LUNGFISH - rainbows from atoms 全曲試聴

EMO / INDIE ROCK

ギターは少しノイジーで、ヘヴィーで幾分ダウンテンポなサウンド。ヴォーカルも含めてややけだるく、 DC エモ・ロックの開拓者として知られるバンドだが、ノイズ・ギター・ロック (グランジ) の先駆けとも言えるし、ストーナーにつながる感覚も持っている。エクスペリメンタルでありながらも、また、パンクの感覚も失っていない。

LUNGFISH は1987年に、米国 Maryland州 Baltimore 市 (Independent City) で結成した。
結成メンバーは Daniel Higgs (vocals), Asa Osborne (guitar), John Chriest (bass), Mitchell Feldstein (drums) の4人。
その後、ベーシストは Nathan Bell を経て Sean Meadows に替わっている。
1990年に SIMPLE MACHINES からアナログ12インチ EP "Necklace of Heads" (8曲) をリリース。この作品の CD ヴァージョンは、後年 DISCHORD RECORDS からリリースされている。これが 1st アルバム (1st LP) とされている場合もある。
LUNGFISH は準解散状態 (DISCORD のページでは quasi defunct) の様で、最新作は2012年に DISCHORD RECORDS からリリースされた "A.C.R. 1999" と言う1999年録音のアルバムだが、最新録音作は2005年の "Feral Hymns" になる。
シンガーの Daniel Higgs は LUNGFISH 結成まではポストパンク~ハードコア・パンク・バンド REPTILE HOUSE のシンガー (1983年 - 1987年) をしていて、後に、ソロ作品やソロ・プロジェクト CONE OF LIGHT のリリースもある。現在 (2015年の記事で) はロングネック・バンジョー (首の長いバンジョー) とマウス・ハープ (ここでは jaw harp のこと)でライヴをしている。
Asa Osborne はデュオ・バンド TEAR JERKS で活動し、2002年には DISCHORD RECORDS からデュオ・プロジェクト PUPILS を、後には HOLY MOUNTAIN からソロ・プロジェクト ZOMES の作品をリリースしている。
Sean Meadows は、インディー・ロック・ファンには一番馴染みの深い名前だろう。 JUNE OF 44 や SONORA PINE など多くのバンドに参加し、 Tennessee 州 Chattanooga 市シーンのローカル・バンドにも参加している。
Mitchell Feldstein は ARBOURETUM のドラマーをしたほか、2巻の散文や韻文を上梓(じょうし)している。

本作は1993年に米国の DISCHORD RECORDS からリリースされた 2nd (3rd) アルバム。11曲。
バンド・メンバーは Daniel Higgs (vocals), Asa Osborne (guitar), John Chriest (bass), Mitchell Feldstein (drums) の4人。
録音は Inner Ear Studios で、プロデュースは Ian MacKaye がした。本作は長く廃盤状態だった。
こちらは2008年に DISCHORD RECORDS からリリースされた再発盤。リマスター。

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

N.Y. REL-X (NEW YORK REL-X) - she's got a gun / paranoia 全曲試聴

STREET PUNK

アンセミックなオールド・スクール・パンク・ロック、女性ヴォーカル。
オールド・スクールと書くだけでは判りにくいかも知れないが、つまり、曲はメロディックで極端ではないがアップ・テンポ。リズミックと言えば誤解がないだろう。
パンク・バンドの女性ヴォーカルと言えばコケティッシュな物や、その逆で性別不詳のだみ声やシャウト多用なども考えられるが、このバンドのシンガーは少しヴィブラートを効かせた歌唱をし、メロディーを生かすストレートなものだ。自然な女性らしさを出している。

N.Y. REL-X は2000年に米国 New York 州で結成した。

She's Got A Gun は2003年にドイツの DIRTY FACES からリリースされた、 NEW YORK REL-X のアナログ30cm盤EP。6曲収録。
後にCD-R でもセルフ・リリースしている。

Paranoia は2001年にドイツの DIRTY FACES からリリースされた、 N.Y. REL-X の CD EP 及びアナログ25cm盤EP。5曲収録。
最後の曲 “Open Your Eyes”は AVENGERS のカヴァー。

本作は2005年 (April 4, 2005) に米国の TKO RECORDS からリリースされた編集盤CD。11曲収録。
前記の2作品を収録している。アートワーク(ブックレットのフロント・カヴァー)ではアーティスト名は NEW YORK REL-X で、タイトルはなし(Self Title)となっているが、背表紙やカタログではアーティスト名は N.Y. REL-X で、タイトルは she's got a gun / paranoia となっている。
バンド・メンバーは Erika (vocals), Adi Evron (Bass), Jon (Drums), Murat (Guitar) の4人。ドラムズの Jon と言うのは DEAD CITY RECORDS や TKO RECORDS から作品のある KRAYS の Johnny Kray の事だ。

Ololo.fm試聴 - 本作6曲目 "She's Got A Gun" (アルバム "She's Got A Gun" 1曲目)
Ololo.fm試聴 - 本作7曲目 "No Fears"
Youtube試聴 - 本作8曲目 "End Your Life"
Ololo.fm試聴 - 本作8曲目 "End Your Life"
Ololo.fm試聴 - 本作9曲目 "Third World"
Youtube試聴 - 本作10曲目 "Pop Queen"
Ololo.fm試聴 - 本作11曲目 "Fuad's Delight"
Youtube試聴 - 本作1曲目 "Paranoia"
Ololo.fm試聴 - 本作1曲目 "Paranoia"
Ololo.fm試聴 - 本作2曲目 "Come And Gone"
Youtube試聴 - 本作3曲目 "Victims"
Ololo.fm試聴 - 本作3曲目 "Victims"
Ololo.fm試聴 - 本作4曲目 "proles"
Youtube試聴 - 本作5曲目 "Open Your Eyes"
Ololo.fm試聴 - 本作5曲目 "Open Your Eyes"

(コメント:犬丸)

DISCHARGE - End Of Days 全曲試聴

DISCORE

ディスコアが知りたければこの作品を聴けば良い。ディスチャージの音の「ディスコア」と言う言葉で説明する人はいないだろう。ディスチャージの音のハードコア・パンクと言うのがディスコアと言う言葉の定義なのだから。
それぐらいなのだから、今更音の説明でもないと思う。とは言え、メンバーも大幅に変わっていた時期もあり、サウンドも一定であったとは言えない。本作は出来の良いディスコアなのだけど、例えば彼らの代表作 "Hear Nothing See Nothing Say Nothing" と比べると、演奏にもいい加減な所がなく、音質も良く、ボーカルは(好き嫌いはあるだろうが)いかつくパワフルだ。問題なく良い演奏の名盤だろう。
と、なぜか突き放して書きたくなるのは、テキトーな所がない、柔軟性がない、安定感がある、と言う本作の特徴が、必ずしも昔からのファン(私のことです)が DISCHARGE に求めている物ではないからだろうか。 "Hear Nothing See Nothing Say Nothing" の魅力は、適当で柔軟な疾走感と、力強いと言うより力まかせでコントロール不十分な(ある意味投げやりな)ヴォーカル、かなり無理な展開で(強引に)メタルなソロが挿入される所等だろう。その辺りをチェック・ポイントとすると、本作などはグレードが高過ぎるのかも知れない。まったく個人的な感想だが、少しニュー・ヨーク辺りのメタルコアに近い音が入っている様な気もする。もちろん、自分の好みを昔からのファン全体の事のように書いてしまったのは、正確ではないだろうし、昔からのファンにもチェックしてほしい作品ではある。

DISCHARGE は1977年に英国 イングランド Staffordshire 郡(County) Stoke-on-Trent 市で結成した。
結成メンバーは Terence "Tezz" Roberts (結成時は vocals 、1977年から Drums にシフトし1980年まで参加、2001年から2006年まで再び参加、2014年から guitar で参加中), Royston (Roy) "Rainy" Wainwright (結成時は guitar 、1977年から Bass にシフトし1987年迄参加、2001年から再び参加中) の2人。
その直後 Nigel Bamford (bass 、1977年の一時期と2001年の一時期のみ参加), Anthony "Akko" Axon (drums、1977年の一時期のみ参加) を加え、程なく(1997年) "Tezz" の弟 Anthony (Thony) "Bones" Roberts (lead guitar 、1982年迄参加し、2001年から再び参加中) も加えて5人編成となった。
印象の強いシンガー "Cal" Morris も1977年中に参加している。
その後のメンバーの変遷は書ききれないほどで、最初期のメンバー(最初にあげた5人)の1人もいない時期もあった。
所々拾えば、1990年の再結成(第二期の始まり)のメンバーは Kelvin John "Cal" Morris (Vocal), Andrew "Andy" Green (guitar), Anthony Morgan (bass), Mika Karppinen (drums) の4人で、ドラムズには再結成直後の1991年に Karppinen に替わって "Garry" Maloney が復帰している。
2001年の再結成(第三期の始まり)のメンバーは "Cal" Morris, "Tezz" Roberts, "Bones" Roberts の3人で、ヘルパーで Nigel Bamford が加わっていた。すぐに Nigel に替わって正メンバーとして "Rainy" Wainright が参加した。これが5thアルバムのメンバーになる。

本作は第三期 DISCHARGE が2016年(April 29th)に各国の NUCLEAR BLAST RECORDS からリリースされた7thアルバム。15曲(34:43)収録。
前作6thアルバム(2007年)でシンガーが Anthony "Rat" Martin に替わっていたが、彼が脱退してすぐに、替わって Jeff "J.J." Janiak が加入している。 "J.J." は New Jersey 州出身で米国のバンド DEAD HEROES のシンガーだったが、 Stoke-on-Trent 市在住中に WASTED LIFE (2007年結成)のギタリストと知合ってそのバンドに参加していた(2009年 - 2014年)。2012年からは BROKEN BONES で Roberts 兄弟と共に活動している。
ドラムズは2006年から参加の David "Proper" Caution が担当。
後は "Rainy" Wainright (Bass), "Tezz" Roberts (Rhythm Guitar), "Bones" Roberts (Lead Guitar) の3人。

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全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

PROBOT - probot 全曲試聴

STONER / HEAVY ROCK

音楽性を一言で言うのが難しいが、パンク感覚で、しかしメタルの要素も強い、スラッジ、サザンロック、ロックンロール、クラシック・メタルなどのテイストも時には濃く、時には薄く感じられる音楽。へヴィー・ロック(All That Is HeavyのタイプのHeavy Rock)で、歪みはきつめで、アッパーで、ラウド。
一曲づつゲストがヴォーカルで参加していて、その顔ぶれがこのアルバムの持つ多様な要素を表している様に見える。1曲目から順に、 Cronos (VENOM), Max Cavalera (SEPULTURA, 等), Lemmy (MOTORHEAD), Mike Dean (C.O.C), Kurt Brecht (D.R.I.), Lee Dorrian (CATHEDRAL, NAPALM DEATH)+Kim Thayil (SOUNDGARDENのギタリスト), Wino (SAINT VITUS, 他多数), Tom G. Warrior (CELTIC FROST), Snake (VOIVOD), Eric Wagner (TROUBLE), King Diamond (King Diamond)+Kim Thayil (SOUNDGARDEN), Jack Black (TENACIOUS D) となっている。カッコ内にバンド名を書いたが、私でも半数近くは書いてなくても判る。まったくマニアックな人選だが、好きなバンド、好きなミュージシャンが多い。ヘヴィー・ロック/ストーナーのファンから、ブラック・メタルやスラッシュ・メタルのあたりのアンダーグラウンドなメタルのファンの中には、書いてなくてもほとんどすべて判ると言う人もいそうだ。

PROBOT は Dave Grohl のソロ・プロジェクトとして2001年にスタートした。彼がドラムズ、ギター、ベースの全楽器とバッキング・ヴォーカルを担当する。
Dave Grohl は1969年1月14日に、米国 Ohio 州 Warren 市で生まれ、 Virginia 州 Springfield 市で育った。
最初に加わったバンドは Washington, D.C. のハードコア・バンド SCREAM で、1986年 - 1990年の間参加し、その2枚のアルバムに加わっている。
その後、 NIRVANA に1990年から解散の1994年の間参加し、その2nd以後のアルバムに加わっている。
この間の1992年には最初のソロ・プロジェクト LATE! のアルバム(フォーマットはカセットテープのみ)をリリース。
NIRVANA が1994年に Kurt Cobain の死により解散した後は、1994年以後 FOO FIGHTERS に参加するとともに、2001年末から2002年始には QUEENS OF THE STONE AGE にも参加。2001年からはソロ・プロジェクト PROBOT も始め、2003年にインストのみのアナログ7インチ・シングル(2曲)を発表した。なお、 QUEENS OF THE STONE AGE の正式参加は2002年までで、2012年-2013年の間はセッション・メンバーとして参加。

今回ご紹介した作品は2004年に米国の SOUTHERN LORD RECORDINGS からリリースされた1stアルバム。11曲(52:45)収録。
他にシークレット・トラックが1曲あるので実際は12曲。今までのところ PROBOT の唯一のフルアルバム。

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(コメント:犬丸)

SPICKLE - right to remain silent 全曲試聴

STONER ROCK / SLUDGECORE

かなりユニークな曲がり系の、全曲インストのストーナー・ロック。その個性は強力。ひねくれたストーナー・ファンに気に入られそうなサウンドだ。

(ここまで解説:MAA)

SPICKLE は1994年から1995年にかけて米国 Louisiana 州 New Orleans 市で結成した。
結成メンバーは Paul Webb (guitar), Brett Davis (bass), Gregg Harney (guitar), Kenny Sumera (drums) の4人。
結成のきっかけは Paul Webb (後に HANG JAW) と Brett Davis (当時 DULAC SWADE) が、ニュー・オーリンズの Foucher Street の小さな2戸1の住宅に住んだ事だった。彼らは BROTHERHOOD OF IGNORANCE と名づけたバンドで、後には別のバンド DULAC SUEDE で共にジャムする様になった。
残りの2人 Gregg Harney (SOILENT GREEN, 2005年 - 2007年) と Kenny Sumera (ex- DULAC) は当時、ニュー・オーリンズの Decatur Street シーンで知られていたバンド THERMOS のメンバーであった。
その後 Paul と Kenny は N.O. INDUSTRY と言うバンドで演奏するようになる。さらに色々なバンドでのジャムでメンバーの繋がりが深まり、長いストーリーのすえに SPICKLE の誕生になる。ニュー・オーリンズ・シーンは、 EYEHATEGOD 一族から HOUSECORE の Phil Anselmo まで、繋がりが広くて深い。
SPICKLE は1998年に DULAC SWADE とのスプリット・アルバムでデヴューしたが、このアルバムには SPICKLE の作品が12曲収録されていたので、内容的には1stアルバムと言っても良い程だ。ゲストのドラムズで Mike Williams の名前が書かれているが、 New Orleans シーンの EYEHATEGOD のシンガー Mike Williams がインタヴューで SPICKLE に触れている事からすると、彼だろうか。
単独の1st作品は2000年にリリースされているが、これはアルバムと書かれているものの、8曲なので EP と書かれていることが多い。
最近は作品がなく、情報も少ないが、2015年時点でも活動中らしい。 Bret Davis は現在は HAARP (2005年結成) のベーシストもしている。

本作は2002年(January 1, 2002、あるいはJanuary 24, 2003)にリリースされたアルバム。12曲 (44:16) 収録。
1stと言うべきなのか、2ndと言うべきなのか、3rdと言うべきなのか判らない。
録音メンバーは Bret Davis (Bass), Gregg Harney (Guitar), Kenny Sumera (Drums), Paul Webb (Guitar) の4人。エンジニアは Chris George 、ミキシングは Chris George と JFC 。

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(資料:犬丸)

付記: DULAC SUEDE と言う綴りは間違いではありません。この綴りのバンドはほとんどの資料に出てこないが、 SPICKLE のウエブサイト SpickleWeb - story ではこの綴りになっている。また、 MUSICAL VOYAGE COMPOUND と言う所で1998年に行われたフェスの情報 Offbeat - Nine Mile Music にも見られる。 DULAC SWADE と DULAC SUEDE とは同じかも知れないし、時期が違うのかも知れない。 DULAC と言うのは省略形なのか、別バンドなのかも、この時期のデータはウエブ上に極めて少ないので、確認は難しい。(犬丸 2016/7/23)

METH MOUTH - life vice 全曲試聴

METALCORE / MOSHCORE / NEW YORK HARDCORE / OLD SCHOOL / NEW SCHOOL

ニュー・ヨークのメタリックなハードコア・サウンドが好きなら、耳になじんだ聴きやすいサウンド。その醍醐味を十分に盛り込み、とりわけモッシーな音楽性と、スケールの大きいダイナミックな音を聴かせる。
しぼり出すシャウト・ヴォーカルには悪さやダークな感じが充満。演奏もこれと同様だ。
そして、スピード感とビートダウンに、「どこでもあり」な粗暴なモッシュ・パートを常に予感させ、スリリングな展開が数多い。
かなりメタルな感覚でもあるちょっとした叙情ギター・ソロも、不穏な雰囲気であり、これが不吉な予感を増大させる。

METH MOUTH は2015年5月に、米国 New York 州 Syracuse 市で、5人が結成した。
2週間の相談の後、ジャム・セッション METH MOUTH としてスタートした。メンバーは Jordan Riesel (guitar), Brandon DiFabio (vocals), Matthew Witter (guitar), Jon Fleischmann (bass), Kyle Rivers (drums) の5人。彼らは異なった音楽的バックグラウンドを持っているが、やっているのは「彼らが聴きたいと感じるような音楽」だと言う。

今回紹介した作品は2016年(April 8, 2016)に、米国の IRISH VOODOO RECORDS からリリースされたアルバム。6曲収録なので、日本流に言えばニミアルバム。英語では普通は EP ですが、今回 "Full EP" と書いてあるのを初めて見ました。
ゲストでは、1曲目に Paul Williams (Desolated), 5曲目に Lenny Fletcher (Concrete), 6曲目に Sean Mott (GhostxShip) が参加。

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(コメント:犬丸)

HATE ETERNAL - Infernus 全曲試聴

DEATH METAL

ヴォリュームを上げて聴きたくなる様な、ブルータル・デス・メタル。
ファストなパートでは激走もするが、スローなパートも多く、整合性も高くスムーズに展開する。特にスロー・パートでのダークネスや叙情性が印象深い。
ヴォーカルは野太くパワーのあるグロウルを中心に変化に富んだアレンジ。
ギターのリフはダークなグルーヴのあるメロディーに満ちて、エクストリームから時には叙情性も感じさせる。
今回の作品では、特にテクニカルで複雑な印象を与ると言う事はないが、自然な程度にモダンではある。従って、正統的な音ながら、あまりオールド・スクールと言う感じはしない。
大層パワフルで気合も入っているが、肩に力が入っている感じはしない。演奏力だけでなく音楽的にも実力のあるアーティストが、生き生きと自由に演奏している。このアルバムに無い物といえば新鮮味だろうか。何か変わったものを求めるのではないなら、普通にデス・メタルが好きなら、心が熱くなる、楽しめる作品と言う印象だ。

HATE ETERNAL は1997年に米国 Florida 州 St. Petersburg 市で結成した。
初期メンバーはギタリスト/ヴォーカリストの Erik Rutan (現在残っているただ1人の結成~初期メンバー) と、ベーシスト/コ-ヴォーカリスト(ただし1998年から、2003年まで)の Jared Anderson 、ドラマーの Tim Yeung (2000年まで) 、ギタリストの Doug Cerrito (ただし1999年から、2000年まで) の4人。
Erik Rutan は MORBID ANGEL のギタリストだった(1993年 - 1996年, 1999年 - 2002年)人で、 HATE ETERNAL は、実質的には Erik Rutan のバンドと言えるだろう。
Jared Anderson は2006年没。ベースには Jared Anderson 以前に、セッション・メンバーとして Alex Webster が参加(1997年、及び2008年)していた。
Tim Yeung はその後 AURORA BOREALIS や DIVINE HERESY 、 MORBID ANGEL に参加。
Doug Cerrito は元 SUFFOCATION のギタリスト(1990年 - 1998年)。
バンド名は Erik Rutan が一時(1989年 - 1993年)参加していた New Jersey 州のスラッシュ~デス・メタル・バンド RIPPING CORPSE (1987年 - 1995年)の1992年のデモの曲タイトルに因む。なお、 HATE ETERNAL に2007年から2009年まで参加していたギタリスト/ヴォーカリストの Shaune Kelley も RIPPING CORPSE のメンバーだった。
HATE ETERNAL はメンバーの出入りが多い。3人編成の時が多く、ツイン・ギターの4人編成の時もある。

今回入荷する作品は2015年(August 21st, 2015)に、フランス/EUの SEASON OF MIST と米国の SEASON OF MIST からリリースされた HATE ETERNAL の6thアルバム。10曲(45:05)収録。
バンド・メンバーは Erik Rutan のほか、前アルバムから参加している JJ Hrubovcak (Bass) 、新参加の Chason Westmoreland (Drums) の3人。
JJ Hrubovcak と AURORA BOREALIS, GUTTURAL SECRETE, RUMPELSTILTSKIN GRINDER, SINISTER, SIX FEET UNDER や COFFINS (japan), MORTICIAN など多くのアートワークを担当する Mike Hrubovcak は兄弟で、2人のバンドが DIVINE RAPTURE だ。
Chason Westmoreland は BURNING THE MASSES (2005年 - 現在)のドラマー(2008年 - 現在)だが、 HATE ETERNAL には2014年に参加して、本作録音後、2015年の内に脱退している。
本作は、今までのすべてのアルバム同様、 Erik Rutan がプロデュースした。

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(コメント:犬丸)

Ololo.fm の試聴について

ADBLOCK PLUS を使用した場合、試聴サイト Ololo.fm のプレーヤーが表示されません。

次のいずれかの方法でプレーヤーが表示されます。
(1)ADBLOCK PLUS を、必要な間だけ停止する。
(2)ADBLOCK PLUS のオプションで、「ホワイトリストされたドメイン」のタブを開き、上の枠に「ololo.fm」と書き込んでその右の「+ドメインを追加」のボタンを押す。(下の枠内に「ololo.fm」が表示される)
ADBLOCK PLUS を使用していると、結構ホワイトリスト登録が必要な場合が出てきます。ホワイトリスト登録は簡単なので、時々「ololo.fm」を使うのなら、登録して置いたら良いのでは。

この記事は、現時点(2016年7月2日)での、OPERA ブラウザ最新ヴァージョン及び VIVALDI ブラウザ最新ヴァージョンにおいて、拡張機能に ADBLOCK PLUS 最新ヴァージョンをインストールして使用した場合のものです。多分グーグル CHORM ブラウザなど他のChromiumブラウザでも同様でしょう。さらに、多分Chromiumでないブラウザでも同じかも知れません。

(お知らせ:犬丸)