SERIAL BUTCHER - brute force lobotomy 全曲試聴

DEATH METAL / DEATHCORE

テクニカル・ブルータル・デス・メタル。と書くだけでは同様なバンドが沢山あるが、、、
屋上屋を重ねる様な音の洪水ではなく、このバンドの音は十分に整理されていて、減り張りの効いた音になっている。しっかり構築された安定感もある。そういった明瞭な音に、時にSEやギター等の多少捻った音も加え、楽曲に場面展開が感じられる。
ヴォーカルはいかついグロウルに若干のえぐいガテラル入りで、歌唱も極めて安定している。
ギター・ソロはメロディックでメタル度が高く、曲や場面に応じた変化もあり、かなりテクニカルな演奏が聴ける。
全般に最近のブルデスとしてはおとなしい音作りで、地味なバンド。ギタリストの演奏と、不要な音がない"すっきり感"が特徴だと思うが、良くも悪くも常識的(良いと思うか悪いと思うかは聴く人次第ということだが)で、言い換えれば音の厚みはなく、また、えぐさやアンダーグラウンド感は強くはない。まさに地味。

SERIAL BUTCHER は1995年にベルギー East Flanders州 Gent市で結成した。
結成メンバーはドラマーの Nico Veroeven (ex-APOCRYPH, ex-LEPTOTRICHIA) とギタリストの Hendrik Dobbelaere の2人。その後ベーシストの Bob D’Hondt とシンガーの Steven De Craeker (PUTRID INBRED) が加わった。
このメンバーで1997年にデモ "serial butcher" (4曲) を発表し、月2回あまりのライヴも行った。当時の対バンは LOUDBLAST, SUFFOCATION, ABORTED 等。
1998年のデモCD EP "exhumed rotting" (5曲) の後 Bob が脱退し、代わりのベーシスト Peter が参加、また新しいシンガー Tim も参加。
2000年に解散して、同年再結成。再結成のメンバーは Nico, Hendrik, 元のシンガー Steven の3人。
2001年にデモ "Butchers Forever" (5曲) を発表。
2003年1月に米国の DEEP SEND RECORDS と契約し、2004年に始めての公式作品である CD EP "genocide landscape" がリリースされた。この作品の録音は Kris Belaen (ABORTED, IN-QUEST, 米国の INTEGRITY などの録音やプロデュースをしている)がした。作品録音時は、正式メンバーが Nico と Steven だけになっていたが、録音後、ベースには Koen Van Goethem が、ヴォーカルには Kurt "Monie" Termonia が参加 (Steven は脱退)、2004年4月からギタリスト Gijs Cielen が参加した。
2007年には、1997年の 1st demo tape と 1998年のデモ CD EP をあわせた編集盤CDが DEATHWAKE からリリースされた。リマスターは当時 ACEPHALOUS でヴォーカル/ギター/ドラムズを担当していた Kenneth Keysers という人がした。
2008年末、新しいギタリストに Kenneth Keysers が参加して (Gijs Cielen は脱退) 初のフルアルバム "a crash course" を Henrik Larsson (HAUNTED, AMON AMARTH, VOMITORY) のプロデュースで録音。この作品の advance demo により米国の UNIQUE LEADER RECORDS の契約を得て、作品は2010年にリリースされた。

本作は2015年(September 18th, 2015)にリリースされた2ndアルバム。10曲(41:04)。
結成から20年にして、ついにメンバー的にも安定してきたようで、前作と同じ、 Nico Veroeven (Drums), Kenneth Keysers (Guitars), Kurt "Monie" Termonia (Vocals), Koen Van (Goethem) の4人で録音されている。
なお、現在残っている唯一の結成メンバー Nico (Ds) は2012年から EMETH にも参加している。
LABEL: UNIQUE LEADER (USA)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)