AGALLOCH - serpent and the sphere 全曲試聴

BLACK METAL

いわずと知れた、CASCADIAN BLACK METAL (CBM)を代表するようなバンド。先に日本で一般化したWOLVES IN THE THRONE ROOMよりもベテラン。CBMの共通項であるアトモスフェリック性やフォーキーな音にとどまらず、本作では時には躍動的かつパワフルな音楽性もみせ、変化に富んだ音作りをしている。彼らの場合、フォーキーな面はペイガンやエピカルなサウンドとも表裏一体になっている。ヴォーカルはしわがれブラック・メタル的な部分が多い。そして複雑な印象は与えないが展開は多い。少し普通のブラック・メタルに近くなっている。

カスカディアはトーマス・ジェファーソンが提唱したRepublic of the Pacific (太平洋岸共和国)を起源として環境運動系等から主張されだした仮想の連邦共和国で、一般的にはブリティッシュコロンビア州(含めない意見あり)、オレゴン州、ワシントン州の3州全域か、それにアイダホ州(全域)、カリフォルニア州北部、アラスカ州一部、ユーコン準州一部をくわえたもので、更に広範囲を主張する意見もある。環境運動系以外からの主張もあり、そちらを中心に実態的な独立運動もある様だ。

CBMの歌詞面での特徴は自然崇拝または自然への溶け込みであり、Red and Anrchist Black Metal (RABM)に近いバンドも多そうだ。
出身地が異なってもアトモスフェリック、アコースティック、アンビエント等(必ずしも3つ同時に必須な訳ではありません)のサウンド面や歌詞面で共通するバンドを含める場合もある。
またカスカディア域内出身のバンドの場合はある程度自然崇拝等の要素があれば、サウンドがかなり異なっても含める場合がある。

1995年に結成した、米国 Oregon州 Portland市の4人程度のバンド。大部分は初期からのメンバーだが、ドラマーが2007年からex-LUDICRA (多分このバンドもRABM)/現WORM OUROBOROSの人になっている。

本作は2014年に米国PROFOUND LORE (May 13th, 2014)とドイツEISENWALD (19 May 2014)と日本DAYMARE RECORDINGS (2014/5/14, 10曲)からリリースされた5thアルバム。9曲(59:58)。4人。
なんとBilly Andersonがプロデュースしていますね。ストーナーでははずれを作らないと言っても良いくらいの人ですが、チェックしてみたらBRUTAL TRUTH等のプロデュース歴もあります。
LABEL: EISENWALD (ドイツ)
LABEL: PROFOUND LORE (USA)

Musicmp3全曲試聴
Soundcloud試聴・本作5曲目"Celestial Effigy"

(コメント:犬丸)