NO MERCY - widespread bloodshed, love runs red (SUICIDAL TENDENCIES) 全曲試聴

US HARDCORE / CROSSOVER THRASH / THRASH METAL

このアルバムはかなりスラッシュ・メタル性が強いが、やはりクロスオ-ヴァーなので、その面白味がある。ざくざくしたり、速かったり、聴かせるソロソロが入ったりする一方で、奇妙なだれた感じや暗さがあったり、メタルとして聴けばちょっともたついた感じがありB級グルメのテイストがある。かなりメロディックで、ストリート感覚の部分もあり、全般的にはそれほどスピード感はない。ハードコア・パンクと言うより、パンクのテイストも入る。
長く廃盤となっていた幻のアルバムだ。バンド名はNO MERCYだが、流通上はアーティスト名がSUICIDAL TENDENCIESとなっている場合(Amazon.co.jp等)もある。後に記載するバンドの来歴でも明らかなように、SUICIDAL TENDENCIES (以下S.T.と略記)の別動隊的な存在だ。

NO MERCYは1982年に、米国 California州 Los Angeles市 Venice町内会(Neighborhood)で、4人が結成した。
コア・メンバーはMike Muirのバンダナ友達で、1987年位からS.T,に参加するMike Clark。後に2代目Voとして参加したMike Muirも深くかかわっている。2代目ベーシストのRic "Rancid" ClaytonがおなじみのS.T,のロゴをデザインした。1985年に初代シンガーKevin Guercioが WY州 Jackson Hole市に引っ越したため、替わってMike Muirが参加した。
1987年頃Mike Muirと Mike Clark以外が脱退したため、新メンバーを加えて、1987年からSUICIDAL TENDENCIES名義で活動を始めた。1988年にS.T.の3rdアルバムとして発表した"how will i laugh tomorrow, when i can't even smile today"は、NO MERCYが解散のため完成出来なかった2ndアルバムに相当する。このほか、NO MERCYのファースト(本作)の曲9曲の内4曲の再録音がS.T,の1989年の4thアルバム"controlled by hatred / feel like shit...deja vu"に収録されている。
その後NO MERCYは、2000年にMuirとClarkを中心とし、他のS.T.のメンバーらも参加してNO MERCY FOOL!の名義で再結成した。2010年にはNO MERCYの昔の曲の再録音を、カタログ上はSUICIDAL TENDENCIES名義でタイトルを"no mercy fool! / the suicidal family"として発表した。従ってS.T,のバックアップを受けていたと言うより、S.T,の音楽的変化にも密接に関連する表裏一体的な関係で、1987年以後は2つのバンドは同じ物になったと言って良いだろう。
その後、2013年にWAKING THE DEADに改名している。

本作は1987年にSUICIDAL RECORDSから、アナログ盤LPとカセットテープでリリースされた1stアルバム。9曲(41:44)。

こちらは2014年(Oct 28, 2014)にリリースされた初CD化盤。
LABEL: SUICIDAL RECORDS (US)

Youtube全曲試聴(9曲目"Waking the Dead"を除く)
Youtube試聴・本作9曲目"Waking the Dead"
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)