HIIDENHAUTA - noitia on minun sukuni 全曲試聴

BLACK METAL

カレワラと言えばメロデイック・デス・メタル(だった)AMORPHISが歌って有名だが、このバンドはカレワラのブラック・メタル版になっている。
メロディックで比較的ファストなパートが中心だが、ミッド・ペースやスロー・ペースが少し入る。男性のシャウト・ヴォーカルと女性ヴォーカル。女性ヴォーカルの方がやや少な目かもしれないがほぼ半々。女性ヴォーカルはソプラノではなく男性より低いパートが多く、やわらかく低い目の声がヴォーカル面の魅力になっている。サウンド面でのフォークロア色(フィンランド的なもの)は少ないが、フォーク・メタル性やシンフォニック性も多少あり、サウンド面ではバランスのとれたものになっている。
このバンドの特徴はカレワラ・メーターと言う古来の韻律詩形式で歌っていると言う点にある。と言っても、聴いていても判らないが、、、。
紀元前にさかのぼるとされるフィンランド湾岸部族起源のフォークロアは口伝(くでん)により伝承され、Elias Lonnrotによって纏められて、1833年には「ワイナミョイネンの民詩集」、1835年には「カレワラ・フィンランド民族太古よりの古代カレリア民詩」、1849年にはその拡充版として発表された。現在単にカレワラといえば1849年版の民詩集を指す。
さて、このカレワラの韻律は特別な長短格(trochaic)のtetrametreと言う1行に4つの韻脚を持つ(a verse line having 4 metrical feet)形式で、この形式を最近ではカレワラ・メーターと呼ぶ様だ。カレワラ・メーターには「頭韻」「並立法(parallelism)」「聯(れん)(stanza)が存在しない」と言う特徴がある。
このバンドはカレワラ詩集を歌うのではなく、カレワラ・メーターで作曲している。勿論歌う題材もフォークロアを題材にした曲もある。アンチ・クリスティアニティの曲もあるが、サタニックなのではなく、キリスト教に制圧される前のフィンランド神話をテーマにしている様だ。

2012年に結成した、フィンランド Satakunta市の6人のバンド。男女シンガーが楽器を持たないヴォーカル専任の為、6人だが演奏はギター・ベース・ドラムズ・キーボードの4人。このバンドは音楽的にキーボードは必要なので、これはシンプルな編成だと言える。

本作は2014年(March 14th, 2014)にリリースされた1stアルバム。8曲(40:34)。ゲスト・ヴォーカルはKORPIKLAANIのJonne Järveläが1曲参加。
LABEL: INVERSE RECORDS (フィンランド)

Youtube全曲試聴
全曲試聴は期間限定の場合があります。お早めに。

(コメント:犬丸)