MONO - one step more and you die 全曲試聴

(JAPANESE ARTISTS) POST-ROCK / INDIE ROCK

インスト・ポスト・ロック。彼らの最近の作品で言えば "rays of darkness" (2014年)の様な、暗さが基調となったアルバム。
静かなパートから激しい盛り上がりまでダイナミックな展開をする。そのすべてを、滲み出てくるような陰湿な暗さが覆いつくしている。しかし、ポストロックといえばそれ相当に心地良さを感じさせるバンドや作品が多いが、本作でも叙情性に満ちた6曲目 "Loco Tracks" 等がその代表格と言えるだろう。スローパートからの盛り上がりにも、均整の取れた美しさがある。

MONO は1999年に東京で結成した。
作曲などの準備を進めていた旧友の Takaakira "Taka" Goto と Hideki "Yoda" Suematsu に、1999年12月には、ベーシスト(女性)とドラマーが加わり、本格的にスタートした。
初ライブは2000年1月に東京世田谷の Club 251 で行った。また2000年11月にはニュー・ヨーク Mercury Lounge でライヴを行い、当初からワールドワイドな活動を目指した。
1stアルバム "Under The Pipal Tree" は2001年に、現代音楽系ミュージシャン John Zorn が主宰するニュー・ヨークの TZADIK レーベルからリリースされている。

今回ご紹介した作品は2002年10月2日に、日本の MUSIC MINE INC. からリリースされた2ndアルバム。8曲収録。
バンド・メンバーは 後藤 "Taka" 孝顕(たかあきら)(ギター)、Hideki "Yoda" Suematsu(ギター)、Tamaki Kunishi(ベース)、高田康則(やすのり)(ドラムズ)の4人。
他にセッション・メンバーでチェロが加えらている。
MUSIC MINE INC. は LESS THAN TV の親(兄弟?)会社で、旧リクルート系(現在はイオン系?)。
今回の入荷は2003年4月8日に米国の ARENA ROCK からリリースされた米国ヴァージョン、デジパック仕様。
収録曲は MUSIC MINE INC. 盤と同じ。この作品は、同じ2003年に英国 RYKODISC からもリリースされ、その後米国 TEMPORARY RESIDENCE LIMITED からも発売されて、彼らの名前はさらに世界的なものになった。
2003年には本アルバム発売のツアーを日本, 米国, スウェーデンで行い、そのほか カナダ, スイス, ベルギー, ハンガリー, オランダ, フランス, 英国でも、初めてのライヴを行った。

Youtube試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

DESERT CITY SOUNDTRACK - perfect addiction 全曲試聴

EMOCORE

ダークで、けだるく、憂鬱。沈み込む様なエモーション。歪んだ、でもどこか魅力を秘めたポップなメロディーたち。
このバンドは、エクスペリメンタル、ポストロックの様式を持ちながらポップとも縁を切らない、微妙なスタンスだった。ややダウンテンポ中心の重苦しいリズム感。グランジ的なノイズ・ギター。ピアノはぽろぽろと切ないメロディーを聴かせたり重厚に響いたりと、3ピースと言う編成でもあり、ピアノが特に目立つ。鬱陶しく力の抜けたヴォーカルが漂うように歌う。ベースはピアニストが担当することもあるがベースの聴こえない曲も多い様に思う。

DESERT CITY SOUNDTRACK は1999年に米国 Oregon 州 Portland 市で結成した。
California 州 Santa Rosa 市の EMOCORE / MATH ROCK バンド EDALINE は1999年に解散した。 DESERT CITY SOUNDTRACK の結成メンバーは EDALINE のメンバーだった2人 Cory Gray (keys, vocals, trumpet, EDALINE には録音のみ参加) と Matt Simon Carillo (vocals, guitar)、そして Brian Wright (drums) の3人で最後まで替わらなかった。

本作は2005年9月13日に、米国の DEEP ELM RECORDS からリリースされた2ndフルアルバム。12曲収録。

bandcamp 全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)

MONO - new york soundtracks 全曲試聴

JA_POST-ROCK / INDIE ROCK / EXPERIMENTAL

税抜価格¥2200+消費税

MONO の2ndアルバムの7曲のリミックス集。
ニュー・ヨークをベースに活動する7アーティストが1曲づつ担当。 MONO の繊細なサウンドとこれらのアーティストの個性のコラボレーションになっているが、やはり曲が変わるごとに万華鏡のように変化する意外性もある。オリジナル・アルバムとは異なる曲順もその点を考えた物になっている、と推測できる。個人的には Dub Remix やCassette Remix 等印象が深いが、さて、あなたは。

MONOは日本国 東京都で、1999年1月から結成にかかり、1999年12月に4人が結成した。

本作は2004年2月18日にバンド自身が主宰する日本の HUMAN HIGHWAY レーベルからリリースされたリミックス・アルバム。7曲。
2ndアルバム "One Step More and You Die" 収録曲のリミックス6曲と、後1曲は2ndアルバムの曲とはタイトルが異なるが2ndの曲のリミックスに聴こえる。
プロデュースは Aki Onda(恩田 晃)、リミックスは Loren Mazzacane Connors, Calla, Marina Rosenfeld, DJ Olive, Raz Mesinai, Aki Onda, Jackie O Motherfucker 。
米国では ARENA ROCK からCDが、 TEMPORARY RESIDENCE LIMITED から VYNAL LP がリリースされた。英国では RYKODISC からCDが、いずれも2004年にリリースされた。

MY-ZAYCEV.NET 試聴・本作1曲目 Giant Me On The Other Side (Remix)
MY-ZAYCEV.NET 試聴・本作2曲目 Where Am I (Shoutman Remix)
soundcloud 試聴・本作3曲目 Sabbath (Unholy Sabbath Remix)
Youtube 試聴・本作4曲目 Halo (One Note Dub Remix)
MY-ZAYCEV.NET 試聴・本作5曲目 Com (Earth Remix)
MY-ZAYCEV.NET 試聴・本作6曲目 6 Loco Tracks (Cassette Remix)
Youtube 試聴・本作7曲目 Late City Final (Remix)
MusicMP3試聴・2ndアルバム "One Step More and You Die" 全曲

(コメント:犬丸)

KOUFAX - koufax (4 songs ep)

INDIE ROCK / EMOCORE / ALTERNATIVE

エモコア。
ムーグ・シンセ(アナログ・シンセサイザー)やキーボードをフューチャーした、軽快なギター・サウンドをバックに、哀愁とポップネスが溶け合ったメロディー。ポップでキャッチーだが、メロディーの哀愁も心に残る。
ヴォーカルはややねちっこいが青春を感じさせるタイプ。
ポスト GET UP KIDS と称されていたが、サウンド面では、アナログシンセを使うと言う発想が彼らのスタイルを象徴している。

KOUFAX は1999年に主に米国 Ohio 州 Toledo 市のメンバー(一部 Michigan 州 Detroit 市のメンバー)が結成した。
元 JOSHUA の Robert Suchan がシンガー / ギタリストを務め、その他の結成メンバーはキーボード / ピアノの Sean Grogan, ドラムズの Dave Shettler ベースの Andrew Cameron で、4人だった。
1999年にデヴューEP(本作)をリリース。本作は GET UP KIDS の注目を引きツアーを共にしたほか、 GET UP KIDS が VAGRANT RECORDS 内に設立した HEROES AND VILLAINS と契約。2ndアルバム(2002年)までは VAGRANT からリリースされた。
1stフルアルバム(2000年)の後、セコンド・キーボーディスト Jared Rosenberg をくわえた5人編成の時期もあるが、2年後には Suchan, Shettler, Rosenberg, Ben Force (guitar/bass/vocals)の4人編成に戻っている。
その後ベーシストが Robert Pope に、ドラマーが Ryan Pope に替わって、DOGHOUSE から3rdアルバム(2005年)をリリース。
4thアルバム(2008年)も DOGHOUSE からリリースしている。
解散の告知がないので、 Wikipedia (英語版)でも現存の扱いだが、活動の実体はなく、バンドのウエブサイトは消滅している。
なお Robert Suchan が元いた JOSHUA の1stアルバムは1999年のリリースで、2002年の2ndの後2004年にシングルを発表して以後は活動がなかったが、2011年に新アルバムを発表している。

本作は1999年(October 26, 1999)に米国の DOGHOUSE RECORDS からリリースされた4曲収録のEP。

ololo.fm試聴・本作3曲目"Going To Happen"
youtube試聴・本作以外の KOUFAX

(コメント:犬丸)

JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR / LOCKWELD

NOISE GRIND

JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR はノイズ・ユニットとも言われる。環境音楽的な感じもあるスローな部分に、クラストにも聴こえるファストに畳み掛ける部分やミクスチャーっぽい部分等を交えて展開する。ラウド・ロックンロールな感覚もあり、グラインドコアやハードコア・パンクのファンから支持されている。

LOCKWELD はアヴァンギャルドなノイズバンド。グラインダーやチェインソーも使う。ダークでブルータルでインダストリアルなサウンドで、インパクトがある。

JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR は1996年に米国で結成した。
結成メンバーは Scott Hull, Tim Morse, Andrew Kokes の3人。2006年以後数人が加わった。
AGORAPHOBIC NOSEBLEED の Jay Randall も1998年から参加し、その後、メンバーは彼1人になっている。2011年に GRINDCORE KARAOKE レーベルからリリースされた3枚のアルバムは、いずれも Randall 一人により以前に録音されていたノイズのテープが音源。

LOCKWELD は1993年に米国 Ohio 州 Cleveland 市で結成した。
メンバーは APARTMENT 213 の Steve Makita と LEAGUE OF CRAFTY GUITARISTS の Karen Thomas の2人。

本作は1997年に米国の HEARTPLUG RECORDS からリリースされた JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR と LOCKWELD のスプリット・アルバム。それぞれ13曲と2曲を、合計で15曲を収録している。
JAPANESE TORTURE COMEDY HOUR の本作録音時のバンドメンバーは SCOTT HULL と JAY RANDALL を含む3~5人の様だ(不確実)。

(コメント:犬丸)