DISCHARGE - End Of Days 全曲試聴

DISCORE

ディスコアが知りたければこの作品を聴けば良い。ディスチャージの音の「ディスコア」と言う言葉で説明する人はいないだろう。ディスチャージの音のハードコア・パンクと言うのがディスコアと言う言葉の定義なのだから。
それぐらいなのだから、今更音の説明でもないと思う。とは言え、メンバーも大幅に変わっていた時期もあり、サウンドも一定であったとは言えない。本作は出来の良いディスコアなのだけど、例えば彼らの代表作 "Hear Nothing See Nothing Say Nothing" と比べると、演奏にもいい加減な所がなく、音質も良く、ボーカルは(好き嫌いはあるだろうが)いかつくパワフルだ。問題なく良い演奏の名盤だろう。
と、なぜか突き放して書きたくなるのは、テキトーな所がない、柔軟性がない、安定感がある、と言う本作の特徴が、必ずしも昔からのファン(私のことです)が DISCHARGE に求めている物ではないからだろうか。 "Hear Nothing See Nothing Say Nothing" の魅力は、適当で柔軟な疾走感と、力強いと言うより力まかせでコントロール不十分な(ある意味投げやりな)ヴォーカル、かなり無理な展開で(強引に)メタルなソロが挿入される所等だろう。その辺りをチェック・ポイントとすると、本作などはグレードが高過ぎるのかも知れない。まったく個人的な感想だが、少しニュー・ヨーク辺りのメタルコアに近い音が入っている様な気もする。もちろん、自分の好みを昔からのファン全体の事のように書いてしまったのは、正確ではないだろうし、昔からのファンにもチェックしてほしい作品ではある。

DISCHARGE は1977年に英国 イングランド Staffordshire 郡(County) Stoke-on-Trent 市で結成した。
結成メンバーは Terence "Tezz" Roberts (結成時は vocals 、1977年から Drums にシフトし1980年まで参加、2001年から2006年まで再び参加、2014年から guitar で参加中), Royston (Roy) "Rainy" Wainwright (結成時は guitar 、1977年から Bass にシフトし1987年迄参加、2001年から再び参加中) の2人。
その直後 Nigel Bamford (bass 、1977年の一時期と2001年の一時期のみ参加), Anthony "Akko" Axon (drums、1977年の一時期のみ参加) を加え、程なく(1997年) "Tezz" の弟 Anthony (Thony) "Bones" Roberts (lead guitar 、1982年迄参加し、2001年から再び参加中) も加えて5人編成となった。
印象の強いシンガー "Cal" Morris も1977年中に参加している。
その後のメンバーの変遷は書ききれないほどで、最初期のメンバー(最初にあげた5人)の1人もいない時期もあった。
所々拾えば、1990年の再結成(第二期の始まり)のメンバーは Kelvin John "Cal" Morris (Vocal), Andrew "Andy" Green (guitar), Anthony Morgan (bass), Mika Karppinen (drums) の4人で、ドラムズには再結成直後の1991年に Karppinen に替わって "Garry" Maloney が復帰している。
2001年の再結成(第三期の始まり)のメンバーは "Cal" Morris, "Tezz" Roberts, "Bones" Roberts の3人で、ヘルパーで Nigel Bamford が加わっていた。すぐに Nigel に替わって正メンバーとして "Rainy" Wainright が参加した。これが5thアルバムのメンバーになる。

本作は第三期 DISCHARGE が2016年(April 29th)に各国の NUCLEAR BLAST RECORDS からリリースされた7thアルバム。15曲(34:43)収録。
前作6thアルバム(2007年)でシンガーが Anthony "Rat" Martin に替わっていたが、彼が脱退してすぐに、替わって Jeff "J.J." Janiak が加入している。 "J.J." は New Jersey 州出身で米国のバンド DEAD HEROES のシンガーだったが、 Stoke-on-Trent 市在住中に WASTED LIFE (2007年結成)のギタリストと知合ってそのバンドに参加していた(2009年 - 2014年)。2012年からは BROKEN BONES で Roberts 兄弟と共に活動している。
ドラムズは2006年から参加の David "Proper" Caution が担当。
後は "Rainy" Wainright (Bass), "Tezz" Roberts (Rhythm Guitar), "Bones" Roberts (Lead Guitar) の3人。

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)