COUNT ME OUT - few and far between 全曲試聴

OLD SCHOOL NEW YORK HARDCORE

昔のストレート・エッジやユース・クリューを今聴くと、名作と言えども音質的には軽い目(それも悪くはありません)のものが多いと思うが、このバンドは、全く今のバンドと変わりがない。
勢いのあるストレート・エッジの音(楽曲はファスト)と、メッセージを感じさせるヴォーカル(やや高音で結構パワフル)という特徴も明白だが、このバンドはそれだけではない。ギターのリフなど結構メロディックで、全体の音も厚みがありほどほどにラウドで、さらにベースのパワフルなハズミ感等々、かなり「聴かせる」要素がある。なので1990年代のバンドながら、外国の記事ではMODERN OLD SCHOOLに入れられていることもある。
今来日してライヴをしても、まったく違和感がありませんね。それどころか、みんな行くでしょう。限定再流通のようなので、業者の方の在庫が終わってしまうと、永久に終わりかも知れません。

COUNT ME OUTは1997年に米国 Virginia州 Richmond市で結成した。
NEW YORK HARDCOREにはNew Jersey州のバンドも含めるのが普通だが、New York州と接している他の州、Pennsylvania州やVirginia州(IRON BOOTS等)のバンドでも含められるのもがあり、このバンドもNEW YORK HARDCOREにも入れられている。
本作のほかINDECISION RECORDSにEPとフルアルバム(12曲だが20分)を残して、2003年に解散した。

本作は1999年(June 1, 1999)にリリースされたデヴュー作のEP。6曲(13:07)。
結成時とは一部メンバーが替わっているが、Jason Mazzola (vocals), Pete Appleby (guitar), Garth Petrie (guitar), Charlie Flexon (bass), Colin Kimble (drums)の5人編成で、以後最後の作品までメンバーは替わっていない。ギタリストPetrieは1999年にメロディック・アナーコ・ハードコア・バンドSTRIKE ANYWHEREの結成に参加している(2015年現在もメンバー)。
LABEL: AMBASSADOR RECORDS (USA)

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(コメント:犬丸)

BITTER END - illusions of dominance 全曲試聴

NEW YORK STYLE HARDCORE / METALCORE

時代の変化など彼らの音楽には関係ない。ミドル・テンポ中心の、音楽的な展開の少ないオーソドックスなサウンド。これが、「90年前後のニュー・ヨーク・ハードコアにインフルエンスされて」という、彼らの結成当初からのスタイル。
音的にはメタリックなのでメタルコアではあるが、デス・メタルの影響はなく、スラッシュ・メタルの影響も感じさせない、もともとのNEW YORK STYLE HARDCORE直系のメタルコアだ。AGNOSTIC FRONT, BIOHAZARD, CRO MAGS, LEEWAY, MADBALL等に影響を受けていると言うが、それらと比べてもオーセンティックなスタイル。

BITTER ENDは2005年に米国 Texas州 San Antonio市で結成した。

本作は2015年(30 June 2015)にリリースされた3rdアルバム。10曲。
バンド・メンバーは5人。Nick Jett (TERROR, PIECE BY PIECE)がプロデュースした。
LABEL: DEATHWISH, INC. (USA)

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(コメント:犬丸)

ALL OUT WAR - dying gods 全曲試聴

METALCORE / NEW YORK HARDCORE

[最初にお断り:この作品、世間の評価では大変ダークだと言う事です。私には全般的にはたいしてダークに聴こえません。聴こえたままに書きますが、これは私だけの現象かも知れません。]
1曲目などスロー・テンポで始まり、結局最後迄スロー・テンポで通し、かなりダーク。3曲目もスローで重厚な始まり方だが、疾走スラッシュ・メタルになる。ギターはかなりメタル。6・7曲目あたりはスラッシュ・メタル。2・4・5曲目あたりはざくざくした、スカッとしたブルタリティーをたっぷり聴かせる。ミドルからスローの部分ではじっくりとモッシーに展開し、ファストな部分はスラッシュ・メタルになる。かなりメロディックで変化のあるアルバムだが、スラッシュ・メタル要素の強い、強烈すっきりエクストリームな(ミント味みたいな)作品、に聴こえた。

ALL OUT WARは1991年に米国 New York州 Newburgh市で結成した。
初期のメンバーは同地のハードコアバンドA.W.O.L.の3人、Darryl Quirk, Sam Carbone, Tom Connellyと Mike Scoreの4人編成等、メンバーの都合によりライヴごとに変化していた。2004年にシンガーMike Scoreがバンドでの活動を続けられないと言う理由で解散。2006年に彼も復帰して再結成している。

本作は2015年(June 23rd 2015)にリリースされたEP。7曲。
メンバーは5人。Steve Evetts (WONDER YEARS, ARCHITECTS, SEPULTURA, SUICIDE SILENCE)がプロデュースした。CDにはthree additonal tracksの digital download code付きと書いてありました。
LABEL: ORGANIZED CRIME RECORDS (USA)

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(コメント:犬丸)

FLAG OF DEMOCRACY - down with people (+ schneller!)

US HARDCORE / MELODIC HARDCORE

「2 in 1」仕様のお得盤。勢いのあるUSハードコアとキャッチーなメロディーのメロディック・ハードコアのブレンド。
ブレンドと言うより、本作3rdアルバム以後、後期の作品ではさらにメロディックになっている。ヴォーカルは、本3rdアルバムでは言葉を千切って投げるような感じ(いわゆる吐き捨て)や、初期パンク的なヴィブラートのかかった歌唱があり、まだこのバンドの初期のワイルドな雰囲気も色濃く残っている。演奏面でもファストでワイルドで、クレージーな感覚。

FLAG OF DEMOCRACYは1982年に米国 Pennsylvania州 Ambler市で結成した。その後同州Phildelphia市に引っ越した。

アルバム"down with people"は1990年に米国Philadelphia市のRAVEからリリースされた3rdフルアルバム。13曲。

アルバム"schneller!"は1993年にドイツのBITZCOREからリリースされた通算4thになるライヴ・アルバム。21曲。
通算する場合、ライヴ・アルバムや編集盤を入れないバンドが多いが、DIYなバンドや初期のバンドではそうでないことも多い。その様なバンドでは、日常的にはシングルやEPのリリースが中心で、順にそれを集めて編集盤のアルバムにするバンドや、ライヴ音源がメインのバンドもあるためだ。このバンドの場合も、このライヴ・アルバムを通算に加えていることが多い。
本作には1991年5月にドイツ Lubeck市のAlternativeで行ったライヴを収録している。初期の曲も、よりメロディックなアレンジで演奏している。
ただし10曲目("So You Wanna Be A Rock'N'Roll Song")のみ、1stアルバムを発表した1986年に録音された、地元Philadelphiaでのライヴ音源。

こちらは2015年(April 18, 2015)にリリースされた再発盤。35曲。
24チャンネル・オリジナル・マスター・テープからのリミックス、リマスターで"down with people"と "schneller!"を収録している。
ドイツBITZCOREリリースの"schneller!"はLPは21曲、CDはボーナス2曲を加えた23曲だったが、今回はLPヴァージョンに従い21曲を収録している。
LABEL: SRA RECORDS (USA)

Youtube試聴・アルバム"down with people"+ボーナス

(コメント:犬丸)

IDLEHANDS - dena mora 全曲試聴

POST-HARDCORE / INDIE ROCK / ALTERNATIVE ROCK

エクスペリメンタルのタグもつけられていて、インテリジェンスにあふれた品位の高い綺麗な音(ヴォーカルもギターもクリーンな音が特徴)で、重厚な雰囲気と同時にのびやかな艶がある。しかし、歌心にあふれた(ポスト・ハードコアとしては圧倒的にヴォーカル・パートが多い)、かなりオーソドックスで本格的なインディー・ロックという面もある。アトモスフェリックな音、ちょっとアコースティックな音や、軽快な要素もある気の利いた音で丁寧に織り上げられている。
米国のバンドらしくない湿り気があり、しっとりとした落ち着きや気品を感じさせる。(だからですかねえ、思っていたより米国での評価が低いのは。CIRCA SURVIVEや TIDES OF MANの名前が挙げられていますが、このバンドのほうが湿っぽいような気がする。)

IDLEHANDSは2011年に米国 California州 San Diego市で5人が結成した。

本作は2015年(May,19 2015)にリリースされた1stアルバム。11曲。
Kris Crummettがプロデュースした。
LABEL: HEADPHONE MUSIC (EQUAL VISION RECORDSのサブレーベル) (USA)

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(コメント:犬丸)

PET SYMMETRY - pets hounds 全曲試聴

EMOCORE

演奏は溌溂(はつらつ)としたポップから、静けき爽やかなサウンドから、轟音に近い豪快なサウンドまで巾広い変化に富む。サウンドの巾は広く音の処理にはテクニカルな部分もあるが、楽曲はメロディーを生かした素直なポップ・ソングあるいは素直なポップ・パンクで、バランスの良い音作りでとても聴きやすい。ヴォーカルは力強く歌っても明瞭でクリアーだ。ベテラン・ミュージシャン達だが、清純な印象を与える。
シンガーでサックス・プレーヤー、SKANKIN PICKLE / BRUCE LEE BANDの Michael ParkのレーベルASIAN MAN RECORDSの作品の入荷は久しぶりです。ALKALINE TRIOや LAWRENCE ARMSをデヴューさせた彼のレーベルに、いかにもふさわしい作品。

PET SYMMETRYは2012年に米国 Illinois州 Chicago市でINTO IT. OVER IT.の Evan Thomas Weissがサイド・プロジェクトとしてスタートさせた。
3人編成で、後2人はDOWSINGのメンバー、Erik Czajaと Marcus Nuccio。

本作は2015年(19 May 2015)にリリースされたデビュー・アルバム。10曲。
LABEL: ASIAN MAN RECORDS (USA)

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(コメント:犬丸)

UNWED - raise the kids 全曲試聴

MELODIC POST HARDCORE

エモコアとメロコアのミックスをオルタナティヴに進化させた、キャッチーで未来志向のサウンド。ポップな部分が同時にエクスペリメンタルになっていると言うウルトラCを披露。ちょっと不思議なポップネスが感じられる。こういう捻(ひね)った事をやっているのは、HOT WATER MUSICや SMALL BROWN BIKE、GAY FOR JOHNNY DEPP、PRIMITIVE WEAPONSをやってきたメンバーだという。なるほど。

UNWEDは米国 New York州 New York市 Kings区(通称Brooklyn)で結成した。
メンバーは米国各地から結成のためにNew Yorkに移動した。HOT WATER MUSICの Jason Black (Gainesville, Florida), GAY FOR JOHNNY DEPP及びPRIMITVE WEAPONSの Neltieと Arty Shepherd (Brooklyn, New York), SMALL BROWN BIKEのMatt Kaneと Jeff Gensterblum (Marshall, Michigan)の5人。

本作は2015年(April 14, 2015にリリースされた1stアルバム。10曲。
LABEL: 6131 RECORDS (USA)

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(コメント:犬丸)

GOATSNAKE - black age blues 全曲試聴

DOOM / STONER / SLUDGE

ブルージーな曲で始まる。その後もブーギーのリズムやハーモニカ(ブルージーな音)をフューチャーするなど、アメリカーナな、あるいはサザンロック的な要素が聴かれる。混声のコーラスも少しソウルフル。(説明しなくても良いのかなあ、、、「混声」という言葉は「男声と女声の混声」という意味です。)
一方で音響的には、現代的な刺激性のある、あるいはスラッジーな要素のあるロックであり、ヴィンテージな音と言うのとは違う。サウンド的な面白さは追求しておらず、メロディーや音に浸りきると言うものではない。ハードコアな感覚も強め。
のたうつようなメロディーを、コーラスを従えて、かなりノーマルな声で歌う。

GOATSNAKEは1996年に米国 California州 Los Angeles市で4人が結成した。
結成メンバーはギタリストがGreg Anderson (1998年の結成からSUNN O)))に参加), シンガーがPete Stahl , ベーシストがGuy Pinhas (1977年結成のOBSESSEDに1992年から96年まで参加、1993年結成にACID KINGに1999年から2005年まで参加), ドラマーがGreg Rogers (OBSESSEDに1991年から参加)。2001年に解散し、2004年にGreg Andersonが新メンバー3人と再結成した。その後2010年には結成メンバー全員が復帰していたが、2015年からベースが交代している。

本作は2015年(June 2nd, 2015)にリリースされた3rdアルバム。9曲(47:23)。
昨年から制作していたようだが、新ベーシストのScott Rennerの名前がクレジットされている。他3人は結成メンバー。
LABEL: SOUTHERN LORD (USA)

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(コメント:犬丸)

FLAG OF DEMOCRACY - hate rock (+ everything sucks)

US HARDCORE / MELODIC HARDCORE

「2 in 1」仕様のお得盤。勢いのあるUSハードコアとキャッチーなメロディーのメロディック・ハードコアのブレンド。3rdアルバム以後メロディックな要素を強め、本作5thアルバムでは思う存分メロディーを歌い、コーラスも多用し、個性を完成させている。UKメロディックSNUFF等の影響大なバンドだ。ギター・リフ等はかなりSNUFF的。しかし疾走感のもたらすラフな感覚もある所が一層魅力的。

FLAG OF DEMOCRACYは1982年に米国 Pennsylvania州 Ambler市で3人が結成した。
その後、同州Philadelphia市に引っ越した。

アルバム"hate rock"は1994年にドイツのBITZCOREからリリースされた5thフルアルバム。17曲。
このバンドは欧州での人気も高く、4thアルバムから6thアルバムまではBITZCOREがリリースしている。

アルバム"everything sucks"は1996年にドイツのBITZCOREからリリースされた6thフルアルバム。12曲。

こちらは2015年(April 18, 2015)にリリースされた再発盤。29曲。
24チャンネル・オリジナル・マスター・テープからのリミックス、リマスターで"hate rock"と "everything sucks"を収録している。
LABEL: SRA RECORDS (USA)

Youtube試聴・アルバム"hate rock"1曲目"King Size Twisted"
Youtube試聴・アルバム"hate rock"2曲目"Souse"
Youtube試聴・アルバム"hate rock"5曲目"Paranoid"

(コメント:犬丸)

NORTHERN FACES - s/t 全曲試聴

INDIE ROCK / ALTERNATIVE

隅から隅までポップだけれど、どこをとっても軽い哀愁やメランコリックな雰囲気が漂い、青春の甘さすっぱさとアダルトな落ち着きが混ざったような、若いのにおっさん臭い、、、じゃなくって、奥行きを感じさせる不思議な響き。
とりわけ音の面でも工夫が凝らされていて、新時代を先導して行きそうな作品。オルタナティヴなエモを中心に、AORメタル、ハードロック等の要素を含む。2人のギタリストはエフェクターを使いまくり、彼らのサウンドに、アトモスフェリックというのに近い浮遊感を、与えている。

NORTHERN FACESは2012年始めに米国 New York州 Upstate New York(州の中心部(一般的にはニューヨーク市とロング島)を除く全域)地域で結成した。
もともとBryan Shortell (vocals and guitar), Marco Testa (vocals and guitar), Matt Ippolito (bass)の3人で結成したが、その後Mike Ryan (drums)を加えた4人編成になっている。

本作は2015年(June 10th, 2015)にリリースされた1stアルバム。10曲。
LABEL: EQUAL VISION RECORDS (USA)

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(コメント:犬丸)

NOISEM - blossoming decay 全曲試聴

DEATH METAL / GRINDCORE / HARDCORE

告知にもある通り、TERRORIZER, REPULSION直系の、いまどき珍しいような強烈ハードコア。
ダークなパート入りの、ダーティー&ロウな爆走ハードコア。わめき散らし型のロウなヴォーカルは、かなりパンク感の強いハードコア・スタイル。サウンドもややダーティーなグルーヴ感のある勢いあふれる物で、メタリック・クラスト、ダーク・クラスト、ディスコア、メタルコアのユースクリューなど、90年代のハードコア、トラディショナル・ハードコアなどのファンにも聴きやすいサウンドだ。一部4~5分の曲(これはダークなパートの入る曲)もあるが、2分前後のショート・カットの曲が多い。実は1stではデス/スラッシュ・メタルだったようなのですが、6曲目・7曲目など、もろハードコアじゃないですか。8曲目はグラインド、その他グラインディング・デス・メタルな曲もある。

前身バンドのNECROPSYは2007年に米国 Maryland州 Baltimore市で結成した。
その後2013年にNOISEMに改名した。

本作は2015年(06 June 2015)にリリースされた2ndアルバム。9曲。
バンド・メンバーは4人。
LABEL: A389 RECORDINGS (USA)

bandcamp全曲試聴
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(コメント:犬丸)

BANTORIAK - weedooism 全曲試聴

PSYCHEDELIC DOOM

エクスペリメンタル、アトモスフェリック、サイケデリックなストーナー/ドゥーム。
インドのガンジス川からカリフォーニアの砂漠(デザート・ロック)までの要素を取り入れたサイケ・ドゥームと言う。Sunn o)))辺りから追求されてきたサウンドだが、このバンドはサイケ色が強めだ。この種のサウンドも、現在では(あるいは、彼らの音の場合は)安定感の高いものになっている。エクスペリメンタルな音が、くつろいで聴ける音でもあるという、この不思議な現象。

BANTORIAKはイタリア Livorno市/Genova市でIzio Orsiniが始めたプロジェクト。

本作は2015年(April 13th, 2015)にリリースされた1stアルバム。6曲。
ドラムズにはセッション(録音)メンバーとしてスラッジ/ブラック・メタル・バンドEREMITE のFabioが加わり、ゲストではヴォーカルにRosy (デス・メタル・バンドPROFANAL)と Giacomo (SMALL STONE RECORDINGSのストーナー・バンドISAAK)が参加している。
LABEL: ARGONAUTA RECORDS (イタリア)

Ololo.fm試聴・本作1曲目"Entering The Temple"
Youtube試聴・本作2曲目"Lysergic Tantra"
Youtube試聴・本作3曲目"Try To Sleep"
Ololo.fm試聴・本作4曲目"Hidden Number Two"
Ololo.fm試聴・本作5曲目"Smoke The Magma"
Youtube試聴・本作6曲目"Chant Of The Stones"

(コメント:犬丸)

VARIOUS ARTISTS - slatanic slaughter: a tribute to slayer (vol.1 + vol.2) 全曲試聴

THRASH METAL / SPEED METAL / DEATH METAL / BLACK METAL

有名なトリビュート・アルバムで、23バンドありますので、それぞれの説明は省略。
大部分は有名バンド。知名度の低いバンドも5~6バンドありますが、その中に特に注目バンドはありません。
変な事をしているバンドがないため、バンドの基本的な音の違いははっきりと聴けますが、それ以外に目立つ所はありません。原曲を良く知っていると、1曲1曲が面白いのかも知れません。

"slatanic slaughter a tribute to slayer"は1995年にスウェーデンのBLACK SUN RECORDSからCDとアナログ盤のLPでリリースされた編集盤。11曲。
THRASH METAL, SPEED METAL, DEATH METAL, BLACK METALのバンドによるSLAYERトリビュート。参加バンドはDISSECTION, HYPOCRISY, MERCILESS, AT THE GATES, INVOCATOR, ENSLAVED, EDGE OF SANITY, SEANCE, CEMETARY, CROWN OF THORNS, GROPE。各バンド1曲づつを収録。

"slatanic slaughter ii : a tribute to slayer"は1996年にスウェーデンのBLACK SUN RECORDSからCDでリリースされた編集盤。12曲。
"slatanic slaughter a tribute to slayer"の続編にあたる。参加バンドはNECROPHOBIC, LUCIFERION, CRADLE OF FILTH, SINISTER, BENEDICTION, LIERS IN WAIT, COFFINMAN. MALEVOLENT CREATION, VADER, ANATHEMA, UNANIMATED, DISAFFECTED。各バンド1曲づつを収録。

2枚組の"slatanic slaughter : a tribute to slayer"は2004年に英国のBLACKENDからリリースされた編集盤。23曲。先述の2枚の編集盤をセットにしたもの。

こちらは2015年(18.05.2015)にリリースされた再発盤。先述の2枚組の再発。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

Youtube試聴・DISC 1の分
Youtube試聴・DISC 2の分

(コメント:犬丸)

* FALCONER - falconer 2cd (2015 digibook issue) 全曲試聴

VIKING METAL

メロディックなヴァイキング・メタル。歌物のような感じを与えるほど、本作1stアルバムでは「歌」とその「メロディー」を前面に出している。
ヴォーカルはやや高音中心の伸びやかなクリーン・ヴォイスで、うねうねとした節回しをして、オペラのように堂々と歌う(パワフルな声という意味ではない)。
楽曲面では、フォーキーなメロディーを大々的に取り入れ、アコースティック・ギターを入れるなど、ヴァイキング/フォーク・メタルというコンセプトを全面的にもっている。
演奏面ではメタル性が高いのも特徴になっている。多少エピカルだがそれ以上に快適な疾走感を中心に置き、NWOBHM直系のパワー・メタル、スピード・メタル、メロディック・メタルと言った要素がある。

FALCONERは1999年にスウェーデン Mjolbyで結成した。
その年解散したヴァイキング・ブラック・メタル・バンドMITHOTYNのギタリストであったStefan Weinerhallが結成した。現在も在籍する3人はその年のうちに参加したようだが、1999年録音のデモでは正式メンバーはWeinerhallのみになっている。以後2ndまでは3人編成、2003年の3rdアルバム以後は5人編成になっている。

本作は2001年(May 8th, 2001)にリリースされた1stアルバム。US盤10曲(51:47)とボーナス入りのUK盤11曲(56:38)。

こちらは2015年(20.04.2015)にリリースされたデジブック2枚組再発UK盤。
DISC 1がアルバムのPer Tyrssons Dottrar I Vangeを追加収録ヴァージョン。11曲(56:36)。
DISC 2には1999年録音のデモの全曲(4曲)と本アルバム収録曲からの3曲のAcoustic Version 2015を収録。7曲(35:50)。
LABEL: METAL BLADE RECORDS (UK)

Youtube全曲試聴(DISC 1の分)
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(コメント:犬丸)

NECROMANTIA - ancient pride 全曲試聴

BLACK METAL

メロディックでテクニカルな発展型初期ブラック・メタル。
ギリシャの初期ブラック・メタルの名盤を残しているTHOU ART LORDのメンバーも参加しているバンドで、結成もこちらのほうが早く1980年代末に結成している。本作はそれほど初期ではない、1997年作EP。音色面では初期ブラック・メタル由来の感覚も保っているが、オリジナリティーにも富んでいて、手の込んだアレンジを聴かせている。メロディーにはフォーク調もあり、フルート、アコースティック・ギター、ピアノなども用いる。斬新な展開や変則リズムなど、エクスペリメンタルな部分もある。4曲目はMANOWARのカヴァー。ヴォーカルが全然違うが、NECROMANTIAなりにかなりメタルをやっている。

NECROMANTIAは1989年にギリシャ Attica州 Αθήνα(Athens)市で2人が結成した。翌年にはギターとサックスが加わり4人編成になり、その後増減している。

本作は1997年(January 29th, 1997)にOsmose Productionsからリリースされた4曲入りEP(21:29)。
バンド・メンバーは5人。録音は前年(October 1996)。

こちらは2015年(May 7th, 2015)にリリースされた再発盤。
品番がオリジナルと同じだが、ボーナス曲"Spiritforms Of The Psychomancer"が追加収録されている。この曲は、1995年にリリースされた2ndアルバム"scarlet evil witching black"の録音セッションからのようだ。
LABEL: OSMOSE PRODUCTIONS (フランス)

Youtube全曲試聴(今回の再発には"Number of The Beast"は収録されていません)
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

NORTH - metanoia / siberia 全曲試聴

ATMOSPHERIC SLUDGE

ダークでヘヴィーなスラッジに、浮遊感や翳った雰囲気のあるアトモスフェリック要素等を加えている。
ハーシュでメタリックな部分から、エコーのかかった奥行きの深さを感じさせるアトモスフェリックな部分、美しいインスト・ポストロックの部分まで連続したサウンド。インスト・パートも多く、じっくり聴かせるインスト曲もある。一方、ヴォーカル・パートではヴォーカルを中心にして「歌」の比重が高い。

NORTHは2005年に米国 Arizona州 Tucson市/Phoenix市で結成した。
メンバーは時期により3人か4人ぐらい。

"metanoia"は2014年(11 March 2014)にアナログ12インチ盤とカセットテープとデジタルとCD-Rでセルフ・リリースしたEP。4曲(25:16)。バンド・メンバーはVocal/Bass: Evan Leek, Drums: Zack Hansen, Guitar: Matt Mutterperl。
"siberia"は2006年(01 May 2006)にCDでセルフ・リリースし、2007年(28 Mar 2007)にドイツの6-60 RECORDSからアナログ12インチ盤でリリースされたEP、または1stアルバム。8曲(33:34)。バンド・メンバーは同じ。

こちらは2015年(UK:EU 22 May 2015/ North America:June 2, 2015)にリリースされた再発盤。12曲。
EP "metanoia"とアルバム"siberia"をCD1枚に収録した。
LABEL: PROSTHETIC (各国)

bandcamp試聴・EP "metanoia"の全曲
bandcamp試聴・アルバム"siberia"の全曲

(コメント:犬丸)

外国インディーズの入荷状況についてのご報告

メインの入荷先は、米国がREV DISTRIBUTION、英国がPLASTIC HEAD MUSOIC DISTRIBUTIONです。

REV DISTRIBUTIONはニュー・ヨーク・ハードコアを中心としたメタルコア、その関連のジャンルであるEMOCOREからインディー・ロックのスペシャリストで、それを中心にUSハードコアやUSパンクも多く扱っています。米国のレーベルが中心ですが、メタルコア系のレーベルであれば欧州のレーベルなども扱い、エクスクルーシヴも米国のレーベルに加えて、多少の欧州などのレーベルもあります。

PLASTIC HEAD MUSOIC DISTRIBUTIONは元々ブラック・メタルとデス・メタルのスペシャリストと言えますが、エクスクルーシヴには、比較的初期からパンク系レーベルも含まれていました。最近は取扱ジャンルがどんどん増えてきて、エルヴィス・プレスリーもビートルズもマイルズ・デイヴィスもエクスクルーシヴの商品に見られるようになっています。当店の場合はブラック・メタル、デス・メタル、ストーナー、その他の変な音楽を主にここから入荷しています。エクスクルーシヴは欧州のレーベルが多いのですが、ジャンルによっては米国や日本のレーベルもエクスクルーシヴとして扱っています。

以上の2社以外にも、副次的に使っていた卸業者(たいていの時は複数)があります。これはそれほど深い付き合いではなく、時々使う業者は替わりましたが、最近使用可能な業者がどんどん減ってきています。1社だめになるごとに、あるいはそうでなくても、より安い目の価格で欲しい物が入る業者を探してきましたが、もう新たな入手先を見つけることは困難なように思われます。
だめになるというのはどういうことかといいますと、扱う物がどんどん減ってくる、価格が上る、扱っていると言っているが注文しても無い物が増える、人手不足のためか異常に反応が遅くなる、発送時に商品が不足して一旦請求あるいは領収した代金の一部を返金してくる事が増える(本来はめったにないはずのこと)、などです。要するに、誰が見ても終わりかけている感じです。

問題のあるジャンルの入荷状態

パンク系レーベルもPLASTIC HEAD MUSOIC DISTRIBUTIONのエクスクルーシヴであるにもかかわらず、最近、そのエクスクルーシヴのレーベルの新譜でいつ注文しても入らない物が多くあり、これが原因で主に英国のパンク系CDの新譜の入荷や旧譜の再入荷が悪くなっています。入れるつもりはあり、発注はしていますが、どうにもなりません。

メロコアはREV DISTRIBUTIONの主要な商品でもあったように思いますが、最近は同社の取り扱いが少なくなっているように思います。FAT以外は余りありません。FATも旧譜は早々に取扱いがなくなってしまいます。インディーズでの新譜自体が少ないからかも知れません。またFATにしても、プレス数が以前よりずっと少なくなっていると言う事でしょうか。最近では、メロコアの売場がめっきり少なくなりました。申し訳ないことですが、どうにもなりません。

デス・メタルはPLASTIC HEAD MUSOIC DISTRIBUTIONからの入荷には問題ありませんが、REV DISTRIBUTIONは専門外のジャンルと言う位置づけで、取扱いを減らしているように見えます。VICTORYレーベルがある時期から時々デス・メタルをリリースしていますが、REV DISTRIBUTIONは当初はVICTORYのデス・メタルを扱っていましたが、最近は扱っていません。もちろんデスコア寄りかどうかと言った、音楽性によって対応は異なると思います。このような状況ですので米国やカナダのデス・メタルは以前より入荷状態が悪いと思います。

現在、もっとも問題があるのがスラッシュ・メタルです。スラッシュ・メタルはPLASTIC HEAD MUSOIC DISTRIBUTIONも扱っています。しかし同社に多いマニアックな物はあまり需要が無く、日本で紹介されているある程度メジャーなバンドが必要なため、副次的に使っていた卸業者からの入荷が主でした。この部分、使用可能な業者がどんどん減っていて、今後は入荷が極めて少なくなる見込みです。結構近いうちに半滅とか言う事になりかねませんので、お知らせしておきます。

(犬丸)

DOOMBRINGER - grand sabbath 全曲試聴

DEATH METAL / BLACK METAL

ダークでサタニックなロウな中にあやしげな美しさも漂うサウンド。ラウドな中に退廃的な叙情性を感じさせる。
サウンドはダークなオールド・スクール・デス・メタルに近いが、サタニックでロウなブラック・メタルの感覚を持ち、全編ほぼスロー・テンポでドゥーミーに黒く塗りこまれている。

DOOMBRINGERは2007年にポーランド Kielce市で結成した。
BESTIAL RAIDSと CULTES DES GHOULESのメンバー4人のサイド・プロジェクトとしてスタートした。

本作は2014年(October 31st, 2014)にリリースされた1stオリジナル・アルバム。7曲(43:30)。
LABEL: WAR NOW! PRODUCTIONS (USA)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

GALVANO - trail of the serpent 全曲試聴

SLUDGE METAL

グルーヴとスピード感のあるプログレッシヴ・スラッジ・メタル・バンド。
プログレッシヴではあっても、かなりロケンロールな乗りの良い演奏。ファストな訳ではないが、ざくざくしたスピード感のある演奏でもあり、スウェーデンのスラッジ/ドゥーム系というと予想されるような、サイケやブルーズ要素のあるバンドとは全然違う。演奏の「重さ」は曲により多少異なる。

GALVANOは2005年にスウェーデン Gothenburg市(kommun)で3人が結成した。
2010年のデンマークが初のツアー。同年にBilly Andersonのミックスとマスターにより録音した曲は、翌年アナログ盤10インチでスプリットEPとして発売された。2011年のツアー後に4人目のベーシストと別れ、以後デュオとして活動している。
現在の彼らの音を聴くとBilly Andersonというのはしっくり来ないのですが…どんな作品だったのでしょう。

本作は2015年(May 25th 2015)にリリースされた2ndアルバム。4曲(41:40)。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

Youtube試聴・本作1曲目"Gathering" [Lyric Video]
ololo.fm試聴・本作2曲目"Following The Trail"
ololo.fm試聴・本作3曲目"Stench Of Prey"
ololo.fm試聴・本作4曲目"Driven Snow"

(コメント:犬丸)

SEREMONIA - kristalliarkki 全曲試聴

HEAVY PSYCHE / PSYCHEDELIC STONER

スペーシーでサイケデリックなストーナー(~ドゥーム)。ヘヴィー・サイケ。
サイケ性の強い曲はややアヴァンギャルドな雰囲気がある。スオミ(フィンランド語)の女性ヴォーカルで心地良いメロディーをユルユル聴かせておいて、大変器用なギターがビュンビュンとスペーシーな音をとばしたり、強烈にサイケデリックな音をはさんだり、ファズを効かせたローファイな音を出したりして、曲調を変化させて行く。メロディーに若干トラッドの要素があり(そうで)、フルートもその感じを出している(と思う)。シンセも3人が担当していて、静かな物からアッパーな物まで、全般に変幻自在に音を出す能力のあるバンドだ。

SEREMONIAは2010年にフィンランドHelsinki等の4人が結成した。
その後ギター等の1人が加わり5人編成になっている。メンバーは各地の色々なバンドでも活動している人たちだ。

本作は2015年(08 May 2015)にリリースされた3rdアルバム。10曲(43:57)。
LABEL: SVART RECORDS (フィンランド)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

FOGG - high testament

STONER / HEAVY PSYCH

落ち着いて沈む事のできるサイケデリック・ストーナー。
ヴォーカルは若いOzzyがヘロヘロになった感じで、サウンド全般は70年代のヘヴィー・サイケ(BLUE CHEERRなど)の影響を受けている。へなへなしたヴォーカルの陶酔感、ヘヴィーすぎずにファジーなギターの響き、テイスティーなメロディーを聴かせるオルガン、それだけでも魅力のあるそれぞれのパートの音とメロディーが撚り合わされ、一体となって紡ぎだすサイケデリックなサウンド。あやし過ぎますね。

FOGGは2012年12月に米国 Texas州 Fort Worth市で高校などで知り合いだった3人が結成した。
結成メンバーはdrummer Ethan Lyons, guitarist Chase Jowell, bassist / vocalist Brandon Hoffmanで、現在まで変わりない。全員Fort Worth出身またはFort Worth育ちで、2014年8月のインタービュー時点で、Chaseが19歳、Brandonが21歳、Ethanが22歳と若い。
2013年にカセット・テープでセルフリリースした1stアルバム"death"は好評で、アナログLP化され、現在はデジタル・リリースされている。やはりヴォーカルがLSDかなにかでstoneしてるような感じなのが、とりわけ人気のようだ。こういう音楽は子供に聴かせちゃだめです。

本作は2015年(23 June 2015)にリリースされた2ndアルバム。7曲。
録音とミックス及びゲストのオルガンはRyan Lee。
LABEL: TEE PEE (USA)

Youtube試聴・本作5曲目"Mountain"
本作からの試聴がまだ1曲しかないので、前のアルバムの試聴も付けておきます。
bandcamp試聴・前のアルバム"death"の全曲(音質が悪い)
元々アナログでリリースされた作品だからか、bandcampの音がややラウドすぎます。アナログから起したと思われる次のsoundcloud試聴(4曲だけです)の方が音が良いと思うのでお奨めします。
soundcloud試聴・前のアルバム"death"のLPのA面

(コメント:犬丸)

KOMMANDANT - architects of exterminaton 全曲試聴

BLACK METAL

アヴァンギャルド・ブラック・メタル。
ラウドでシンフォニックな印象の部分があることや、合唱などがクラシック音楽的・宗教曲的であったり、歌唱でも台詞(セリフ)でもない部分がシアトリカル(演劇的)な雰囲気を感じさせること等で、他のアヴァンギャルド・ブラックとはやや印象が異なる。独自のアヴァンギャルド・ブラック・メタルだが、エクスペリメンタルと言っても良いのか、ややゴシッキーなのか。

KOMMANDANTは2005年に米国 Illinois州 Chicago市で結成した。
2008年に1stアルバムをリリース後、2010年から2012年にかけてメンバーが一新されていて、結成メンバーでは、ex-CIANIDE (1996-2001年の間参加)のギタリストJim Bresnahanだけが残っている。彼以外の全員(2~3人)がex-NACHTMYSTIUM (2002年のライヴ盤の頃のメンバー)になっている。

本作は2015年(04 May 2015)にリリースされた3rdアルバム。7曲(38:34)。バンドメンバーは3人。
LABEL: ATMF (AETERNITAS TENEBRARUM MUSICAE FUNDAMENTUM) (イタリア)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

DECREPIT BIRTH - polarity 2015 re-issue 全曲試聴

DEATH METAL

テクニカルなブルータル・デス・メタル。
変則リズムも多いし、1曲の中でのリズムの変化もめまぐるしい。
とりわけテクニカルという点ではギターの存在が大きい。ギターは、ピロピロ系で駆け巡る複雑なメロディーも多く、メロディックな物をはじめ様々なスタイルのソロを聴かせる。ピロピロとツイン・ギターがハーモニーするあたりがその頂点。
メロディーもリズムも含め、曲調の展開が激しく、どの曲もアルバムのトレイラーのごとき複雑な展開をする。ブルータルなサウンドが途中でフェイドアウトしてアコースティック・ギターのサウンドになる編集もあり、まさにトレイラーの感覚だ。アクロバット的であり、プログレッシヴの域にも達している。
ヴォーカルは野太いグロウル。ドラムズとギターがあまりに目立つからか、ヴォーカルはしっかり歌っているが目立たない。

DECREPIT BIRTHは2001年に米国 California州 Santa Cruz市で結成した。
初期のドラマーがはっきりしないが、ドラマーが未定の4人程度でスタートしたのかも知れない。

本作は2010年(July 27th, 2010)にNUCLEAR BLAST RECORDS/NUCLEAR BLAST AMERICAからリリースされた3rdアルバム。
ジュエルケース通常盤は11曲、デジパックは1曲追加の12曲収録。
ギタリストDan Eggersは正式メンバー(2008-2010)だったが、参加アルバムは本作のみで、3曲のソロを担当している。またインスト曲である11曲目とボーナス・トラックは、ゲストがドラムズを担当している(バンドのドラマーは不参加)。
Encyclopaedia Metallumの17件のレヴューの評価平均は、彼らのアルバムで一番高い82点(2015年06月08日13:47データ取得)。

こちらは2015年(25.05.2015 Europe / 09.06.2015 USA)にリリースされたデジパック再発盤。12曲(42:45)。
ボーナス・トラック"See Through Dreams (Death cover)"も収録されています。
LABEL: METAL MIND PRODUCTIONS (ポーランド)

musicmp3全曲試聴(ボーナス曲を除く)
Youtube試聴・ボーナス曲"See Through Dreams"

(コメント:犬丸)

DOMINATION - bonded by misery 全曲試聴

BEATDOWN HARDCORE

リアル・ビートダウン・ハードコア。
メタリックなギターとスラッシーに激しく刻むリズムから強力なブレイクダウン。サグさは少ない目で、ヴォーカル演奏共にタフさがむんむんと充満。ミドルテンポのパートもワイルドに荒れ狂う、ダイナミズムとエナジーのあふれるサウンド。

DOMINATIONは2010年に米国 California州 San Jose市で結成した。
今までにEPとアルバムがある。

本作は2014年(28 November 2014)にリリースされたEP。7曲。
LABEL: INNERSTRENGTH RECORDS (USA)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

TOY DOLLS - olgacoustic

STREET PUNK / OI PUNK

2015年ニュー・アルバム。
アーティストはTOY DOLLS表記だが、ヴォーカルとギターを担当するフロントマンMichael "Olga" Algarの寝室でレコーディングした、セルフ・カヴァーのアコースティック・アルバム。ベスト・アルバム的な選曲だ。実質ソロ・アルバムだが、Olga以外はメンバーも流動的で、TOY DOLLS=Olgaといえるし、実際TOY DOLLSそのものの音楽性のアコースティック・ヴァージョンだ。

TOY DOLLSは1979年10月に英国 England(Country) Tyne and Wear州 Sunderland市(ユニタリー)で4人が結成した。
現在は Durham州(ユニタリー)の Newton Hall村(Housing estate)を本拠とする3人のバンド。

本作はTOY DOLLSの35周年になる2015年(25th May 2015)にリリースされたアコースティック・アルバム。15曲。
16枚目か17枚目ぐらいのアルバムになる。Olgaの寝室でヴォーカルとギター1本で録音され、オーヴァーダウやハーモニーは付け加えられていない。
LABEL: SECRET (UK)

Youtube試聴・本作4曲目"Idle Gossip (Acoustic)"
Youtube試聴・本作2曲目"Dig That Groove Baby (Acoustic)"
Ololo.fm試聴・アルバム"album after the last one"の収録曲"Fiery Jack (Olga Acoustic Recordings)"
Ololo.fm試聴・本作収録外"Cloughy Is A Bootboy (Olga Acoustic Recordings)"

(コメント:犬丸)

CONTINUUM - hypothesis

DEATH METAL

テクニカル・ブルータル・デス・メタル。試聴曲"A Surreal Descent"も、いきなり高速超テクニカル・ギターが縦横に駆け巡る。ドラムズも含め、めまぐるしい程のテクニカルな聴かせ所の連続だが、要所をきっちり押さえた知性的な展開で、大変綺麗にまとまっている。試聴曲の終わり方も綺麗ですね。彼らのサウンドはテクニカルなだけにとどまらず、プログレッシヴと言っても良い。また、ギターの活躍が目立つため、メタル寄りにも聴こえる。

CONTINUUMは2009年に米国 California州 Santa Cruz市で結成した。
シンガーは同じUNIQUE LEADERのテクニカル・ブルデス・バンドINANIMATE EXISTENCEにも参加していた、現在はSON OF AURELIUSの Riley McShane。
そのほか、リード・ギターが現DECREPIT BIRTH (UNIQUE LEADER/NUCLEAR BLAST)で ex-ANIMOSITY (BLACK MARKET ACTIVITIES)のChase Fraser、リズム・ギターがBRAIN DRILL / DEEDS OF FLESHの Ivan Munguia、ベースがAMPUTATED VEIN RECORDSのゴア・デス・メタルEVISCERATEDのNick Willbrand、ドラムズがSON OF AURELIUSの Spencer Edwardsで、5人編成。

本作は2015年(April 21, 2015)にリリースされた1stアルバム。10曲(30:05)。
LABEL: UNIQUE LEADER (USA)

Youtube試聴・本作9曲目"A Surreal Descent"
Youtube試聴・本作5曲目"Awakened Creator"(advanced trackとして1年前のUPされているため、アルバムとは多少MIXが異なる可能性があります)
Youtube試聴・本作6曲目"wasps in the history of the weak"(「ギター演奏映像」としてUPされていますが、全パートの音が入ってます)

(コメント:犬丸)

MURG - varg and bjorn 全曲試聴

BLACK METAL

トレモロで刻むギター・リフを多用し、深い叙情を湛えたメロディーも多い、スウェディッシュ・メロディック・ブラック・メタル。
ダークなメロディーから来るコールドな感じと、DISSECTIONの熱さを持つ。また、雄大な曲もあれば、スピード感のある曲もあり、曲にはバラエティーがあるが、これこそ本格的なスカンディナビアン・オールド・スクール・ブラック・メタルと言えるサウンドだ。それが好きな人にはとても「キャッチー」だが、「ポップ」ではない。この2つの言葉は、時には全然違う物だ。そう感じさせるのが、彼らの作品だ。

MURGはスウェーデン Bergslagen地域で2人が結成したプロジェクト。

本作は2015年にリリースされた1stアルバム。8曲(37:36)。
出身地Bergslagenの自然に感化され、人類の無駄と失敗をテーマにしている。
LABEL: NORDVIS PRODUKTION (スウェーデン)

https://nordvis.bandcamp.com/album/varg-bj-rn全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

OMRADE (OMRÅDE) - edari

POST-BLACK METAL / POST-METAL / DARK AMBIENT / TRIP-HOP / DOWNTEMPO / DRONE

バンド名はOMRÅDE。ダウンテンポでダークなポストブラック・メタル。
つーか、他のポストブラック・メタル(最近のULVER等)同様、全然ブラック・メタルじゃない。感覚的には、まだしもドゥームの方が近い。アヴァンギャルド・ドーゥーム。ダウンテンポなダーク・アンビエントやトピップ・ホップ、ポスト・ロックな感じもある。なんともけだるい音で、聴いていると体が動かなくなりそうだ。試聴曲"Motsogn"ではジャジーなサックスが聴かれるが、ラウドなヴォーカルや、美しい女声ヴォーカルなど、曲により様々なアプローチで聴かせる。

メンバーはBargnatt XIx がvocals, guitars、Arsenic がdrums, bass, few guitars, electronicsの2人。
その正体はProgressive Melodic Death MetalバンドIDENSITYのドラマーJean-Philippe Ouamerと Christophe Denezの2人らしい。

本作は2015年(april 13th 2015)にリリースされた1stアルバム。8曲。
LABEL: MY KINGDOM MUSIC (イタリア)

Youtube試聴・本作1曲目"Motsogn" (official videoclip)
Youtube試聴・本作album official teaser

(コメント:犬丸)

GROTESQUE - in the embrace of evil 全曲試聴

DEATH METAL

ブラッケンド・デス・メタル。ダークなグルーヴは勿論あるが、スラッシュ・メタルやハードコア・パンクからのアグレッションとロウネスが中核にある。
展開は手が込んでいて、重層的なメロディー、複雑なリズムもあって、かなりテクニカル。ファストな疾走曲中心に、叙情的(アコースティック)なパートが入ったり、多少スロー・ダウンしたりする。
本作は1989年から1996年までの録音が含まれている。Goatspell (AT THE GATESや LOCK UPの Tomas Lindbergと同じ)のヴォーカルは録音状態の違いでも若干違って聴こえるが、イーヴリッシュなグロウルで、AT THE GATES (1stの"red in the sky is ours"は1992年)でのスタイルとは異なる。

GROTESQUEは1988年にスウェーデン Gothenburg市(kommun)で5人程度が結成した。
3作のデモと1枚のEPを残して、1990年に解散した。

本作は1996年にスウェーデンのBLACK SUN RECORDSからCDでリリースされた編集盤。11曲(49:01)。
1990年にスウェーデンのDOLORES RECORDSからアナログ盤45回転12インチEPでリリースされた唯一の公式作品"incantation" の5曲(1989年と1990年録音)のリミックス、未発表に終わったデモ"in the embrace of evil"の4曲(1990年録音)のリマスター、メンバーの3人による本作のための新録音2曲(1996年録音)を収録。

こちらは2015年(8 June 2015)にリリースされた再発盤。
2002年にBLACK SUN RECORDSから、2012年にCENTURY MEDIA RECORDSから、2015年(18 Apr 2015)にBACK ON BLACKから限定アナログLP(カラー盤)で再発されていたが、CDフォーマットの再発は今回が初めて。
LABEL: CANDLELIGHT RECORDS (UK)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

ANDREAS FALL - s/t

INDIE ROCK / HEAVY ROCK

インディー・ロック、ヘヴィー・ロック、シアトル・グランジ、ブルーズ・ロック、デザート・ロック。そういったサウンドが溶け合った、ややヘヴィーだが心地良いテイスティーなサウンド。
バンド側ではオルタナティヴ~グランジのように告知しているが、曲によってかなり異なった面が見える。トラック2のかなりブルージーなフィーリングのあふれるギターも素晴らしく、BLIND MELONや LED ZEPPELINに SOUNDGARDENからFU MANCHUまでをミックスしたような感がある。また5曲目のCaptain Lemonでは、出だしが丸きりニルヴァーナに聴こえますが、こんなことで良いんでしょうか。
このバンドの音はシンガーのMatt Matteoとリード・ギタリストVincent Salomonの2人が作り出している。
Matteoはお姉さんにもらったBLIND MELON, SMASHING PUMPKINS, ALICE IN CHAINS, MAD SEASON, TEMPLE OF THE DOG, NIRVANAのレコードに影響を受け、grunge rock バンドのPOST-ITに参加していた。
Salomonは両親の聴いていたJIMI HENDRIX, KING CRIMSON, BLACK SABBATH, JEFFERSON AIRPLANE, LED ZEPPELIN等に影響されalternative metal バンドのMaryJane Experienceに参加していた。この経歴からすればこのサウンドも予想される。

ANDREAS FALLは、Besancon市出身の2人が、それぞれ前のバンドのリハーサル(練習)でスタジオに入ったときに、そこで出会ったのがきっかけで行動を共にするようになって、結成した。バンドでは2012年にLos Angelesで結成したとしている。

本作は2015年(27/04/2015)にリリースされた1stフルアルバム。10曲(36:41)+α?。
彼らはChristopher Thornの招請で、2012年に5曲入りEPを制作するために、6,000マイルかなたの米国 California州 Los Angeles市に渡った。EPはChristopher Thorn (BLIND MELON / AWOLNATION)のプロデュースにより、彼のSilverlakeにあるスタジオで録音された。リズム・セクションはPEARL JAMのドラマーDave Krusen とBLIND MELON のベーシストBrad Smithという豪華な顔ぶれで"All Day Long"を含むEPが制作された。
その後2013年に再び米国に渡り、Sean Hurwitz (SMASH MOUTH) やStefan Litrownik (BELLRAYS)のプロデュースで"Famous Lady"や"Captain Lemon"が録音された。
これらの曲は本作に収録されている。
LABEL: M & O MUSIC (フランス)

Youtube試聴・本作5曲目"All Day Long"
Youtube試聴・本作2曲目"Famous Lady"
Youtube試聴・本作3曲目"Captain Lemon"

(コメント:犬丸)

GODGORY - resurrection 2015 re-issue 全曲試聴

DEATH METAL

かなり上品・上質なデス・メタル。
テクニカルを売りにするタイプの複雑なプログレッシヴ・デス・メタルではないが、静かなパートは上質なプログレッシヴ・ロックのややメロディックでキャッチーな物を髣髴させる。ギター・ソロが大変美しい。
ヴォーカルは硬質なグロウルで野獣派の感じ。ヴォーカルの入るラウドなパートと演奏中心の静かなパートを交互につなぐ展開が多い。すべての演奏が安定していて、アレンジも繊細で、丁寧に作られたアルバム。曲の始まりや終わりをとってみても、気が利いている。
ヴォーカルには悪いが、断然静かなパートの方がこのバンドの魅力になっているのではないか。ヴォーカルに関しては、何曲かではささやき声を多用すると言う、ちょっと目先の変わったアプローチもある。ラウドなパートがあってこそ静かなパートが生きると言う事もあるかも知れず、静かなパートだけで良いとは言えないが、グロウル・ヴォーカル(の入るパート)が魅力になっていない。

GODGORYは1992年にスウェーデン Karlstad市(kommun)で結成した。
4枚のアルバムを残して、2004年に解散した。

本作は1999年(June 21st, 1999)にNUCLEAR BLAST RECORDSからリリースされた3rdアルバム。9曲(51:30)。
メンバーは5人前後いたが、本作ではバンド・メンバーはMatte Andersson (Vocals, 作詞), Erik Andersson (Drums, 作曲)の2人(血縁ではない)。かってのメンバー2人等が録音セッション・メンバーで参加している。

こちらは2015年(25.05.2015 Europe / 09.06.2015 USA)にリリースされたデジパック再発盤。
NUCLEAR BLAST盤は廃盤で、最近ではGODGORYはほとんどが入手できなくなっていた。
LABEL: METAL MIND PRODUCTIONS (ポーランド)

musicmp3全曲試聴

(コメント:犬丸)

DROWN IN BLOOD - addicted to murder 全曲試聴

DEATH METAL

ブラスト・ビートをたっぷり効かせたかなりストレートなブルータル・デス・メタル。
ミドルテンポやテクニカルな部分を混ぜたファストなブラストに、パワフルなグロウル、テクニカルでもあるがざくざくとブルータルなギターなど、米国のブルータルなオールド・スクール・デス・メタルMORBID ANGEL辺りを髣髴させる。メロディーにはダークな邪悪性もあり、演奏はテクニカルでまとまりも良いが、なんと言ってもブルタリティーに主眼がある。

DROWN IN BLOODは2009年にイタリア Lombardy州 Milan市で結成した。
結成メンバーはシンガーのGioと NECROSHINEのギタリストMarcoの2人で、本作録音後に脱退しているギターのDaniもその年の内に加わった。他に初期メンバーのベーシストCristoとドラマーLuigiも加わっていたが、2人は2010年に脱退。2012年にTORMENTの2人、ベーシストLuigi Corinto (Gigi)とドラマーDaveが参加するまで活動が止っていたようだ。

本作は2015年(April 27th, 2015)にリリースされた1stアルバム。8曲(29:26)。
LABEL: EARTHQUAKE TERROR NOISE (イタリア)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

IWRESTLEDABEARONCE - hail mary

DEATHCORE / CHAOTIC HARDCORE / NEW SCHOOL METAL CORE

不協和音に変則リズムの狂ったカオティク・サウンドに、スクリームを中心としたヴォーカル。展開そのものもカオティックだが、どこかに中心線があって支離滅裂ではない。デジタルハードコア要素からピコピコ音まで入るが、デスコア要素が大きい。
最近は略してIWABO(発音はアイワーボ)と言うようです。今までと音楽的に大きな変化は無い様ですが、本作は意外と基本忠実型で、デスコア方向に収束してきたような気もします。まっとうなデスコア・ファンが聴いても違和感が無いのではないでしょうか。試聴曲がまだ3曲+ALBUM PREVIEWのため断言は出来ませんが、どんどん先鋭的(エレクトロな方向?)に向かうかと思っていた、私の予想ははずれたように思います。

IWRESTLEDABEARONCEは2007年に米国 Louisiana州 Shreveport市で5人が結成した。

本作は2015年(June 16th 2015)にリリースされた4thアルバム。
ゲストはヴォーカルにex-ALL SHALL PERISHで2013年10月にSUICIDE SILENCEに移籍したEddie Hermidaが参加。
LABEL: ARTERY RECORDINGS (USA)

Youtube試聴・本作から3曲
Youtube試聴・本作ALBUM PREVIEW

(コメント:犬丸)

SUMA - let the churches burn 全曲試聴

DOOM

低音がぶりぶりしたドゥーム・メタル。サイケデリック、アヴァンギャルドなドローン・ミュージック、ヘヴィーでノイジーな轟音スラッジコアなどが微妙にミックスされている。
彼らのサウンドはNEUROSISや ELECTRIC WIZARD、SUNN O)))、SLEEP等をすりつぶして混ぜ合わせたようでもあり、その音は、ギター、ベース(兼ヴォーカル)、ドラムズに、ノイズ/サンプラー担当を加えた4人と言う編成(以前は5人)からも想像されるだろう。4曲目では楽器の電気ノコギリ(Electric Saw)を使うなど、積極的な音作りもある。
"楽器の電気ノコギリ"は"電ノコ"ではなく、楽器の"Musical saw"にピックアップをつけて電気楽器化したもので、試聴の33分目あたりから活躍している。轢いているのはゲストだが、この人はライヴ・メンバーでもあり、デモなどのアートワークも担当している。

SUMAは2001年にスウェーデン Malmö市で結成した。
結成メンバーはDr. Jovan (Chant), Johan (Basse), Peter (Guitare), Erik (Batterie)の4人(?)。Rick (Samples)も結成メンバーとされている事がある。

本作は2006年(20 April 2006)にSPEAKERPHONE RECORDINGSからリリースされた2ndアルバム。8曲(1:10:44)。

こちらは2015年(April 27th, 2015)にリリースされた再発盤。
LABEL: ARGONAUTA RECORDS (イタリア)

bandcamp全曲試聴
Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

AUREOLE - alunar 全曲試聴

BLACK METAL

インスト・アンビエント・ブラック・メタル (コーラスのような物が多少聴こえるが歌詞はない)。
ダークなサウンドが、ダウンテンポで、アトモスフェリックに漂う。音が漂うもののあまりメロディーのないパートもあり、暗く、冷たく、ふわふわと掴みどころのないアンビエントな音で満たされている。ブラック・メタル性は低いがギターのトレモロ・リフが用いられ、70年代のシンセ・プログレもドローンにして取り入れられている感じ。構成や展開は鮮やかで切れがよいとも言えるが、深みにはまる様なドローンな音を本望として、高みに登るような部分では高さが抑制されている。トレモロ・リフやオルガンなどがメロディックに演奏されるが、ヴォーカルが無く、メロディーがキャッチーな印象ではない。Encyclopaedia Metallumのレヴューでの評価も大きくばらついているが、ぼんやりと音に浸っているような聴き方をしない人には向かない、と言う事になると思う。

AUREOLEは2013年に米国でM.S. (Markov Soroka)がスタートした一人バンド。
彼はウクライナ出身で各地(各国)の色々なバンドに参加している。

本作は2014年(September 29th, 2014)に米国のFALLEN EMPIRE RECORDSからデジタル(ダウンロード)でリリースされた1stアルバム。5曲(43:13)。

こちらは2015年(April 18th, 2015)にリリースされたイタリア盤。
昔はBEHEMOTHやKATATONIAを、最近はABIGORや ALTERNATIVE 4をリリースしている名門AVANTGARDE MUSICからのCD化。
LABEL: AVANTGARDE MUSIC (イタリア)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

AGES - malefic miasma 全曲試聴

BLACK METAL

メロディック・ブラック・メタル。このバンドはアヴァンギャルドではないけれど、メロディック・ブラック・メタルというジャンル名が与えかねない「ありきたり」という感じは、まったく当てはまらない。
コールドなメロディーや叙情的なメロディーを中心に、メロディー以外の面も含めて、ペイガンから、多少のエクスペリメンタル、アトモスフェリック等の要素も感じられる。
エキサイティングなパートもあるが、均整の取れたじっくりとした展開で、落ち着いて聴くことが出来る。ギターのゆっくりとした単音ソロ、ヴァイオリン、ウード等による美しいメロディーが印象深い。ウードはアラブ音楽で使うリュートと近縁の撥弦楽器で、語源もリュートを指すペルシャ語。

AGESは2011年にスウェーデン Falunコミューン(基礎自治体)で3人が結成した。
ベーシストはex-NIGHTRAGE (2003-2004)/DISSECTION (2004-2005)のBrice Leclercq。
演奏面でこのバンドの要(かなめ)のような存在のEldhrimnirという人が、Keyboards, Programming, Backing vocals, Violin, Oudを担当。
彼と、Lead Vocalsと Guitars, Bassを担当するHvergelmerの2人は、ex-MAGOG (1997-2006)/ex-EVANGELI (2006-2008)のメンバーだった。この2バンドはデモやシングルしか残っていないが、ヴァイキング・ブラックだったとの事だ。

本作は2015年(April 24th, 2015)にリリースされた1stアルバム。8曲(41:11)。
LABEL: BLACK LODGE (スウェーデン)

Youtube試聴・本作1曲目"At the Behest of Reason"の多分シングルヴァージョン(アルバム・ヴァージョンと同じかも知れません)
Youtube試聴・本作2曲目"Malefic Miasma"
Youtube試聴・本作3曲目"Absent tribulation"
ololo.fm試聴・本作4曲目"Spawn of the Tyrants"
ololo.fm試聴・本作5曲目"Apotheosis"
ololo.fm試聴・本作6曲目"Ardent Storms"
ololo.fm試聴・本作7曲目"From the Ashes of Time"
ololo.fm試聴・本作8曲目"Mountains Ablaze"

(コメント:犬丸)

HMONGPLAY 試聴サイト (YouTube動画をmp3ファイルへ変換も出来る、YouTube動画繰返し再生サイト)

Youtubeの現在の仕様では、聴いていた曲が終わると、勝手にYoutubeの選定した次の曲に移ってしまいます。便利な場合もありますが、タブをバックグラウンドにして聴いていると、いつの間にか他のバンドをそのバンドのつもりで聴いていたりします。
追記:現在Youtubeの右側の一覧の上に、連続自動再生をON-OFFするボタンがあります。

そこで、一部の試聴リンクをYoutubeの同じ曲を永遠に繰り返し再生するHMONGPLAY (HMONGREPLAY.COM)を経由してのYoutubeコンテンツの再生にしてみました。
追記:HMONGPLAYトップページへのリンクです。
HMONGPLAY (HMONGREPLAY.COM)

HNONGPLAYのもう1つの便利な点は、Youtubeのコンテンツから音声を抽出してMP3ファイルに変換する機能があることです。
HNONGPLAYのYoutube画面の下にConvert to mp3のボタンがあります。ここをクリックするとそのまま試聴を続けながら、変換の操作の為の別タブが開きます。
別タブの方にStart convertのボタンがあるので、これを押すと変換の進捗状況が表示され、変換が終わるとDownloadのボタンになります。変換所要時間は5分の曲で7秒程でした。
あとは、Downloadのボタンを押し、ブラウザによって違うかも知れませんが保存先を選んで、すぐに保存してください。すぐに保存しないと、あっちで捨ててしまうようです。
ファイルの再生試験をして見ましたが、問題はありませんでした。

なお、HMONGPLAYの検索機能はYoutubeとは異なり、若干違う結果が出ます。
このため、Youtubeの検索などで見つけた曲をMP3で保存しようとしても、HMONGPLAYの検索で出て来ない可能性もあります。
その場合はConvert to mp3のボタンをクリックして開いた別タブの「Youtube id, youtube url or keywords for search.」欄にYoutubeの当該ページのURLを入れるのが手っ取り早いと思います。

(コメント:犬丸)
一部書き直したので再度UPしました。
初稿:2015/6/5
第2稿:2015/6/7

MYSTIFIER - wicca (2cd) 全曲試聴

BLACK METAL

プリミティヴ・ブラック・メタル。強烈にプリミティヴなので、これはアヴァンギャルドです。
ブラック・メタルとしてのみならず、音楽としてプリミティヴです。常識の欠如したサウンドは大変エクスペリメンタル、あるいはアヴァンギャルドであり、衝撃的です。
アマゾンの森林の奥から響いてきてもおかしくない音です。電気ギターの音には違いないものの、壊れた蛇口から水がしたたる様なしょぼい音だったり(色々な音を出しますが)して、停電寸前のような感じです。しかもギターの短いリフが野鳥のさえずりに聴こえたり、何か良く判らない笛の様な音もするし、シンガーもささやいたりうめいたり変な声ばかり出すし、全編どこをとっても類を見ないような独創的なサウンドです。
呪術的であり、まさしく原始的ですが、最先端の進化した音楽を超えていて、これこそ進化した音楽の行き着く先かも知れません。芸術的なものが、これほど大きな感動を与えるとは思っていませんでした。
多分、聴き手を選ぶ作品です。明らかに音楽を超えているので、聴きたくない人も多そうですが、プリミティヴ・ブラック・メタルの各種要素は濃厚なので、プリミティヴ・ブラック・メタルを聴く人なら感動するのじゃないでしょうか。

MYSTIFIERは1989年にブラジル Bahia州 Sao Salvador da Bahia de Todos os Santos市で4人が結成した。

本作は1992年(September 1992)にブラジルのHEAVY METAL MANIAC RECORDSからアナログLPでリリースされた1stアルバム。11曲(44:38)。
CDでの最初のリリースは1993年にOSMOSE PRODUCTIONSからされました。

こちらは2015年(June 26th 2015)にリリースされた再発盤。
DISC 1がLPヴァージョンのリマスターで、DISC 2がオリジナル・マスターです。イントロと次の曲、アウトロと前の曲それぞれ1トラックとされているため、その後にボーナス2曲が追加収録されていますが、告知は11トラックの表示です。ボーナス曲は1990年にブラジルのMANIAC RECORDSからアナログ盤7インチEPでリリースされた"t.e.a.r. (evil ascension returns)"の全曲。
リマスターであまり音圧のある音になってしまったら聴き辛いのではないかと心配ですが、DISC 2は「original master from 1992」と言う事で安心。でもこのシャリシャリの音では、どう手を加えても音圧のある音にはならないでしょう。
LABEL: HAMMERHEART (オランダ)

Youtube全曲試聴(ボーナス・トラックを除く)  outube試聴・ep"t.e.a.r."の1曲目(ボーナス・トラック)  outube試聴・ep"t.e.a.r."の2曲目(ボーナス・トラック)

(コメント:犬丸)

PUNGENT STENCH - ampeauty 2015 re-issue 全曲試聴

DEATH METAL

マニアックなグラインドに良く見られるように、色々な要素を完全に咀嚼して取入れたデス・メタル。
ただし、取り立ててグラインド要素は無いので誤解しないでいただきたい。ロック全般やストーナー、部分的な味付けとしてはロックンロールもオルタナティヴ・ロックも、時にはグルーヴ・メタルやスラッシュも取入れられているが、時代に迎合したり追随したりしている印象を与えていないのは、マイペースを守っているからだろうか。
ミッド・テンポの心地良いリズム感を持ちながらも、いつの間にか変則リズムを入れていたり、テクニカルな側面も「隠し」持っている。SEも語りと合わせるなど工夫を凝らした取入れ方。一筋縄ではないが、いたって聴きやすい。
本作は彼らの最後となったアルバムで、ファンの評価はばらついている。作品の特徴としては、以前あったようなファストな曲がなく、デス・メタルと言えるもののデス・メタルらしい魅力はあまり持っていないことが挙げられるだろう。エクストリームさはなく、目立つ曲がないことも挙げられる。しかしどの曲も100%彼ららしい仕上がりだ。

PUNGENT STENCHは1988年にオーストリア Vienna市で3人が結成した。
3枚のアルバムを残して、1995年に解散した。2001年に再結成して2枚のアルバムを発表し、2007年に再び解散した。ベーシストは時々替わるがそれ以外は最後迄不変だった。

本作は2004年(September 13th, 2004)にNUCLEAR BLAST RECORDSからリリースされた最終作5thアルバム。10曲(57:28)。
NUCLEAR BLAST RECORDS盤は廃盤。

こちらは2015年(May 5th, 2015)にリリースされた再発盤。
デジパック仕様の24K ゴールドCDで、2000枚の限定発売。
24K ゴールドCDは信号面の蒸着がアルミより粒子の小さいゴールドによっており、ピットの精度がいくらかは高いかも知れない。アルミより酸化しにくいので長持ちする可能性が高い。
LABEL: METAL MIND PRODUCTIONS(pl)

Youtube試聴・本作1曲目"Lynndie (She-wolf of Abu-Ghraib)"
ololo.fm試聴・本作2曲目"Invisible Empire"
Youtube試聴・本作3曲目"Amp Hymn"
Youtube試聴・本作4曲目"Passion of Lucifer"
ololo.fm試聴・本作5曲目"Got MILF?"
ololo.fm試聴・本作6曲目"Human Garbage"
ololo.fm試聴・本作7曲目"Apotemnophiliac"
Youtube試聴・本作8曲目"No Guts, No Glory"
ololo.fm試聴・本作9曲目"Same Shit - Different Asshole"
ololo.fm試聴・本作10曲目"Fear the Grand Inquisitior"

(コメント:犬丸)

TERVEET KADET - lapin helvetti

HARDCORE PUNK

フィンランド語巻き舌で咆える(歌う)。おっさんの貫禄つーのか、ますますパワフルになって行くヴォーカル。ダークなグルーヴも少し混ぜ込んだメタリックなクラスト。90年代にはメタル色を強め、英語での歌唱が増えていたが、本作は全曲フィンランド語(曲タイトルからの予測)で作曲されカッコイイ巻き舌フィンランド語が聴ける。現在はリーダー(ヴォーカル)以外は2006年または2011年加入の新メンバーになっている。しかし、現在のサウンドはメタリックながらメタルのマナーではなく、まさしくハードコアなサウンドを聴かせている。ほとんどの曲が2分以下でシャープに疾走する。

TERVEET KADETは1980年にフィンランド Tornio自治体(後にOuluに移動)で結成した。
Dischargeに影響を受けてLaja Aijala| (Läjä Äijälä|)が1969年から結成を始め、1980年に4人のメンバーが揃ってTERVEET KADET (TERVEET KÄDET)の名前で活動を始めた。

本作は2015年(March 6, 2015)にリリースされた8thアルバム(ミニアルバムやライヴ盤を除く)。18曲。
LABEL: SVART RECORDS (フィンランド)

Youtube試聴・本作3曲目"Elamalle Vieraita Piirteita"
ololo.fm試聴・本作6曲目"Brutaali"
Youtube試聴・本作8曲目"Aivoleikkuri"
Youtube試聴・本作17曲目"Ruuvikierre"
ololo.fm試聴・本作17曲目"Ruuvikierre"

(コメント:犬丸)
初稿2015/03/17
改稿2015/06/06 (入荷遅れ+試聴を追加したため再UPしました)

GHOULGOTHA - deathmass cloak 全曲試聴

DOOMY DEATH METAL

ダークで摩訶不思議なテクニカル・デス・メタル。エクスペリメンタル・ドゥーミー・デス・メタル。
テクニカルで、不協和音が多く、変則リズムが極めて多く、展開も多くて複雑怪奇。ややスローに聴こえる悠々としたサウンドの部分と、訳の判らないリズムの部分が多いが、意表を突いて、時にはまともなブラストで激走する。尋常ではないメロディー(不協和なメロディー)に満ち、ジャジーになったりもする。

GHOULGOTHAは2012年に米国 California州 San Diego市で4人が結成した。
ENCOFFINATIONのドラマー等多くのバンドにかかわっているElektrokutionerが W. Sarantopoulosの名前でヴォーカルとギターを担当。ベーシストが定着せず、2014年からは3人編成。

本作は2015年(January 13th, 2015)にリリースされた1stアルバム。11曲(53:10)。
バンド・メンバーの3人による録音。本作はDECREPITAPH等の録音やマスタリングをしているDamian Herringがプロデュースした。
LABEL: DARK DESCENT (USA)

Mfmf!Facebook Youtube試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

ERGOT - victims of our same dreams 全曲試聴

BLACK METAL

ディプレッシヴ・ブラック・メタル。
アンビエントと書いてある場合もあるが、どちらかと言えばオーソドックスなノルウェイジャン・ブラック・メタルがベースで、そこにディプレッシヴなヴォーカルが乗る。
叙情的なメロディーをリード・ギターが美しく聴かせる部分もあるが、多くの曲ではリズム・ギターがノイジー。ギター・ソロではへヴィー・メタル調も聴かせる。1曲目と6曲目はインストで、多少アンビエント。インスト曲や長いインスト・パートは丁寧に作られていて面白いが、ヴォーカルが入るパートはデリカシー少なめ。そうなると2曲目の様なラフな疾走曲が向いているかも知れない。

ERGOTは2009年にイタリア Trieste自治県 Trieste基礎自治体でLord ErgotことRiccardo De Piccoliがスタートさせた一人バンド。

本作は2015年(20 March 2015)にリリースされた1stフルアルバム。7曲(44:07)。
LABEL: DE TENEBRARUM PRINCIPIO (イタリア)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

DOMOVOYD - domovoyd 全曲試聴

STONER

サイケデリック・ストーナー(~ドゥーム)。スペーシー、スラッジー、プログレッシヴな感じもある。
最初の3分余りはイントロで、ダウンテンポ。メロディーはやリズムの存在は不確かで、何かの煙の彼方から怪しく響いてくる。その後、普通の音楽らしくなるが、17分もあるとは気付かないうちに終わる。静かな部分から軽くアッパーな感じの部分まで、スローな部分からややファストな部分まで、大きな展開を持っているが、その様な事は無視して、前後から切り離してその部分だけを聴いても、十分鑑賞に堪えうる音で出来ている。
4分から18分と長尺の曲も多いが、ジャム・セッションのような感覚の即興的な演奏を聴くように、どこからでも気楽に楽しめる。ヴォーカルは、まわっちゃてるのかなと言う感じで、少し貧弱な感じもあるが、ヴォーカル・パートも少ない。

DOMOVOYDは2010年にフィンランド seinäjokiで4人が結成した。

本作は2015年(08 May 2015)にリリースされた2ndアルバム。6曲(59:00)。
LABEL: SVART RECORDS (フィンランド)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

BEHEMOTH - thy winter kingdom / from the pagan vastlands... 2CD

BLACK METAL

最近のエクストリームなサウンドではなく、彼らの初期のブラック・メタル時代のデモ作品等を集めたアルバム。
中高音わめき系(+エコー)の本格的ブラックメタルの邪悪なヴォーカル。
悠々としたミドルテンポのパートが多いが、ゆったりした疾走や快速疾走など多彩に展開。
楽曲やギターのリフは、哀愁メロディック・ブラックと言っても良い程のメロディー重視で、ダークネスに加えて哀愁も漂わし、味わい深い。
アンダーグラウンドなブラック・メタル作品であるにもかかわらず、ミドルテンポから来る余裕の感覚と、シャリシャリだがシンセも使った奥行き(深み)のある音は、落ち着きと共に品格を感じさせる。地味な作品かも知れないが、ブラック・メタルの独特な世界を完成させている。
本作は2枚組で14トラック収録だが、同じ曲の別テイク・別録音が多く、曲は全部で7曲で、編集盤"demonica"との重複もある。
なお、初期のブラック・メタル時代のアルバム(2ndまで)は、以後のデスメタル寄りになってからのファンの評価は低いようなので、本作も初期のアルバムの好きな人にしか向いていないと思われます。

BEHEMOTHは1991年にポーランド Województwo県 Gdańsk市で3人が結成した。

本作は2015年(January 29th, 2015)にリリースされた2枚組編集盤。
DISC 1の最初の3曲が、リハーサルを収録した1993年のデモ・テープ"thy winter kingdom"の全曲。残りの4トラックはいずれも同じ時の録音のテイク違い。
DISC 2の7トラックは、すべて1993年の9月の夜(24.09.1993)に "7" STUDIOで録音された。このうちトラック3-トラック6は編集盤"demonica"のDISC 2のトラック8-トラック11に収録されて発表されている。残り3トラックは未発表音源との事だが、このうちトラック1とトラック2は(及びトラック3も)本作DISC 1でも聴かれる曲の別録音。トラック7の"deathcrush" (MAYHEMのカヴァー)も、録音やミックスが違うのかも知れないが、編集盤"demonica"でも聴かれる曲。なお、DIDC 2が"from the pagan vastlands..."となっていますが、1994年のデモ"from the pagan vastlands..."(1993年12月にStudio "8"で録音)とは収録曲が異なります。
LABEL: WITCHING HOUR (ポーランド)

Youtube試聴
上のYoutube映像は "... From The Pagan Vastlands FULL DEMO" となっていますが、本作のDISC 2とは収録曲が異なります。1994年の同タイトルのデモ(2015年05月28日18:35取得Encyclopaedia Metallumのデータによる)とも異なります。

(コメント:犬丸)

ANGUISH - mountain 全曲試聴

DEATH DOOM

力強くしっかりとした表現力を持ったドゥーム・メタル。
ヴォーカルは表現力豊か。パワフルなグロウルで、うねうねとしたメロディーを、ダークに時にドラマティックに歌う。
ギターもパワフルな音で、スローな楽曲・メロディックなリフを、しっかりと聴かせる。
元々デス・ドゥーム・バンドで、ヘヴィーで分厚い音や声質はデス・メタルの片鱗を覗かせるが、楽曲やアレンジはディープなドゥーム・メタルのものだ。SABBATHをより荘厳&パワフルにしてデス声を乗せた感じ。

ANGUISHは2007年(7 November 2007)にスェーデン Uppsala基礎自治体(kommun)で結成した。
当初のメンバーが揃った時点で4人編成。以後は4人または5人編成。

本作は2014年(November 12th, 2014)にリリースされた2ndアルバム。8曲(49:06)。
バンド・メンバーは4人。DRACONIANの、以前はドラマーで現在はギタリストのJohan Ericsonがプロデュースした。
LABEL: DARK DESCENT (USA)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)

TAKAAKIRA TAKA GOTO - classical punk and echoes under beauty

JAPANESE ARTIST / POST-ROCK

サンプラーによる(はずの)弦楽オーケストラ的サウンドをベースに、ギターや弦楽器ドラム・セットなどが加わる協奏曲的構成。MONOの TAKAAKIRA TAKA GOTOのソロ・アルバム。次々と湧き出すメロディー。とりわけゆらゆらとヴィブラートの強くかかった弦楽器の音が、一聴心地良さ気でいてどこかエクストリーム。不安定な揺らぎから不安感を煽り立てる。快感と不安感が紙一重、表裏一体となったような音は、人間のはかなさ、人生のはかなさ、幸福のはかなさを思い出させる。

後藤孝顕 (TAKAAKIRA TAKA GOTO)は1999年に結成した日本のインスト・ポストロック・バンドMONOのギタリスト作曲家。

本作は2015年(27 April 2015)にリリースされた1stアルバム。7曲。
2003年に作曲録音されたものだが、今回のリリースを起点として、ソロ活動をスタートさせる考えらしい。
LABEL: PELAGIC RECORDS (ドイツ)

soundcloud試聴・本作からのセット
soundcloudの試聴のセットは、コメント制作時点では本作1曲目"Delicate Madness"と3曲目"Till The Night Comes"の2曲です。soundcloudの試聴のセットは、後で内容が変更される事があるようです。

(コメント:犬丸)

HELFIR - still bleeding

DARK ROCK / GOTHIC / AMBIENT / POST-PROGRESSIVE ROCK

ダウンテンポで叙情的なメロディー、むせび泣くようなオーソドックスな電気ギターのサウンドに、時にはアトモスフェリック、時にはアコースティックな音を使い、メランコリックでダークなエクスペリメンタル・メタルとなっている。
KATATONIA, ANATHEMA, OPETH, PORCUPINE TREEにインスパイアされた、と言うのが良く判る音だ。付け加えるとすれば、ダークと言うよりブルージーな所がある。そして、これをやっているLuca Mazzottaと言うおっさんは結構みだらな思いを抱いているため、枯れた味わいではなく、かなりなまめかしい所がある。いやらしくみだらな聴き手には共鳴する所があるはずだ。私など、深く心に沁みた。
KATATONIA, ANATHEMA, OPETH等の最近作はもうゴシックとは言えないからかも知れないが、演奏や仕上げの水準が高い割りに売れませんので、本作も期待は出来ません。この音はメタルじゃないですし。

Luca Mazzottaは1979年にイタリア Monza市で生まれた。
2001年からSalvatore Russoに、2003年からPaolo Giordano (フィンガー・ピッキングのアコースティック・ギタリスト)に師事した。2006年からコンピュータ・ミュージックやジャズについて学び、2007年にはプログレ・バンドSHEDIMの録音に参加。2007年にプログレッシヴ・(デス・メタル・)バンドSILVEREDの結成に加わり2011年までギタリストを務めた。2011年からはネオフォーク・バンドNATURE IN DISGUISEのメンバーとして活動している。
HELFIRはLuca Mazzottaが2013年にスタートしたソロ・プロジェクトで、彼がVocals, Guitars, Bass, Keyboarrds, Drums Programming, Synth, Fxの全部を担当する一人バンドだ。そのサウンドには、彼の今までの経歴がすべて現れている。

本作は2015年(13 April 2015)にリリースされた1stアルバム。9曲。
LABEL: MY KINGDOM MUSIC (イタリア)

Youtube試聴・再生リスト"HELFIRの作品集"6曲ほど(本作に限定されていません)

(コメント:犬丸)

ENSIFERUM - one man army 2CD 全曲試聴

FOLK METAL / VIKING METAL

元気なフォーク・メタル。メインのハーシュ・ヴォーカルは元気なワン・パターンだが、コーラスやシンフォニックな味付けなどで、ヴァリエーションも付けてある。そのコーラスですが、女性も入る混声で、漢臭の勇壮と言うより明るく清潔な感じで、シンフォニックと言う方があたってます。余裕感のあるミドルテンポの3曲目や、草原を馬で駆けるようなスケールとスピード感のある6曲目等では、フォーキーなメロディーを堪能できる。そのほか、スピード・メタル的なギターをフューチャーしたタイトル曲など、1曲ごとに変化のあるアルバムだ。しかしメインのヴォーカルがほとんど同じ声(当たり前?)だ。個人的にはトラッド色の濃い曲(1曲目・5曲目)の印象が強いけど。

ENSIFERUMは1995年にフィンランド Helsinki市で結成した。
結成メンバーはMarkus Toivonen (guitar), Sauli Savolainen (bass), Kimmo Miettinen (drums)の3人。

本作は2015年(February 20, 2015)にリリースされた6thアルバム。本編11曲(53:05)。
結成メンバーではMarkus Toivonen (clean vocals, guitar)1人が残っている。その他はPetri Lindroos (harsh vocals, guitar), Sami Hinkka (bass), Janne Parviainen (drums), Emmi Silvennoinen (keyboards類)で、バンド・メンバーは5人。
最後の11曲目"Neito Pohjolan"(スオミ語で"ポホヨラの乙女"で、シベリウスの同名の曲を踏まえての命名のようだ)はゲストのNetta Skogのヴォーカルがフューチャーされた、カントリー・バラード+コンチネンタル・タンゴみたいな曲。フォークと言えなくはないですが。

こちらはボーナスディスク付きデジパック。ボーナス・ディスクは4曲(14:07)収録。
ボーナス・ディスクには、TVウエスタン・ムーヴィー"Rawhide"のテーマ、BARATHRUMのカヴァー、本編最後の曲の別歌詞(英語)ヴァージョン、"Bonus Song"という勇壮だがヤケクソにメタルな曲(パロディー?)を収録。
LABEL: METAL BLADE RECORDS (EU/UK)

Youtube全曲試聴 Youtube全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。 musicmp3試聴

(コメント:犬丸)