからリリースされている。

今回ご紹介した作品は2002年10月2日に、日本の MUSIC MINE INC. からリリースされた2ndアルバム。8曲収録。
バンド・メンバーは 後藤 "Taka" 孝顕(たかあきら)(ギター)、Hideki "Yoda" Suematsu(ギター)、Tamaki Kunishi(ベース)、高田康則(やすのり)(ドラムズ)の4人。
他にセッション・メンバーでチェロが加えらている。
MUSIC MINE INC. は LESS THAN TV の親(兄弟?)会社で、旧リクルート系(現在はイオン系?)。
今回の入荷は2003年4月8日に米国の ARENA ROCK からリリースされた米国ヴァージョン、デジパック仕様。
収録曲は MUSIC MINE INC. 盤と同じ。この作品は、同じ2003年に英国 RYKODISC からもリリースされ、その後米国 TEMPORARY RESIDENCE LIMITED からも発売されて、彼らの名前はさらに世界的なものになった。
2003年には本アルバム発売のツアーを日本, 米国, スウェーデンで行い、そのほか カナダ, スイス, ベルギー, ハンガリー, オランダ, フランス, 英国でも、初めてのライヴを行った。

Youtube試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

DESERT CITY SOUNDTRACK - perfect addiction 全曲試聴

EMOCORE

ダークで、けだるく、憂鬱。沈み込む様なエモーション。歪んだ、でもどこか魅力を秘めたポップなメロディーたち。
このバンドは、エクスペリメンタル、ポストロックの様式を持ちながらポップとも縁を切らない、微妙なスタンスだった。ややダウンテンポ中心の重苦しいリズム感。グランジ的なノイズ・ギター。ピアノはぽろぽろと切ないメロディーを聴かせたり重厚に響いたりと、3ピースと言う編成でもあり、ピアノが特に目立つ。鬱陶しく力の抜けたヴォーカルが漂うように歌う。ベースはピアニストが担当することもあるがベースの聴こえない曲も多い様に思う。

DESERT CITY SOUNDTRACK は1999年に米国 Oregon 州 Portland 市で結成した。
California 州 Santa Rosa 市の EMOCORE / MATH ROCK バンド EDALINE は1999年に解散した。 DESERT CITY SOUNDTRACK の結成メンバーは EDALINE のメンバーだった2人 Cory Gray (keys, vocals, trumpet, EDALINE には録音のみ参加) と Matt Simon Carillo (vocals, guitar)、そして Brian Wright (drums) の3人で最後まで替わらなかった。

本作は2005年9月13日に、米国の DEEP ELM RECORDS からリリースされた2ndフルアルバム。12曲収録。

bandcamp 全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

MONO - new york soundtracks 全曲試聴

JA_POST-ROCK / INDIE ROCK / EXPERIMENTAL

税抜価格¥2200+消費税

MONO の2ndアルバムの7曲のリミックス集。
ニュー・ヨークをベースに活動する7アーティストが1曲づつ担当。 MONO の繊細なサウンドとこれらのアーティストの個性のコラボレーションになっているが、やはり曲が変わるごとに万華鏡のように変化する意外性もある。オリジナル・アルバムとは異なる曲順もその点を考えた物になっている、と推測できる。個人的には Dub Remix やCassette Remix 等印象が深いが、さて、あなたは。

MONOは日本国 東京都で、1999年1月から結成にかかり、1999年12月に4人が結成した。

本作は2004年2月18日にバンド自身が主宰する日本の HUMAN HIGHWAY レーベルからリリースされたリミックス・アルバム。7曲。
2ndアルバム "One Step More and You Die" 収録曲のリミックス6曲と、後1曲は2ndアルバムの曲とはタイトルが異なるが2ndの曲のリミックスに聴こえる。
プロデュースは Aki Onda(恩田 晃)、リミックスは Loren Mazzacane Connors, Calla, Marina Rosenfeld, DJ Olive, Raz Mesinai, Aki Onda, Jackie O Motherfucker 。
米国では ARENA ROCK からCDが、 TEMPORARY RESIDENCE LIMITED から VYNAL LP がリリースされた。英国では RYKODISC からCDが、いずれも2004年にリリースされた。

MY-ZAYCEV.NET 試聴・本作1曲目 Giant Me On The Other Side (Remix)
MY-ZAYCEV.NET 試聴・本作2曲目 Where Am I (Shoutman Remix)
soundcloud 試聴・本作3曲目 Sabbath (Unholy Sabbath Remix)
Youtube 試聴・本作4曲目 Halo (One Note Dub Remix)
MY-ZAYCEV.NET 試聴・本作5曲目 Com (Earth Remix)
MY-ZAYCEV.NET 試聴・本作6曲目 6 Loco Tracks (Cassette Remix)
Youtube 試聴・本作7曲目 Late City Final (Remix)
MusicMP3試聴・2ndアルバム "One Step More and You Die" 全曲

(コメント:犬丸)

KOUFAX - koufax (4 songs ep)

INDIE ROCK / EMOCORE / ALTERNATIVE

エモコア。
ムーグ・シンセ(アナログ・シンセサイザー)やキーボードをフューチャーした、軽快なギター・サウンドをバックに、哀愁とポップネスが溶け合ったメロディー。ポップでキャッチーだが、メロディーの哀愁も心に残る。
ヴォーカルはややねちっこいが青春を感じさせるタイプ。
ポスト GET UP KIDS と称されていたが、サウンド面では、アナログシンセを使うと言う発想が彼らのスタイルを象徴している。

KOUFAX は1999年に主に米国 Ohio 州 Toledo 市のメンバー(一部 Michigan 州 Detroit 市のメンバー)が結成した。
元 JOSHUA の Robert Suchan がシンガー / ギタリストを務め、その他の結成メンバーはキーボード / ピアノの Sean Grogan, ドラムズの Dave Shettler ベースの Andrew Cameron で、4人だった。
1999年にデヴューEP(本作)をリリース。本作は GET UP KIDS の注目を引きツアーを共にしたほか、 GET UP KIDS が VAGRANT RECORDS 内に設立した HEROES AND VILLAINS と契約。2ndアルバム(2002年)までは VAGRANT からリリースされた。
1stフルアルバム(2000年)の後、セコンド・キーボーディスト Jared Rosenberg をくわえた5人編成の時期もあるが、2年後には Suchan, Shettler, Rosenberg, Ben Force (guitar/bass/vocals)の4人編成に戻っている。
その後ベーシストが Robert Pope に、ドラマーが Ryan Pope に替わって、DOGHOUSE から3rdアルバム(2005年)をリリース。
4thアルバム(2008年)も DOGHOUSE からリリースしている。
解散の告知がないので、 Wikipedia (英語版)でも現存の扱いだが、活動の実体はなく、バンドのウエブサイトは消滅している。
なお Robert Suchan が元いた JOSHUA の1stアルバムは1999年のリリースで、2002年の2ndの後2004年にシングルを発表して以後は活動がなかったが、2011年に新アルバムを発表している。

本作は1999年(October 26, 1999)に米国の DOGHOUSE RECORDS からリリースされた4曲収録のEP。

ololo.fm試聴・本作3曲目"Going To Happen"
youtube試聴・本作以外の KOUFAX

(コメント:犬丸)

JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR / LOCKWELD

NOISE GRIND

JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR はノイズ・ユニットとも言われる。環境音楽的な感じもあるスローな部分に、クラストにも聴こえるファストに畳み掛ける部分やミクスチャーっぽい部分等を交えて展開する。ラウド・ロックンロールな感覚もあり、グラインドコアやハードコア・パンクのファンから支持されている。

LOCKWELD はアヴァンギャルドなノイズバンド。グラインダーやチェインソーも使う。ダークでブルータルでインダストリアルなサウンドで、インパクトがある。

JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR は1996年に米国で結成した。
結成メンバーは Scott Hull, Tim Morse, Andrew Kokes の3人。2006年以後数人が加わった。
AGORAPHOBIC NOSEBLEED の Jay Randall も1998年から参加し、その後、メンバーは彼1人になっている。2011年に GRINDCORE KARAOKE レーベルからリリースされた3枚のアルバムは、いずれも Randall 一人により以前に録音されていたノイズのテープが音源。

LOCKWELD は1993年に米国 Ohio 州 Cleveland 市で結成した。
メンバーは APARTMENT 213 の Steve Makita と LEAGUE OF CRAFTY GUITARISTS の Karen Thomas の2人。

本作は1997年に米国の HEARTPLUG RECORDS からリリースされた JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR と LOCKWELD のスプリット・アルバム。それぞれ13曲と2曲を、合計で15曲を収録している。
JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR の本作録音時のバンドメンバーは SCOTT HULL と JAY RANDALL を含む3~5人の様だ(不確実)。

(コメント:犬丸)