「いつまでもこんな事やってられない」の件

アビスは永遠ではありません。
この店は、店長の楽しみとして、また京都最後のインディーズ・ストアとしての責任上、たらたら続けております。しかし、ぜーん然儲からないので、誰かがあとを継ぐわけでもなく、いつかは終わりにしなくてはなりません。
この事については、以前のブログ「付゛録゛」でお知らせしていたのですが、内容が古くなったため、「付゛録゛」のブログ・サーヴィス引越しに際して記事を削除しておりました。

基本的には、インディーズ・ストアを閉店して、その後中古クラシックCDストアー部門を数年間引続いてやってから、全部門閉店というのを目論んでいます。

数年前(もう十年位前からかも知れません)から、世界的にCDの流通状況が悪化していて、以前のように「売切れたらまた同じ業者に発注する」では済まされなくなっています。現在は、「売切れたら、どの業者に在庫があるか、どの業者が安いか(価格差が大きくなっている)を調べた上、その価格で入荷して良いかどうか確認するため、他の国内販売店の小売価格も調べた上で、問題なければ発注する」と言う手順が必要になっています。加えて最近の激しい円安で、入荷する毎に原価計算をやり直して価格を決め、店頭商品に添付するプライスカードの価格表示と、サイトのデータを修正する必要があります。このためパソコンでの事務的な仕事が以前の何倍もの大量になり、老眼や乱視による視力の低下を加速しています。中古クラシックCDストアーをやって行く為には、傷のチェックが出来るだけのある程度の視力が必要ですので、そこまで視力を低下させる前にインディーズ・ストア部門を閉店する必要があります。

そして、この店は私(犬丸)の力だけでやっているのではありません。犬丸はいまだに母犬の世話になっており、朝ごはんは自分で作りますが、晩御飯は母に作ってもらっています。洗濯も母がやっています。それどころか、茂り続ける家の周りの木をはしごに乗って切ったりするような仕事も、母にやってもらっています。よーするに、家の仕事は母まかせで、母に養ってもらっている状態です。一言で言ってパラサイトです。

さて、最新の状況をお知らせ致します。
各国のCDの流通状況がさらに悪化して、新譜が激減しています。
ここまで円安になると仕入れも慎重にしなくてはなりません。
母も85歳になり、さすがに老朽化してきて、良くころがります。
乱視の進行で「口」が「日」に見える状況です。少し離れて見ると、お客さんに顔が2つあったりします。

開店30周年となる2015年でインディーズ・ストア部門をやめることになっています。これが以前お知らせしていた予定です。
以前に一部のジャンルの取り扱いを停止した時も、予定を3年4年過ぎてもまだ在庫があると言う状態だったため、なかなか予定どおりに2015年でやめられないと考えています。今のところ、ほとんど入荷を絞り込んでもいません。しかし一方で、入れるべき新譜がどんどん減って行くと言う状況には、更に拍車がかかっています。新譜も少ないし、内容的にも低下している(試聴を探して聴いてみて結局やめるのが多い状況)し、自然と取扱タイトルが減ってきています。

実際に、インディーズ・ストア部門をやめるのがいつになるかは、周囲の状況に左右されそうな気がします。
結局はっきりした事はいえませんが、家の状況を考えればあまり時間はないのかもしれません。今は母に世話をしてもらっている身ですが、母の年齢を考えれば、いつ立場が逆転してもおかしくない様です。

それまでの間、何らかのお役に立てば幸いです。