GRAI - warmot the bitter grass

FOLK METAL / PAGAN METAL

フォークロアの響きとプリミティヴなメロディーだけでも魅惑されるタタールスタン・フォークを取入れたフォーク・メタル。色々な音色(音階)のフルートがフォークロア色のある物悲しいメロディーを演奏し、哀愁を感じさせながら疾走する部分が多い。管楽器のプリミティヴな響きとタタールスタン語で歌われていること自体が魅力の一部になっているが、純粋なフォークロアでなくメタルなので大変にとっつきやすい。タタールスタン・フォークについては知識はないが、コーラスの重ね方や歌うときの発声などにも民謡の特徴を持ち込んでいるように思う。多くの曲やパートは草原を馬で駆けるような疾走感があり、2人(+ゲスト2人)の女性ヴォーカルのソロやハーモニーを聴いていると、個人的に知合いになりたいと、、、。魅力の大部分はタタールスタンのフォークロアそのものに由来している。デス色は少なめで、デス声などの男性のヴォーカル1人(+ゲスト1人)及びデスメタル的な演奏は、それ自体はたいして魅力的ではないが、全体を引き締める役割を担っている。データでは確認できないが、ガルモン(アコーディオンの類)やマウスボウの類も使われているかも知れない。

2005年にRaven Bloodの名前で結成した、タタールスタン共和国Naberezhnye Chelnyの6人のバンド。2007年からが"Грай"で、英字ではGRAIの他GRAJとも綴られる。

本作は2009年(August 30th, 2009)にロシアのVOLH RECORDSから発表した1stアルバム。オリジナル・タイトルはПолынь-Трава。9曲(46:17)。
こちらは2013年(2013, 24th October)にオランダのVICからリリースされた再発盤。
LABEL: VIC (オランダ)

Mfmf!試聴: http://mfmf-music.com/search/album/?q=%D0%9F%D0%BE%D0%BB%D1%8B%D0%BD%D1%8C-%D0%A2%D1%80%D0%B0%D0%B2%D0%B0
タタールスタンは、フン語やトルコ語と同じテュルク語系のタタール語を話す元遊牧民のタタール人が、人口の半分以上です。そのため、タタールスタンのフォーク・ミュージックと言うのは、タタール人系のものを意味すると思われます。ハンガリーと民族は異なりますが、ハンガリー同様ナイ(パンフルート)等の縦笛やホイッスルが使用され、音は似ています。

(コメント:犬丸)