ABIGAIL WILLIAMS - accuser 全曲試聴

BLACK METAL

吹っ切れた感じがする。USブラックの原点・初心に一旦戻ったようで、それを基点としたサウンドをとことん追求している。
ラウドで十分にノイジーだが、かなりメロディックなリフで、ギターのトレモロも美麗でキャッチー。疾走パートは潔く全速ブラストで疾走し、スロー・パートは陰湿でダークにして叙情的なギターも十分に聴かせる。かなりストレートなUSブラックメタルだが、"おかず"も盛り込まれている。
これは生れ変わった ABIGAIL WILLIAMS の新作だ。まずメンバーから言えば、リーダー格 Ken Sorceron 以外は、現在のメンバーは WOLVHAMMER や COBALT 等、PROFOUND LORE のバンドのメンバーで固められており、セッション・メンバーも NACHTMYSTIUM のメンバーで、ゲストにも現在や過去の NACHTMYSTIUM のメンバーや、 WOLVES IN THE THRONE ROOM, INDIAN, LORD MANTIS, COBALT, KRIEG, TWILIGHT (複数のバンドに加わっているメンバーが多いため重複あり)が加わっている。
実は NACHTMYSTIUM はリーダー Azentrius (Blake Judd, TWILIGHTにも参加) による金銭的不祥事があり、現在正式には脱退していないメンバーも残っているが、活動は停止している。それで NACHTMYSTIUM がこちらに乗り移った感じもある。
メンバーがすご過ぎても情念の感じられない作品というのも多いが、このメンバーは結構フラストレーションが溜まっていた筈で、実際頭を使わずに感性で爆発している曲が多い。
ヴォーカルについては、残響が多く明瞭には聴き取れない録音も上手くできていると思うが、 Ken Sorceron の'ぎゃーぎゃーわめく'タイプのヴォーカルは、目立った特徴はないものの、どの曲にも溶け込んでいて過不足がない。

ABIGAIL WILLIAMS は2004年に米国南部の Arizona州 Phoenixで結成した。当時のリーダーは Kenneth "Sorceror" Rothschild というギタリストだったが、この人の詳しい履歴はわからない (でも Ken Sorceron と同じ人のような気がする)。ABYSMAL GATES や BLACK DAHLIA MURDER, JOB FOR A COWBOY に関連する(直接または間接的にメンバーが重なる)メタルコア・バンドだった。
その後北東部五大湖地方の Ohio州 Cleveland市/Michigan州 Detroit市に移り、その後北東部沿岸地域の New York州 New York市で活動したのち、西海岸最南部 California州 Los Angeles市で活動をつづけていたが、現在は西海岸最北部の Washington州 Olympia市を本拠地としている。引越しとともにメンバーもごっそり変わり、そのたびにサウンドも変わっている。

本作は2015年(USA:30 October 2015, UK:13 November 2015)にリリースされた4thアルバム。8曲(45:34)。
本作のバンドメンバーは Ken Sorceron (Guitars, Vocals, ex-ABORTED), Jeff Wilson (Guitars, 当初はBassを担当, WOLVHAMMER, ex-NACHTMYSTIUM), Charlie Fell (Drums, COBALT, NACHTMYSTIUM, ex-LORD MANTIS, ex-AVICHI)の3人。
正メンバーにベーシストは不在のため、ベースはゲストの Will Lindsay (WOLVES IN THE THRONE ROOM, NACHTMYSTIUM, INDIAN)が担当。彼はセッション・メンバーとしての参加だが、一時は正式のメンバーとして報じられていた。
その他のゲストは Neill Jameson (KRIEG, TWILIGHT)がアディショナル・ヴォーカルで参加している。
前作のメンバーは、 Bryan O' Sullivan, Zach Gibson, Ken Sorceron, Ian Jekelis だったので、このバンドとしては恒例の Ken Sorceron 以外の全員入替えが行われている。
LABEL: CANDLELIGHT (UK)

Youtube全曲試聴(音が小さ過ぎて、ヴォリュームを上げても音圧不足っぽいです)
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song365全曲試聴(音は大きいですが、音が割れ気味です)

(コメント:犬丸)