SODOM - collection: 5 original albums in 1 box 2014 issue (5cd) 全曲試聴

THRASH METAL

陳腐な表現だが、日本ではDESTRUCTION、KREATORと合わせてジャーマン・スラッシュ三羽烏と呼ばれた。
DESTRUCTIONのいかついサウンドやヴォーカル、KREATORのヒステリー・ヴォーカルに対して、ちょっとパンキッシュで特にメタル好きではない私が聴いても面白いのがSODOMという感じ。ヴォーカルもどこかサタニックに咆えるような発声をする。

SODOMは1981年にドイツ North Rhine-Westphalia州 Gelsenkirchen市で、ベース/ヴォーカルのTom Angelripperとヴォーカル/ギターのAggressorが結成した。
TANKや RAVEN、さらにはMOTORHEADや VENOMにインフルエンスされていて、純粋なスラッシュ・メタルではない。ドラマーは見つけてもすぐにやめていった。
1984年にはAggressorがやめてTom Angelripperがヴォーカル/ベースの弾き歌いになり、この年SPV (STEEMHAMMER)と契約した。

青っぽいアートワークの"tapping the vein"は1992年(August 1st, 1992)にリリースされた5thアルバム。11曲(46:01)。
このときはTom Angelripper (Vo. Bass), Andy Brings (Guitars), Chris Witchhunter(R.I.P. 2008) (Drums)の3人がバンド・メンバー。
かなりブラック・メタルなヴォーカルが手ごわい。ダークなデス・メタルのような印象もある。

赤っぽいアートワーク(異なる再発もある)の"get what you deserve"は1994年(January 1st, 1994)にリリースされた6thアルバム。16曲(44:13)。
ドラマーがAtomic Steifに代っている。
疾走する。叫ぶ。熱い。よりシンプルになった感じもある。

"masquerade in blood"は1995年(June 1st, 1995)にリリースされた7thアルバム。13曲(42:40)。
本作からギターがStrahli (R.I.P. 2011)に代っている。
評価が低いことが多いのは、メタル性が薄れ、熱くストレートな疾走がなく、モッシュ・ハードコアの2ステップ的のりやラップコア的のりがあるからかもしれない。

"m-16"は2001年(October 22nd, 2001)にリリースされた8thアルバム。11曲(49:02)。
本作からギターがBernemannに、ドラムズがKonrad "Bobby" Schottkowskiに代っている。
複雑、テクニカルで、展開も凝った作り。色々聴かせるので面白い。Encyclopaedia Metallum (2015年09月24日17:47データ取得)では80点台が多く極端なばらつきは無い様だが、評価は分かれるだろう。

黒っぽいアートワークの"sodom"は2006年(April 21st, 2006)にリリースされた9thアルバム。11曲(43:01)。
メンバーは前作から変わりない。そのためか、複雑、テクニカルの方向性も同じで、さらに先に進んで安定している。モダンになったというのかもしれない。その分、アンダーグラウンドな感性は失われている。

こちらは2014年にリリースされたCD5枚組(3:44:57)。
以上の5枚をかわいい小さな箱に入れた、お徳用セット。
全体を通して聴くと、サタニック・スラッシュからモダン・スラッシュへというのが大雑把な流れのようだが、どの作品も聴き応えがある。
なお前年(2013年)にも同じ"collection: 5 original albums in 1 box"という5枚セットがリリースされていて、本作以前の音源が収録されている。
LABEL: SPV/STEAMHAMMER (ドイツ)

musicmp3試聴・アルバム"tapping the vein"
musicmp3試聴・アルバム"get what you deserve"
musicmp3試聴・アルバム"masquerade in blood"
musicmp3試聴・アルバム"m-16"
musicmp3試聴・アルバム"sodom"

(コメント:犬丸)