ROG AND PIP - our revolution

HEAVY ROCK / HARD ROCK

1971年ごろの録音。単純に言えばLED ZEPPELIN (1968年結成・同年1stアルバム)とBLACK SABBATH (1969年結成・1970年1stアルバム)の影響下のサウンド。ヘヴィー・ロックな感じもあるが、最近のレトロロックのバンドの録音よりはかなりハード・ロックだ。

母体となった(と言っても音は似てません)バンドSORROWSは1963年に(多分5人で)結成された、英国 England(国) Warwickshire州 Coventry市のバンド。
写真でも想像つく様にMods系で、白人による Rhythm And Blues (R&B)要素のあるBritish Invasionのバンドで、日本風に言えばグループ・サウンズ的な演奏。メロディックで、聴く人によってはいくらかサイケデリックかも知れない。
Pip Whitcherは結成メンバーで、中心人物とも考えられていた。結成メンバーのPhil Packham とDon Fardon が脱退し、1966年からRoger Lomas (Rog) がリード・ギターとして参加した。SORROWSはドイツでも活動した後、イタリアでの人気が高くなり本拠地をイタリアに移した。しかしPip WhitcherとRoger Lomasはホームシックを理由として1969年に脱退し、メンバーは補充されずに活動を停止した。彼らのサウンドは後にFreakbeatと呼ばれた。
当時の作品には、1965年の1stアルバム"take a heart" (当時の英国3大レコード会社の一つPYEのPICCADILLYレーベル)と1968年の2ndアルバム"old songs new songs" (イタリアのMIURA)がある。

PipとRogは英国に戻って作曲を続け、これらのマテリアルはプロデューサーとなったRogにより録音された。
この録音の中から、1971年に、ドイツのPHILIPS (元スイスの家電メーカーPHILIPSのレコード部門で、転売されて現在はユニヴァーサルに統合されている)とギリシャのPOLYDOR (元はドイツのGRAMMOPHONが海外での商標権問題をさける為に作った外国向けレーベル名で、日本を含む各国にあった。このレーベル名はPOLYGRAMを経て現在はユニヴァーサルが所有している)から7インチ・アナログ盤シングル"from a window / war lord"が発売された。

その後、Roger Lomas は80年代にはSKA系のプロデューサーとなってBAD MANNERS等を制作。2003年のLee "Scratch" Perryの作品ではプロデューサーとしてグラミー賞を受賞している。

一方、Don Fardonはソロとなって"indian reservation" (1968年にフランスのVOGUEから)が大ヒットし、GNP CRESCENDO (米国のジャズやR&Bのレーベル)やDECCA (英国のレーベルで、商標権問題から英国以外でのレーベル名はLONDONだった。現在はユニヴァーサルに統合されている)等からアルバムをリリースしている。
結成メンバーのPhil Packham とDon Fardon は2011年にSORROWSを再結成している。

本作は2014年(12th May 2014)にリリースされた。Rogによリ保存されていた前述の録音の全曲を収録している。12曲(38:22)。
LABEL: RISE ABOVE RELICS (UK)

Youtube試聴・本作12曲目"War lord"当時シングルで発売された曲
Youtube試聴・本作11曲目"From a Window"当時シングルで発売された曲
Youtube試聴・本作4曲目"Evil Hearted Woman"

Youtube試聴・"Sorrows - Pink Purple Yellow and red"アルバム全曲
SORROWS とROG AND PIP では全然音が違いますね。

(コメント:犬丸)