HATE ETERNAL - Infernus 全曲試聴

DEATH METAL

ヴォリュームを上げて聴きたくなる様な、ブルータル・デス・メタル。
ファストなパートでは激走もするが、スローなパートも多く、整合性も高くスムーズに展開する。特にスロー・パートでのダークネスや叙情性が印象深い。
ヴォーカルは野太くパワーのあるグロウルを中心に変化に富んだアレンジ。
ギターのリフはダークなグルーヴのあるメロディーに満ちて、エクストリームから時には叙情性も感じさせる。
今回の作品では、特にテクニカルで複雑な印象を与ると言う事はないが、自然な程度にモダンではある。従って、正統的な音ながら、あまりオールド・スクールと言う感じはしない。
大層パワフルで気合も入っているが、肩に力が入っている感じはしない。演奏力だけでなく音楽的にも実力のあるアーティストが、生き生きと自由に演奏している。このアルバムに無い物といえば新鮮味だろうか。何か変わったものを求めるのではないなら、普通にデス・メタルが好きなら、心が熱くなる、楽しめる作品と言う印象だ。

HATE ETERNAL は1997年に米国 Florida 州 St. Petersburg 市で結成した。
初期メンバーはギタリスト/ヴォーカリストの Erik Rutan (現在残っているただ1人の結成~初期メンバー) と、ベーシスト/コ-ヴォーカリスト(ただし1998年から、2003年まで)の Jared Anderson 、ドラマーの Tim Yeung (2000年まで) 、ギタリストの Doug Cerrito (ただし1999年から、2000年まで) の4人。
Erik Rutan は MORBID ANGEL のギタリストだった(1993年 - 1996年, 1999年 - 2002年)人で、 HATE ETERNAL は、実質的には Erik Rutan のバンドと言えるだろう。
Jared Anderson は2006年没。ベースには Jared Anderson 以前に、セッション・メンバーとして Alex Webster が参加(1997年、及び2008年)していた。
Tim Yeung はその後 AURORA BOREALIS や DIVINE HERESY 、 MORBID ANGEL に参加。
Doug Cerrito は元 SUFFOCATION のギタリスト(1990年 - 1998年)。
バンド名は Erik Rutan が一時(1989年 - 1993年)参加していた New Jersey 州のスラッシュ~デス・メタル・バンド RIPPING CORPSE (1987年 - 1995年)の1992年のデモの曲タイトルに因む。なお、 HATE ETERNAL に2007年から2009年まで参加していたギタリスト/ヴォーカリストの Shaune Kelley も RIPPING CORPSE のメンバーだった。
HATE ETERNAL はメンバーの出入りが多い。3人編成の時が多く、ツイン・ギターの4人編成の時もある。

今回入荷する作品は2015年(August 21st, 2015)に、フランス/EUの SEASON OF MIST と米国の SEASON OF MIST からリリースされた HATE ETERNAL の6thアルバム。10曲(45:05)収録。
バンド・メンバーは Erik Rutan のほか、前アルバムから参加している JJ Hrubovcak (Bass) 、新参加の Chason Westmoreland (Drums) の3人。
JJ Hrubovcak と AURORA BOREALIS, GUTTURAL SECRETE, RUMPELSTILTSKIN GRINDER, SINISTER, SIX FEET UNDER や COFFINS (japan), MORTICIAN など多くのアートワークを担当する Mike Hrubovcak は兄弟で、2人のバンドが DIVINE RAPTURE だ。
Chason Westmoreland は BURNING THE MASSES (2005年 - 現在)のドラマー(2008年 - 現在)だが、 HATE ETERNAL には2014年に参加して、本作録音後、2015年の内に脱退している。
本作は、今までのすべてのアルバム同様、 Erik Rutan がプロデュースした。

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)