TEHOM - lacrimae mundi (TEHÔM)

DARK AMBIENT

ダウンテンポなダーク・アンビエント。
人の声(語り・つぶやき)と色々な音で作られた、コールドで瞑想的なアンビエント。同レーベルから同時発売のTREHA SEKTORIとの類似は大きい。違いと言えば、こちらの方が若干メロディーが明瞭に聴き取れる。
使用楽器などのクレジットがないが、このバンドをやっているMiljenko Rajakovicは、キーボードも弾くが主にコンピュータ+MIDIキーボードで音を作る人なので、このプロジェクトでも同様だろう。使われている音は、楽器や楽器以外の自然音のサンプリングと合成音ということになるが、ナチュラルに響く非現実的な音が多い。それが夢や幻のようなコールドで瞑想的な感覚を与えている。そして夢や幻の様なはかなさを感じさせる。

TEHOM (TEHÔM)は1990年代に、クロアチア Zagreb市(ザグレブ)のJesuit哲学大学哲学教授Sinisa Ocurscak (Siniša Očurščak)が始めたクロアチアのバンド。
スタート当時、DEATH IN JUNEの Douglas Pearceがバックアップしていた。1stと 2ndアルバムは、彼のディストロNEW EUROPEAN RECORDINGS (NER)系列のレーベルTWILIGHT COMMANDがリリースしている。
レコード・プロデューサーでミュージシャン/DJの Miljenko Rajakovic (Miljenko Rajakovič)は1stアルバムでは表に出ていなかったが、1996年から影のメンバーとしてTEHOMに協力していた。1996年にリリースされた1stアルバム"despiritualisation of nature"が、唯一の2人が揃って完成までかかわった作品になった。Sinisa Ocurscakは1997年に癌により死んだ。その3年後、2000年に2ndアルバム"theriomorphic spirits"が完成され、リリースされている。
Miljenko RajakovicはDJとしては1980年代末から活動していて、エレボディ(electronic body music)からアシッド・ハウスが中心で、DJ Maryの名前等で10作あまり(EPなど)の作品がある。
このプロジェクトは、2010年にMiljenko Rajakovicによって再開された。

本作は2014年(20 May 2014)にリリースされた3rdアルバム。9曲(59:00)。6面デジパック。500枚限定。
ヴォーカルとリーディングはSteven Asheと言う人で、歌唱と言うよりぽつぽつ読み上げる様な部分がほとんど。作曲はMiljenko Rajakovicで、演奏(と言うより音響)もすべて彼がやっているようだ。
LABEL: CYCLIC LAW (カナダ)

Soundcloud試聴・本作ハイライト

(コメント:犬丸)