TANGLED THOUGHTS OF LEAVING - yield to despair 全曲試聴

DOMM-GAZE / POST-METAL / POST-ROCK / MATH ROCK / DARK JAZZ

粒子の荒れた、フィルムの傷が雨の降っているように見える、古いセピア色の映画の場面を見ているような、荒れていて懐かしく物悲しい音響とメロディーに満ちている。重層的なメロディー (別の楽器は別のメロディーを演奏する) のダウン・テンポのインスト・ロックだ。
ジャジーな感じも与えるピアノの入った軽い (でもちょっと憂鬱な) ポスト・ロックなどと、重い鬱ドゥームやノイジーなパートが交錯するような展開。スローで叙情的な暗いメロディーの上に、生活音と思われるノイズ (何かを開け閉めするような音とか) からアンビエントな音/抽象的なノイズまでと、楽器の演奏だが効果音的な音の出し方が何かの光景をあらわしていると思えるもの等を配している。
収録曲は長尺でメロディーも豊富、色々と変化して行き、ちょうど映画を見ているかのようだ。バンド自身は NEUROSIS や RUSSIAN CIRCLES の範疇のサウンドと捉えているようだが、今の時点ではこのバンドのほうが先に行っているのではないか。
曲によって異なるが、前作 (前のフルアルバムは2011年) より轟音パートが少ない事が多く、全体的には叙情性が増していて、重みのあるダークネスも増しているが、感傷的で心を打つようなドローン・ミュージックになっている。

TANGLED THOUGHTS OF LEAVING (TToL) は2004年にオーストラリア Perth市で結成した。
1stフルアルバムは2011年にオーストラリアと日本でリリースされた。
2013年に欧州をツアーした。
本作の後のツアーでは THIS WILL DESTROY YOU や 65DAYSOFSTATIC と共演する。また、 RUSSIAN CIRCLES, DEAFHEAVEN, GRAILS, BORIS との対バンも予定されている。
バンド・メンバーは Aaron Pollard (Piano, Synth, Vocals), Andrew McDonald (Guitar, Uke), Ben Stacy (Drums, Sax), Luke Pollard (Bass, Samples, Glokenspiel) の4人。楽器 Uke は多分ウクレレと同じ、 Glokenspiel はグロッケンシュピール (=Glockenspielの綴りが一般的 =鉄琴の一種) と同じ。

本作は2015年(17 April 2015 )に crowdfunding により自主リリースされた2ndアルバム。5曲(69:28)。

こちらは2015年(September 11, 2015)にリリースされたドイツ/欧州盤。
LABEL: PELAGIC RECORDS (ドイツ)

bandcamp全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。試聴はお早めに。

(コメント:犬丸)